もっとよく、人の期待をもっと上回る

もっとよく、人の期待をもっと上回る

もっとよく、
人の期待をもっと上回る

このストーリーのポイント

  • 「ソニーのものづくり」の設計に関わりたいと入社を決意
  • 二度の産休・育休を経験し、復帰後は全く新たな仕事で結果を出す
  • 女性リーダーとして組織力を高める取り組みにも挑戦を始める

ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ(SGMO)は「ものづくりのソニー」の中核を担う企業。テレビ「BRAVIA」、犬型ロボット「aibo」、家庭用ゲーム機「PlayStationⓇ 」などソニー製品の開発、設計、量産を行う。

PROFILE
ソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社

植木 裕子

生産技術部門 生産技術3部 技術2課

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大学では情報学を専攻して、新卒でソニーグローバルマニュファクチャリング&オペレーションズ株式会社(以下、SGMO)に入社。設計業務、検査プログラムの開発リーダーなどを経験してきた。さまざまな製品の生産にかかわるソフトウェア・システム開発を担う部署と技術交流をして、さらに技術力に強みのある組織作りを目指している。またプライベートでは中学生と小学生の2児の母でもある。

地元で設計に携わりたくて入社したはずが、、

私は茨城県出身、地元が好きだったので、就職先は地元だけで探しました。
もともと「これがやりたい」とはっきり決めていたタイプではなかったのですが、当時は就職氷河期、あまり選り好みもしていられませんでした。なんとなく「商社ならいろいろ経験できそうだな」とか、「大学時代に学んだ情報学、計算機の仕組み、アルゴリズムなどが生かせる仕事なら就職に有利かな」と考えながらの就活で応募した企業のひとつがSGMOでした。当時はソニーの工場が茨城にもあったので、昔から親近感のある企業ということも応募先として選んだ一つの理由です。

音楽好きだった私が入社時に志望したのは、オーディオ製品の設計業務です。ところが内定式では、管理業務への配属を知らされ・・でもソフトウェアを扱う仕事と聞いたので「それも面白そうかな」と一度はポジティブに捉えて入社の日を待ちました。その後入社日に受け取った辞令はなんと設計部署への配属(笑)、 紆余曲折がありながらも結果的には希望通りに、私のエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。
与えられた環境を常に前向きに捉え、その中で楽しさを見つける、そういう姿勢は学生時代にいろいろなアルバイトを経験する中で習得できたスキルかもしれません。

入社時の研修期間は長くなく、早い段階で組み込みソフトウェアの設計部署に配属になりました。配属後に早速「制御に使う組み込みマイコンの制御仕様の設計を担当して」と言われて、「えっ、私が?何も分からないのに?」と思いながらもとにかく必死で仕上げた設計は案の定、上司に求められているものと違うものになってしまい、落ち込みました。
今振り返ると早いタイミングで設計を任されたことは、大きな成長に繋がりましたが、当時は本当に必死でエンジニアの礎を築いていたように思います。

昔から私はよく完璧主義だと言われていました。他の人より時間がかかったとしても成果にこだわる、とことん仕事をしたいタイプです。故に子どもが生まれてからは勤務時間の制約に悩んだ時期もありました。もっと働きたいのに「あとはよろしく頼みます」と帰宅しなくてはならないのは辛かったです。

ただ、だからこそ生産性の向上にはこだわりましたね。細かい話ですが、部署で使っているタスク管理ツールの使用方法の改善を提案して、すぐ採用された経験は印象に残っています。若手でも意見を求められる、言いやすい職場だというのは当社の長所だと思います。発案者が誰でもよいアイデアは採用されますし、社員の自主性に任せて、どんどん裁量を与えてくれるのも自分の働き方に合っていたと思います。

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二度目の育休明けに待っていたリーダー業務

2人目の子どもを出産して復帰したときに担当したのが、ある製品の検査ソフトウェアを新規開発するプロジェクトのリーダーでした。産休前は設計業務がメインでしたので、全く関わったことのない開発業務のアサインに驚きました。

私が開発したソフトウェアの役割は、製品を組み立てる前の基板の検査や、製品を組み立てるロボットの制御などです。新規開発のため、ソースコードを読み漁ったり、自分で設計担当者に問い合わせたり、ゼロからの仕事も多く必死に取り組みました。また、ロボットなどから集めた情報を解析して、どの工程を改善すればもっと生産力が向上するかなども徹底的に調べました。

自分にとって新しい仕事だったため、技術的な知識はほぼゼロの状況でしたが、リーダーとして勉強しなくてはという想いも強かったです。新しい知識を得ることはやりがい、モチベーションになりました。当時、2人目の子どもはまだ1、2歳で手のかかる年齢だったので、思うように勉強時間が取れないことに不安や葛藤を感じながらの日々でしたね。フレックスタイム制度をフル活用しながら仕事も子育てもとにかく頑張りました。

その後製品の量産までこぎ着けたのは実に3年後です。細かい試験を繰り返して、試作機での試験をクリアして、最終的に製品の製造ラインでOKが出てようやく量産。ロボットやプログラムすべてがうまく作動したときの達成感は、今でもはっきりと覚えています。

責任の重い部署、仕事の中で設計、製造などさまざまな部署と調整し、交渉し、まとめ上げてきた自負はありますが、私は「新参者」と見られていたため、なかなか他部署に理解してもらえない経験を味わったこともありました。
それでも最終的には設計部門などからも信頼していただけるようになり「植木さんじゃなかったからここまで来られなかったね」と言ってもらえたことは本当にうれしい出来事で、自分でも誇りにしています。

振り返ると育休復帰当時は、以前と同じ仕事をしたい気持ちでした。思い入れもありましたし、新しい仕事は不安で仕方ありませんでしたが、検査ソフトウェアの開発リーダーとして製品の生産に関われてよかったと思っています。

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今よりよくしたい、相手の期待を上回りたい

私は常に「相手の期待を上回った成果を出す」「そして相手からの信頼を獲得する」仕事のやり方を徹底してきました。

もともと学生時代から「今のやり方をもっとよくできないかな」と考えるのが好きで、得意でしたが、会社に入って尊敬していた上司や先輩もやはり、皆さん常に期待以上の結果を見せていました。こういった精神は当社のすばらしいカルチャーではないかと感じていますし、それが私の仕事にも生きているように思います。

この4月から私は統括課長という役職に就きます。関わる部下の人数もこれまでの倍、30名ほどになりますが組織としての生産性を高めていきたいと決意しています。
他の製品カテゴリーとの横串活動にも力を入れていきたいと考えており、会社内でソフトウェアについて情報交換できる仕組みを作れたらとも思っています。

また自分の成長速度も早めないといけません。技術的にももっと頼られる存在になりたいと思っています。新たに会社に期待してもらって役職につくわけですから、今回もその期待を上回りたいです。

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女性の働きやすい職場に変貌を遂げている

当社はもともと男性の多い組織でしたが、女性の活躍も着実に広がってきました。

もっと女性の活躍を広げていくのも、私の役割の一部だと感じています。若いころの私は「女性だから」と意識したたことはありませんでした。男性社員となんでも一緒、平等。ただ、結婚、出産を経て家族が増えれば、おのずと働き方のスタイルは変わっていきます。

昔は働き方の多様性に、制度が追いついていないと感じることもありました。
今では、当社は着実にダイバーシティの意識が広まってきて、いろいろな立場、価値観の人が働きやすくなっています。2年前に「女性活躍推進」の横断的なプロジェクトが立ち上がったとき、私も当時の上司に推薦されて参加しました。このような取り組みも会社の意識の変化の1つで制度があるだけでなく、誰もが使いやすい環境の定着に繋がっているように思います。

他にも、育児とキャリアアップを両立したい女性には心強い制度が増えてきました。たとえば育休中のママ同士のコミュニティもありますが、こちらは社員によるボトムアップ活動から生まれ、孤独にならないように、またスムーズに仕事に復帰できるようにと会社が認めた取り組みです。

ほかにも社内公募制度やグローバル人材養成、キャリア支援を積極的に行っていますし、女性活躍推進には一層力が入っているのを会社の中で感じています。これから育児をしながらキャリアを積んでいきたい女性には心強いと思います。

私自身ももっと活躍したいし、後に続く女性にも道を作りたい気持ちは強いですね。

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