地方に暮らして、“出張”で会社へ。そんな時代も遠くない。
このストーリーのポイント
- 在宅勤務の時代に合わせてリモートワークの環境を実現
- 以前から培ってきたインフラ技術を自社に有効活用
- 互いに気遣うフラットな風土が、スムーズな情報共有を後押し
システムシンクが、リモートワーク環境へスムーズに移行できたのは、従来培ってきたインフラ技術を有効に活用できたためだった。試行錯誤を繰り返しつつも、既にリモートワークは定着。今後はさらなる「働き方改革」に挑む。
-profile-
石丸 賢一
株式会社システムシンク
インフラソリューション事業部 ITサポートソリューション部 部長
1997年入社。神奈川県出身。情報処理専攻卒業。IT系企業での活躍を志して就職活動を行い、最も早いタイミングで内定を得たことから、システムシンクへの入社を決める。インフラ系の部門に配属され、以来一貫してインフラ構築で経験を積む。趣味はロードバイク。週末は1人で、時には会社の仲間と一緒に、風を切って走ることを楽しんでいる。
──リモートワークの環境整備を行うに至った背景について教えてください。
私はインフラ系のエンジニアとして2017年まで客先に常駐してクライアントのネットワーク構築などに取り組み、その後は自社に戻って社内のクラウド環境の整備などを推進してきました。ちょうどその頃から社会的にも「働き方改革」の気運が高まり、テレワーク実現に向けて、社内にソリューション展開することになったのです。
そんなタイミングで起きたのがコロナ禍でした。緊急事態宣言が発令されたことで社員は在宅勤務を余儀なくされ、当社でも急ピッチでリモートワークの環境整備が進められました。それまでクライアントに提供してきたインフラ構築のノウハウをリソースとして、自社向けに活用することになったのです。
──具体的にどのような環境を構築されましたか。
VPNを導入し、インターネット上の仮想の専用線を使って、出社しなくても自宅で会社にいるのと同様の環境でメールなどが使えるようにしました。利用したのはMicrosoft社のAzureです。セキュリティ面やコストを考慮して、当社にとって最適の環境が実現できと自負しています。またWebミーティングにはGoogle Meetと、やはりMicrosoft社のMicrosoft Teamsを活用し、情報共有しやすい環境を実現しました。グループごと毎朝必ずWebミーティングを行っています。
──社内の反応はいかがでしょうか。
出社しなくても、コロナ禍以前と変わらない効率で仕事ができていると好評です。IT業界は長時間労働が常態化しているようなイメージがあるかもしれませんが、当社はそのようなことはなく、以前から長時間労働はほとんど行われていませんでした。リモートワークの環境が整ったことで通勤が不要となり、さらに時間にゆとりが生まれたと社員は喜んでいます。
中には「会社にいないとついサボってしまうのでは」という声や「たまに出勤するといいリフレッシュになる」という声もあります。現在は毎週月曜日を出勤日と定めているものの、必ずしも出勤しなくてもいいと位置づけています。こうした点も含めて、リモートワーク時代の働き方については、まだ試行錯誤の面もありますね。
──新入社員にとって、リモートワークには戸惑いがあるかと思いますが。
それは確かに懸念材料でした。
実際、今年の新入社員はコロナ禍のさなかに入社し、入社式はWeb上で行われ、新入社員研修もWebでした。6月には各部署に正式配属され、部署ごとの研修に移行しました。これについては在宅でのリモートの研修と、出社しての対面型の研修をミックスする形で行われています。新入社員には当初、不安もあったようですが、徐々にこのスタイルに慣れてきたように思います。
もちろん迎える社員の側にも不安がありました。それでも積極的にWebミーティングを活用し、新人が孤立感を抱かないようにと、時間を見つけては声をかけるようにしています。
──自社での実績を踏まえて、クライアントへの展開もお考えですか。
ええ、その通りです。当社での取り組みをショーケースとして、今後はお客さまにも提案し、展開を広げていきたいと考えています。
──課題はありますか。
外部からVPN経由で社内のファイルサーバを利用できるようにしていますが、テストサーバへのアクセスができないといった問題がありました。この点は別のVPNを導入することで解決しました。一方でまだ残っているのが紙の問題です。ペーパーレス化にはずっと取り組んでいるものの、見積書や契約書などはまだ紙での運用となっています。これらは法的な制約もあり、運用面も踏まえて考えなくてはならないのですが、いずれにせよ今後は電子化を推進していきます。
──将来の展望についてはいかがでしょう。
「働き方改革」の波が止まることはなく、今後は場所を選ばずに働くことが当たり前になっていくでしょう。当社でもVPNだけでなく、仮想デスクトップも採り入れ、リモートワークをさらに推進していきたいと考えています。
将来は、例えば親の介護のために地方の実家に帰らざるを得なくなったとしても、会社を退職しなくてもいいようになるでしょう。地方で家族一緒に伸び伸びと暮らして、東京の本社には出張ベースで出社すればいいというような、そんな時代になるのではないでしょうか。
──石丸さんご自身のことを教えてください。
システム開発の仕事を志して入社したのに、配属されたのはインフラ系の部門。当初やりたかったこととは違っていたのですが、以来一貫してインフラ構築に携わってきました。
学生の皆さんにもよく質問されるのですが、インフラ系の仕事というのはなかなかイメージしづらいと思います。私自身も最初はそうでした。具体的な業務としてはPCの設置に始まり、サーバやネットワークの構築・保守、最近ではクラウド環境の構築などが多いですが、要するに情報システムがきちんと稼働するための土台をつくる仕事、見えないところで下支えする仕事です。
インフラ系の仕事に携わっていると、事業の構造や企業の仕組みなどが見えてくる面白さがあります。それらを自分たちが技術力で支えているという実感が、一番のやりがいですね。ぜひこうした面白みを、皆さんにも知っていただきたいと思います。
──石丸さんが感じるシステムシンクの魅力とは何でしょう。
オープンでフラットな社風ですね。上下の垣根が低く、部署の壁を越えて気軽にコミュニケーションできる環境です。それこそオフタイムも“仲間”として一緒に過ごせます。こうしたカルチャーは、入社以来、まったく変わっていません。
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