きもの文化発展のために若手社員がチャレンジできる風土がある
きもの文化発展のために
若手社員がチャレンジできる風土がある
このストーリーのポイント
- きものの魅力や価値を多くの人に実感してもらう「ブルーオーシャン戦略」に惹かれた
- 大規模なイベントを主催し、多くの人にきものの魅力や価値を届けられた
- きもの業界の成長、きもの文化発展のために若手社員のアイデアを尊重する風土がある
きものに興味はあるがまだ持っておらず、敷居が高そうなイメージを持っている層にアプローチするための「ブルーオーシャン戦略」を掲げているさが美グループホールディングス。人材採用担当者に、グループで働く魅力や新入社員に期待していることについて聞いた。
さが美グループホールディングス株式会社
渡邉 莉颯
人事採用・販促担当
2022年新卒入社
高校時代にオーストラリアへ留学した経験から、「日本のきもの文化を広めたい」想いが強くなり、入社。店舗スタッフ時代は接客のほか、大規模なイベントの実行リーダーを担当した。2024年4月に本社へ異動。人材採用担当として学生の就職支援と、販促担当としてチラシ作りや各店舗で開催されるイベントのサポートに従事している。
海外留学によって日本のきもの文化を広めたいと思うように
もともとファッションに興味があって、将来は服飾系の仕事に就きたいと思っていました。また、小さい頃から祖母がきものやゆかたを作っていたのを見ていたことから、私にとってきものは身近な存在でした。
そんな私がきものに深く関心を持つようになったのは、高校時代にオーストラリアへ留学した時です。現地の学生さんと一緒にゆかたを合わせる機会があり、皆初めてゆかたを着る体験をとても喜んでくれて。日本のきもの文化が世界に受け入れられていることを肌で実感した経験でした。
留学をきっかけに「きもの文化をもっと広めたい、すたれさせたくない」と思うようになった私は、就職活動の時もきもの業界を中心に見ていました。さが美グループホールディングスの選考に進もうと思ったのは、説明会で会社が「ブルーオーシャン戦略」を掲げていることが印象的だったからです。
ブルーオーシャン戦略とは、きものに興味はあるけれど、着たことはない、持っていない人に向けて、きものを着る体験価値を届けること。着る体験を通じて、より多くの方にきものの魅力や価値を実感してもらい、手に取ってもらうことを狙いとした戦略です。
これまでは、すでにきものに慣れ親しんでいるお客様を中心に、商品をご購入いただく戦略を取っていましたが、市場のさらなる成長には、新しいお客様との接点を作ることが欠かせません。そんなさが美の考え方が、私がオーストラリアへ留学した時に抱いた想いと通じるものを感じました。
人事担当者と1対1でオンライン面談をしたことも印象に残っています。たまたま担当の方と出身地が一緒で、話が盛り上がったんですよね。一人ひとりの人柄を見てくれている安心感が最終的な決め手になり、入社しました。
きものの販売は「お客様と深い関係性を築く」ことが大事
入社後は、さが美グループホールディングスの傘下であるブランド「東京ますいわ屋」の吉祥寺店に配属になりました。
主な仕事内容は、店頭でお客様に合ったきものや小物をご提案することです。初めてお会いしたお客様に接客する時は、その日お召しのお洋服の雰囲気をチェックして、似たようなテイストのきものをおすすめします。ある程度関係性を築けているお客様であれば、「いつもと違うテイストのおきものはどうですか」と踏み込んだ提案をすることも。お客様の好みを尊重しつつ、ひと味違ったコーディネートを提案すると喜んでくださることが多いですね。
しかし、ファストファッションを扱うお店とは違い、お客様から「このきものをください」とおっしゃっていただけることは少ないです。一方この仕事を通して、きものの販売は想像以上に「この人から買いたい」といったお客様の想いが強く表れることがわかりました。そこで私は「お客様との関係性をじっくりと築くこと」を大切にしていました。
具体的には、お客様の再びのご来店を待つのではなく、お手紙を書いたり、電話をかけたり。電話口ではもちろん、きものの押し売りはしません。むしろ、きものとは関係のない世間話や、お客様のご家族のお話などをしていました。
ささいなことに感じるかもしれませんが、店頭での接客だけでなく、電話や手紙を通して一人ひとりのお客様に向き合うことが、良い関係性を築く土台になります。より多くのお客様に「渡邉さんからきものを買いたい」と思ってもらえるよう、日々取り組んでいました。
大型イベントを通して多くの人にきものの価値を届けられた
普段の接客とあわせて大事なのが、店舗で開催する催事と、お店の外で開催するイベントです。催事とは、期間限定で行うきものの販売会のこと。催事中は、いつも店頭には出していないきものを多く取り寄せています。
イベントにも力を入れていて、内容は若手社員が主体で企画します。お客様をお呼びしてきものを着ていただき、一緒に街を出かけたりお食事を楽しんだりすることが多いです。イベントは、お客様にきものを着る時間を楽しんでもらうことを目的としているため、その場で商品を売り込むことはしません。代わりに、次回の催事を案内して、またお店にご来店いただけるよう声かけをしています。
ちょうど今年、「東京ますいわ屋」吉祥寺店が入っている百貨店が50周年を迎えました。節目にちなんで、お客様50名を招待するパーティーイベントの企画、実行リーダーを務めたことは印象深いです。
一番大変だったのが、いつものイベントの倍以上の人数のお客様を招待すること。私や社員が懇意にさせていただいているお客様だけでは、招待人数が足りなかったからです。どうしようか頭を悩ませていたところ、「お客様のご家族やご友人にも来ていただこう」とひらめき、一人ひとりに地道に声をかけていきました。
結果、当日までに無事50名を集めることに成功。イベントで特に好評だったのは、数名のお客様をステージに招いて開いたきものファッションショーです。お客様に舞台上でコーディネートのポイントをお話いただいたところ、ほかのお客様から「色々な人のコーディネートが見れて参考になった」と喜んでいただけました。
普段のイベントの数倍以上のお客様が集まった特別な会を終えられた達成感は、今でも忘れられません。そしてお得意様だけでなく、お嬢様、お孫様世代である20代のお客様や、きものに慣れていないお客様にも、きものの価値をお届けできた手応えがありました。
普段の接客も大事ですが、このようにより多くのお客様と接点を持つ機会を作ることが、きものへの関心を深め、お店に足を運んでもらうきっかけになります。きもの業界、きもの文化が長く続いていく未来に少しでも貢献できたと思える経験でした。
ブルーオーシャン戦略に則った店舗運営
今年4月、店舗スタッフから本社の人事採用・販促担当に異動が決まった時は本当に驚きました。以前から希望はしていたものの、当時の営業部長から「なかなか空くポジションではないから、あと1年は店舗で頑張って」と言われていた矢先の異動だったからです。自分に任せてもらえたことをうれしく思うと同時に、気が引き締まりました。
ここからは人事採用担当として、さが美グループホールディングスに入社してからのキャリアパスについてお伝えします。
新入社員の皆さんは、入社後「さが美」か「東京ますいわ屋」どちらかの店舗に配属になり、接客、営業活動を行ってもらいます。「さが美」は地域密着型のお店で、全国各地のショッピングモールをメインに出店しています。自宅で洗えるきものやデニム生地のきものなど、きものになじみのない人の興味をひく商品を多くそろえているのが特徴で、まさにお客様の「きものデビュー」を応援できる店舗です。
対して「東京ますいわ屋」は、 創業70年以上の歴史を誇り、特にご年配のお客様に支持されている老舗です。百貨店を中心に出店しており、一着数十万円、数百万円の高級なきものを多数取り扱っています。一方、帯を簡単に結べるグッズなど、きものを着慣れていない人にも親しみやすい商品もあわせて展開しています。
いずれの店舗も、冒頭に話した「ブルーオーシャン戦略」に則って、より多くのお客様にきものを着る体験価値を届けることを目指して運営しています。
既存の発想にとらわれないアイデアがきもの産業を成長させる
続いては働き方や、働く魅力についてお話します。弊社では、一人のスタッフが同じお客様をご担当する「担当制」の接客スタイルを取っています。特に新入社員の皆さんは、お客様に満足してもらえる接客が一人でできるか不安に思うかもしれませんが、心配はいりません。お客様がきものを試着する時など人手が必要な場面では、担当以外のスタッフが試着を手伝いますし、レジなどの事務作業もフォローします。すべてを一人で抱え込む状態にはならないので安心してください。
また、店舗では一人ひとりに売上目標が設定されるため、達成できるか不安に感じる人もいるでしょう。もちろん、目標を達成するための努力は欠かせません。たとえば「次の催事までにお客様を何人呼ぼう」など、目標に対して自分で計画を立てながら動くことが求められます。
ですが、私が何よりも大切だと思っているのは、お客様のためを想うことです。目の前のお客様に誠実に向き合えば、売上は後からついてきます。数字にとらわれすぎず、お客様との会話を楽しむことを大事にしてほしいです。
最後に、さが美グループホールディングスが求めている人材は、まずきものが好き、きものに興味がある人。そして、まだきものになじみがない人に対して、どんなアプローチをすれば興味を持ってもらえるかを真剣に考えられる人です。
弊社には、若手社員が出した自由なアイデアを受け止めてくれる風土があります。店舗のイベントの企画に関われるのもそうですし、ほんのささいなことでも先輩や上司が「これどう思う?」と意見を求めてくれます。私も人事部に異動してまだ3ヶ月ですが、若手社員向けに新たな研修を企画したら、その案が採用されました。
きもの業界の成長、きもの文化の発展のためには、既存の発想にとらわれない皆さんのアイデアが必要です。少しでも共感できる部分があれば、ぜひエントリーしてください。一緒に働けることを楽しみにしています。