文系出身の女性エンジニアが、自分らしく輝く。
このストーリーのポイント
- ITに興味も関心もなかった文系女子が、ITエンジニアとして活躍
- 入社3年目には中心メンバーとしてプロジェクトに参加
- グローバルに活躍することを目標に、日々努力を重ねている
ITに興味も関心もなかった文系女性が、あるきっかけでModisと出会い、研修を経てITエンジニアとして活躍している。サーバ、ネットワークといったインフラ系のシステム構築・運用を担当。入社3年目には中心メンバーとしてプロジェクトに取り組み、成功に導いた。社内で東海大学OB/OG会を発足させ、また母校での講演活動が評価され表彰を受けるなど、実務以外の取り組みにも積極的だ。未来の自分は、過去に憧れていた女性でありたいと、自身の成長にも貪欲である。将来、グローバルに活躍することを目標に、日々努力を積み重ねている。
Profile
安藤 和香子
AKKODiSコンサルティング株式会社(旧社名:Modis株式会社)
情報通信事業本部エンタープライズ事業部/2016年入社/東海大学教養学部国際学科卒
高校時代にニュージーランドへの留学を経験。多様な人種、文化、価値観に触れたことで、それまでの自分の殻、固定概念を打ち破るきっかけとなった。大学卒業後、貿易会社に入社したが、早々に自分の居場所ではないと判断しModisに転職した。入社して4年目、エンジニアとしての確かな成長の実感が仕事のやりがいを生んでいる。
高校時代のニュージーランド留学
私は大学では国際学科を専攻していました。世界の多様な価値観や異文化、社会のあり方に興味があったからです。そのきっかけとなったのが、高校3年生の時、ニュージーランドに2ヶ月間短期留学したことでした。この留学で、人生が大きく変わったと感じています。それまでの私は、周囲で広く支持されているもの、みんながいいということがベストだと考えていました。そんな私に対して母親が、「人の考え方や価値観は多様だから、違う世界に触れてみては」と海外留学することを勧めてくれたのです。 そして、ニュージーランドの先住民族であるマオリ族の家庭に2ヶ月間ホームステイをしました。ニュージーランドは多民族国家であり、そこに住む人たちそれぞれが様々なバックグラウンド、考え方を持っていること、そのこと自体に驚きました。日本にいたときは、みんなと同じように「こうでなければならない」という固定観念がありました。ニュージーランドで生活する中で、そんな考えが打ち砕かれたのです。みんな同じでなくていい、みんな一緒でなくていいという発見が、自分を大きく成長させたと思います。そして、人と違ってもいい、自分の考えていること、思っていることを発信する自分へと変わっていきました。
大学入学後は、さほど学業に力を注いでいませんでしたが、大学2年のとき、自分は将来、どうありたいのかを考えるようになりました。考えても明確なビジョンは描けなかったものの、社会に出てから後悔したくないと思い、前向きに勉強に取り組むようになったのです。その一つが語学習得で、私を変えたきっかけになった地であるニュージーランドへ語学留学をしました。また、大学の講義では、最終的にはポリネシアに着目し、ポリネシアの経済・文化を文化人類学視点でとらえたレポートをまとめました。
IT業界の魅力と新たな発見
就職活動では、自分の強みであるコミュニケーションスキルを活かす仕事を考えました。その上で、海外と接点がある仕事、また実際に現地で働くことを目標に就職活動を進めました。アプローチしたのは、海運や物流、貿易系の会社であり、現在私が携わっているITは、当時まったく視界に入っていなかった業界。IT業界というのは、ひたすらパソコンに向かってプログラムを書いているイメージがあり、私が目指す世界とは最も縁遠いと考えていました。そして、大学卒業後ある貿易会社に就職したのです。
就職した貿易会社は、海外と接点があるものの、仕事は書類の作成が中心であり、早々に自分の居場所でないと判断。入社半年後に退職して、転職活動を進めました。そして転職エージェントが持ってきたリストの中にModisがあったのです。しかも職種は、ITエンジニア。未経験でも研修があるので可ということでしたが、元々興味のある業界ではありません。少し悩みましたが、面接の練習にはなると思い、Modisを訪ねたのです。この時点で就職することはまったく考えていませんでした。
面接を受けて話を聞き、また自分なりにModisの企業研究を進めていく中で、ある気付きがありました。それは、今まで自分の仕事についての考えが頑なであり、視野が狭かったということ。IT業界に対しても、先入観で判断していました。ITはボーダレスでつながる世界です。さらに、手に職を付けて新しいスキルも獲得できます。ひたすらプログラムを書く仕事ではなく、多くの人とコミュニケーションを取りながら、社会や人の生活をITで支える仕事であることも新しい発見でした。特にModisの場合、ものづくりだけでなくコンサルティングを含んだ仕事であることに魅力を感じ、入社を決めたのです。
プロジェクトの中心メンバーとして
ITという新しいことへのチャレンジに、ワクワクしている自分もいましたが、一方でITとまったく無縁な人生を送ってきたので当初は不安でした。そして入社早々始まったのが、2ヶ月におよぶ研修。サーバとネットワークの基礎を学ぶ、非常に手厚いものでしたが、そもそも私の場合、
「サーバって何?」
から始まるレベルであり、わからないことがわからない世界。そんな私でも理解できる厳しくも丁寧な研修で、当初の不安は払しょくされました。また、仲間と切磋琢磨した時間はかけがえのないものになりました。
私が最初に就業したのは大手電機メーカー。担当したのは、現在、各電力会社が力を注いでいる電力スマートメーター(電力使用量をデジタル計測する電力メーター)システムの構築・運用でした。具体的には、電力データの収集および通信制御を行う「ヘッドエンドシステム」と呼ばれるアプリケーションのリリースを担当しました。Modisは単独ではなくチームでプロジェクトに参画します。だから、悩んだときや困ったときは、先輩方のバックアップやサポートがあり、現場では不安なく業務に取り組めました。入社3年目に取り組んだプロジェクトは、強く印象に残るものとなりました。電力スマートメーターシステムを活用したガス・水道の使用量の、遠隔収集システム実証実験の中心メンバーにアサインされたのです。
それまではリーダーの下で指示を受けて仕事をこなしていましたが、この実証実験では実質的にリーダーとしてプロジェクトに臨みました。大変だったのは、運用・構築するにあたり、一つひとつの技術が属人化していたこと。サーバ、データベース、アプリケーション、スマートメーターの仕様等すべて、担当者が違っていました。各担当者とも面識がない中で大切にしたのは、メンバーとのコミュニケーション。それぞれのエンジニアがどういった立ち位置なのか、どんなプライドを持って仕事に臨んでいるのか、それらを理解すること。その結果、チームとして一体感が醸成されシステムはリリースすることができました。作業的な観点でいえば、私は基本的な作業しかしていませんが、プロジェクトを完遂するための、重要なピースの一つにはなれたと思っています。
Becoming to who I dreamed to want to be
プロジェクトの中心メンバーとして取り組み、結果を残せたことで、エンジニアの形も多様であっていいことに気付きました。同時に
「人から必要とされるエンジニアとは何か」
を考えるきっかけとなったプロジェクトでした。今でも明確な答えは出ていませんが、それは単に技術を提供するだけでなく、プロジェクトの課題を見出し、それを解決に導くことができるエンジニアだと考えています。プロジェクトを完遂させたことで、システムに関する知識が増えたことは確かですが、最大の収穫は、エンジニアとして自信が持てるようになったことだと感じています。
現在は、以前のサーバ系分野の仕事から離れて、ネットワーク系の業務を行っています。サーバとネットワークは、たとえればバイオリンとギターぐらいの違いがあるので、わからないことも多く、日々技術の吸収に努めています。ただ、お客様先に出たからには、Modisの看板を背負っており、今までやっこなかったでは言い訳にならないので、早く活躍できるように、早急に技術力を強化したい。そのため、勉強会や展示会へ積極的に参加していますが、一番の成長する方法は、与えられた仕事をしっかりやり遂げることであり、現場経験を積み重ねていくことだと思っています。
私が常に思っていること、大切にしていることは、未来の自分が、過去に自分が憧れていた女性でありたいということです。つまり、
「Becoming to who I dreamed to want to be」
そのためは、まず自分を好きになり肯定すること。そして、昨日より今日、今日より明日と、なりたい自分を追求し、現状に満足することなく、常に進歩・進化していく姿勢が大切だと思っています。
当社の最大の魅力は風通しがいいことです。社内イベントや社内SNSも活発で、自分のアイデアを発信できるのはもちろん、社内SNS上でプロジェクトを発足させることも容易です。私は東海大学に在学した経験を活かせないかと思い、最近、Modis内に東海大学OB/OG会を発足させました。メンバーが集まりつつあり、これから魅力的な取り組みを進めていきたいと思っています。また、業務とは直接関係ありませんが、入社以来、毎年、母校である東海大学で講演をする機会をいただいています。私が在籍した国際学科の学生に向けて行うもので、IT業界で働く面白さや醍醐味を後輩に伝えています。その活動が評価され、社内の表彰である「Modis Award 2018模範的活動・個人部門」を受賞しました。
私は文系からエンジニアにコンバートできましたが、それはModisの環境があったからこそだと実感しています。しかし、入社して4年目であり、エンジニアとして学ぶことは、まだまだ山積しています。IT系の社外資格にも挑戦したいですし、Modisが提唱するVI(バリューチェーン・イノベーター)へ成長したいとも考えています。また、在学時に国際学を学んだこともあり、今後はより世界とつながりのある仕事をしたい。世界進出は簡単なことではないと思いますが、自分らしく、夢に向かって頑張っていきたいと思っています。