フルーツ原料の第一人者として「ソントン」製品の品質を守り抜く。

フルーツ原料の第一人者として「ソントン」製品の品質を守り抜く。

フルーツ原料の第一人者として
「ソントン」製品の品質を守り抜く。

このストーリーのポイント

  • メンター面接で本音を語り合えたことで入社を決意
  • 品質管理を通じてソントンのブランドを守る
  • 経験を積んで、誰もが認めるフルーツ原料の専門家に

その美味しさと優れた品質で多くの人に愛され続けてきたソントン製品。受け継がれてきたブランドの価値を守るのが、品質管理の使命だ。「最後の砦」としてのやりがいは大きい。

PROFILE
ソントン食品工業株式会社

渡部 晴喜

株式会社和田山農産
品質管理課
2018年入社

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東京都出身。農学部農学科卒。幼い頃、食卓にソントン製品が置いてあったことがきっかけで親しみを持ち、入社に至る。入社以来、品質管理業務を担当。誰もが認めるフルーツ原料のスペシャリスト。

メンター面談が入社の決め手に

大学で農業を学んだのは、高校時代の生物の先生が「これからの時代は農業が重要になる」と勧めてくれたことがきっかけでした。「食料問題の解決や環境保全に貢献できる分野だ」という話から、農業こそが未来を担う重要な分野だと確信した私は、大学で農業を学ぶことを決意しました。
思い出に残っているのは塾講師のアルバイトです。高校までの私は引っ込み思案で、人と接するのが苦手でしたが、アルバイトをきっかけに人との関わりを楽しいと感じるようになりました。生徒一人ひとりの個性や理解度を把握し、丁寧に指導することを心掛けるうちに、生徒たちの成績が向上していくと同時に、私自身もコミュニケーションの楽しさに気づき、積極的に人と関わるようになりました。

ソントンについては、昔から知っていました。母親が好きで、紙カップジャム・クリームの「ファミリーカップ」は常に食卓に並んでいて、いつも美味しく食べていたからです。
大学の合同企業説明会でソントンのブースを目にした時は、“あのジャムの会社か”と親しみを感じ、自然な気持ちで説明を聞くことができました。「ソントンを100年企業にするには、皆さんの力が必要です」という採用担当者の言葉に、強く共感しました。私も、幼い頃から親しんできたソントンという会社を、未来へ繋いでいきたいという思いが芽生えました。

決め手となったのは、選考時のメンター面談です。
先輩社員が私たち就活生とマンツーマンで話をしてくれる制度で、私は渋谷のカフェで先輩と話をしました。面談では、社内の雰囲気について質問しました。先輩社員は、仕事とプライベートを両立させながら、いきいきと働いている様子を具体的に教えてくれました。また、社内は風通しが良く、若手社員にも積極的にチャレンジする機会が与えられると聞きました。先輩と本音で話せる機会で、面接では聞きづらいことも遠慮なく質問できました。いいことも悪いことも含めて包み隠さず本音のコミュニケーションができたことで、ソントンという企業の解像度が一気に高まり、これなら不安なく入社できると感じたのです。
もちろん母は私の決断を喜んでくれました。親が安心してくれる会社に入ることは、大切なことだと思っています。

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中国での失敗にリベンジを誓う

私が配属されたのは、家庭用スプレッド・ジャムや製菓・製パン向けフィリングの製造を行っている、グループ企業の和田山農産です。「天空の城」として有名な竹田城近くの、山々に囲まれた工場です。ここで私は業務用のフルーツ・ジャム製品の品質管理を担当することになりました。
食品メーカーであるソントンにとって、品質管理は極めて重要です。定められた品質を逸脱することがないように工程を管理し、検査を行い、もちろん原料も厳格に検査し、包材にも不具合が生じないようにしなくてはなりません。お客様に安心して美味しいものを食べていただくための「最後の砦」と言ってもいいでしょう。

最初に担当した業務は、業務用製品の印字内容の改定でした。食品表示法が改正されたことに伴い、製品の印字も変えることになって、その対応を任されたのです。 例えば弊社の業務用フルーツ製品のピロー印字には、簡潔に述べれば「業務用」の文言を追加し、原料と食品添加物の間にスラッシュを入れる事になりましたが、新しい印字へ変更するに際しても、問題がないか、確認する必要があります。フルーツ製品は200~300種類ありましたから、その全ての製品が正常に印字される様、確認作業を進めました。地道な作業ではありましたが、絶対に間違いがあってはならない、責任の重い仕事でした。
新人ですのでミスもします。そのときは作業内容をリスト化して進捗管理すればミスは防げると先輩から教わりました。最終的に問題なくやり遂げたことで、管理することの難しさと責任の重さを学ぶことができました。

思い出に残っているのは、入社2年目になって経験した中国出張です。
和田山農産ではフルーツ原料の一部を中国から調達しており、特に主力のいちごに関しては毎年現地の工場へ視察にいって、我々の求める品質が担保される体制が取られているかを確認し、改善点をフィードバックしています。もちろん一方的に頭ごなしに指示をするのではなく、現地の方々と協力し、パートナーとして一緒に品質を守っていく姿勢を大切にしています。
この視察のチームに若手の私も参加させてもらったのですが、知識不足、準備不足もあって、私はまったく何もできませんでした。何か問題点を指摘したり提言したりするどころか、単なる工場見学者で終わってしまったのです。現地関係者とのミーティングの場で意見を求められた際も、うまく発言する事ができませんでした。重要な視察の機会を私の見学の場に使ってしまったわけで、申し訳なさで一杯でした。「何をしに来たんだ」と思われても仕方のないことで、誠実さに欠けた行為であったことは間違いありません。
私にとっては大失敗の出張で、トラウマレベルの苦い思い出となってしまい、いつかリベンジしてみせるという気持ちがその後の原動力につながったと思います。

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経験を重ね、フルーツのスペシャリストに

品質管理の仕事は多岐にわたりますが、主に製品に問題がないかを確認する検査と検査の結果を受けて原因を調べて対策を練る調査対応があり、日々、安全安心を守る品質管理業務に当たっています。
例えばジャムの物性は製品ごとに厳格に定められており、それを逸脱した商品が見つかったら、該当ロットのすべての製造工程を確認し、原因を突き止めます。最悪の場合は出荷停止の判断を下すことさえあります。そこに一切の妥協はありません。
またフルーツ製品特有の問題として、果物由来のものであっても、製品に混じってしまうと異物となってしまうものが存在します。
例えばイチゴの先端が黒くなっている部分や、ブルーベリーの軸等がそれに該当します。弊社で行っている選別工程の管理はもちろん、海外の現地パッカーへの共有を密に行い、混入を防いでいます。
私が何よりも大切にしているのは、とにかくしっかりと事実確認をすることです。うろ覚えの知識で判断することは絶対にせず、常に明確な根拠のもとで判断を下さなくてはなりません。万が一の判断ミスでも工場全体に影響を与えてしまう責任の重さを常に意識しています。

ソントンでは大手外食チェーンなど新たな市場を開拓するため、要望に応じた様々な物性の製品開発に力を入れています。直接携わっているのは開発担当者ですが、品質管理の専門家である我々も、製造課の方々と共に手炊き品を工場の工程に落とし込む重要な役割を担っています。
フルーツは熱をかけることで潰れたり、食感・口触りが変わったりします。私は品質管理の仕事を通じてそうした特徴を経験と知識として身につけており、いわばフルーツのスペシャリストとしてアドバイスを求められます。どんな硬さの果肉を要望されているか、そのための潰れないための熱のかけ方など、経験に基づいて製造課の方々と相談して工程を決定します。品質管理というと製品完成後の仕事のようなイメージがあるかもしれませんが、ソントンではこのようにものづくりに携わる、試行錯誤の面白さも味わえるのです。

入社して7年。今ではフルーツ原料に関しては和田山農産で一番の専門家と自負しています。2年目から海外のどこの工場からどれだけのフルーツを購入するべきか、その決定にも携わっていた事も大きかったと考えています。周囲からは常にアドバイスを求められ、頼りにされていることに、このうえない喜びを感じています。
フルーツは生き物ですから、一定の品質に保つのは大変難しい材料です。しかしながらそこが面白みでもあります。
私は経験を重ねることでスペシャリストとしての技量を磨いてきましたが、その知見やノウハウを属人的なものにしてはいけないと感じており、今後は後輩への指導も含め、マネジメントや教育にも力を注ぎたいと考えています。それもフルーツの第一人者としての責務です。

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5年ぶりの海外視察で思いを果たす

7年目の今年、中国とエジプトへ出張しました。コロナ禍でしばらく途絶えていた海外視察が再開されたのです。
かつて大失敗に終わった中国にも、5年ぶりに足を運ぶことができました。
訪問するパッカーの中には、5年前訪問した会社も含まれていました。以前の自分とは違う、この間の成長ぶりを見ていただくには絶好の機会でした。当時は工場見学と変わらないパフォーマンスだった私も、今回はしっかりと視察の役目を果たすことができました。ミーティングでのファシリテーションも自信を持って対応。自分なりにようやくリベンジを果たせたという実感でした。
しかも今回は当社の役員とともに出張する貴重な機会をいただき、視察に取り組む際の様々な視点を学び、経験することができました。私にとってさらにステップアップする機会につながったと思います。

今後もフルーツのスペシャリストとして、自分を磨き「フルーツのことなら和田山の渡部に聞けばいい」と全社的に認めてもらえることを目指します。和田山農産では油脂加工品も製造しており、この面でも知見を増やしていきたいと考えています。
また、品質管理だけでなく調達等にも関わっていけたらという思いもあります。

品質管理の仕事は、人と関わる仕事です。開発や調達など他部署の社員や海外の調達先、商社など、社内外の人々とコミュニケーションする機会は非常に多いです。ですからどんなことも1人で抱え込まず、人と共有し、連携できる方に期待します。
という私自身、冒頭でもお話ししたように、以前は人と接することが苦手でした。挑戦を続けることで自分の殻は破れます。ぜひ皆さんも臆することなく挑戦していただければと思います。

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