自ら立ち上げた組織で、三菱UFJ銀行に「生活者視点」という新たな強みを。

自ら立ち上げた組織で、三菱UFJ銀行に「生活者視点」という新たな強みを。

自ら立ち上げた組織で、三菱UFJ銀行に
「生活者視点」という新たな強みを。

このストーリーのポイント

  • 戦略的思考と実行力を強みに、新しい舞台に挑む
  • 生活者視点という価値創造のために新たな組織を立ち上げる
  • 子育てとの両立で、若手の育成にも新たな視点

生活者視点での調査や分析を、自己完結型で行う組織を自ら立ち上げる。やりたいことは自分で見つけ、希望して実行できる、そんな組織風土がチャレンジを後押ししてくれる。

PROFILE
株式会社三菱UFJ銀行

何 之冰(カ シヒョウ)

産業リサーチ&プロデュース部
2016年入行(キャリア)

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システム情報工学研究科修了。中国出身。高校卒業後に来日。大学院修了後、電機メーカー、コンサルティング会社を経て2016年に三菱UFJ銀行に入行。

活躍できる舞台の圧倒的な広さに惹かれて

大学院で経営工学を学んだ後、最初に入社した電機メーカーではスマートフォンの商品企画や健康美容関連の新規事業企画に従事。次のコンサルティング会社では新規事業創発・事業戦略・マーケティング・ブランド構築を中心に、消費財・金融・不動産等幅広い業種のクライアントに対して戦略支援を経験しました。
生来が新しもの好きということもあり、自分を成長させるという意味でも、新しい分野には常にアンテナを張っています。業種軸では仕事の領域がずっと変わらないとついつい別の新しいことに挑戦したくなりますが、機能軸ではマーケティング・事業戦略・新規事業創発への興味は昔から一貫していました。

コンサルティング会社で感じていたのは、せっかく新事業の構想を描いても自分はその事業の立ち上げや運営に主体的に関われないことへの物足りなさです。“自分で新しい事業構想を形にしたい”という思いが日に日に強まりました。
その中で、通常は事業会社への転職を考えるかもしれません。しかし活躍できるフィールドの広さ・スケールの大きさという点で圧倒的だったのは、三菱UFJ銀行でした。
転職先として三菱UFJ銀行に決めたきっかけは、新規事業をゼロベースで立ち上げることをミッションとするイノベーション・ラボという組織の存在でした。この組織はスピンアウトしてJapan Digital Designという会社として独立。私も出向して新規事業の立ち上げに携わり、中国ICT大手企業とコラボした新しいサービスの開発に取り組みました。
その後も引き続き三菱UFJ銀行で働く道を選ぶことにしたのは、あらゆる業種・業界の企業と取引があり、仮に自分の関心領域が変わっても必ず新しく取り組めるテーマが見つかるからです。さらに、自分のやりたいことがあって、その意義や合理性を論理的に説明できれば、自由にやらせてくれる土壌があります。コンサルティング会社で磨いた戦略思考と事業会社で養った実行力をベースに、リサーチから事業開発まで高いパフォーマンスを発揮できることが私の強みですが、そうした持ち味を三菱UFJ銀行では十分活かせています。

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足りないピースは自分で埋める

現在私が所属している産業リサーチ&プロデュース部は、以前は戦略調査部と呼ばれていた部署です。主に産業調査、事業戦略提案などを行っており、いわば営業部門やお客様にとっての“知恵袋”に相当する位置づけです。
ポイントは部署名にある“プロデュース”。この言葉には、業界の垣根を越えて企業同士のコラボをコーディネーションし、新しい価値を創出するといった取り組みを示しています。戦略調査部時代に担当していたリサーチだけでなく、プロデュースの力も発揮していくという姿勢が込められた名称です。
この産業リサーチ&プロデュース部に異動して1年ほどたったとき、私はパズルのピースが足りないのではと思うようになりました。産業調査などを担当しているため、必然的に事業者の視点、経営者の視点が中心で、大切な“人”の視点、つまり生活者視点に欠けているのではないかと感じるようになったのです。
産業調査や企業調査などでは大きな実績を残しており、お客様からの信頼も絶大でした。もしここに生活者視点での調査や分析も加わったら、より素晴らしいアウトプット・新たな価値が提供できることは間違いありません。そう考えて立ち上げたのが、“産業リサーチと事業プロデュースに生活者の視点をインストールする”ための新たなチーム、「生活者インサイト・ラボ」でした。
2023年春頃、上司や同僚の賛同と支持を得て、まずは少人数でプロジェクトとして静かにスタートしました。コツコツと実績を積み上げながら、トライ&エラーを繰り返して最適解を模索していました。
このように産業リサーチ&プロデュース部では、やりたいことがあったら自ら進んでプロジェクトを立ち上げることが可能です。チャレンジしたいことに臆せず取り組めるのは、三菱UFJ銀行ならではの大きな魅力です。

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かつてなかった自己完結型の組織を立ち上げ

2024年7月、プロジェクトとしてスタートした私たちのチームは新組織「生活者インサイト・ラボ」として発足しました。メンバーは計6名で、私がヘッドを務めています。
三菱UFJ銀行では24年度からの中期経営計画で3本柱の1つに「社会課題の解決」を掲げており、お客さまとともに新しい産業・事業を育てる「価値共創アプローチ」を推進しています。「生活者インサイト・ラボ」はそのアプローチの1つとして位置付けられています。具体的な活動としては、生活者視点に基づく調査の実施と、事業共創アイデアの創発の2点です。
生活者インサイト・ラボの強みは、生活者が自覚していない・言語化できていない根源的な欲求、つまり“インサイト”を貪欲に追及し、実行可能かつ事業性の高いアイデアにつなげることです。現在、すでに行内外ステークホルダーを巻き込んだ調査や新規事業開発のコラボプロジェクトを数多く生み出しており、少しずつ成果が出始め、成果を実感するようになりました。
また、機動性・スピード感ある調査のために、設計から分析まですべてインハウス、すなわち“自前”で完結させることも実現できました。例えば、アンケートやインタビュー等の調査は専門の調査会社に依頼するのが一般的ですが、「生活者インサイト・ラボ」ではその作業を自前で行うため、リサーチのセルフツールを導入。もちろん実際に使いこなせなければツールとしての機能を発揮できませんから、「みんなで使えるようになりましょう」と周囲のみなさんを巻き込んでいきました。
このように「生活者インサイト・ラボ」ではテーマを探るところから自前で取りかかり、調査・分析・アイデア創発と検証も自ら行います。調査レポートなどアウトプットは営業担当者にも配布されますので、お客さまへの情報提供に役立てたり、提案内容に反映させたりと、自由に使うことができます。三菱UFJ銀行が従来得意としてきた産業・企業分析に生活者視点を掛け合わせた情報提供と提案が可能となるため、お客さまにも喜んでいただいています。いつか「生活者インサイト・ラボ」の取り組みによって“生活者視点にも強い銀行”と想起していただける存在になれたら嬉しいですね。

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行動で示し、思いを伝える

私はこれまでのキャリア経験から専門性に自信があったものの、実際に生活者インサイト・ラボを組織に定着させるまで試行錯誤を繰り返しました。なにしろ三菱UFJ銀行の中でも前例のないことでしたから、まずは立ち上げた私自身がやって見せる、お手本となって仲間を増やしていくことが重要です。一番わかりやすいのは実績で示すことです。インハウスで作成したクオリティの高い調査レポートの発刊や事業共創プロジェクトの創出など、1歩ずつ、着実に進めていくことを心がけました。
そして理解者や賛同者、仲間を増やしていくために私は、機会を見つけてはしつこいくらいに「生活者インサイト・ラボ」に込めた思いを伝えました。最初は私の言葉に対してあまり反応を見せなかった同僚でも、2度目、3度目と聞かされるうちに興味を持ち、そして「なるほど、こんなアプローチもあるのか」と理解を示すようになってくれました。このように「生活者インサイト・ラボ」に賛同する人の輪が次第に大きくなっていく過程は、非常にエキサイティングなものでした。
こうした私の取り組みは、決して特別なことではありません。意外と思われるかもしれませんが、自分のやりたいことを実現するために信念を持って突き進んでいく人は、三菱UFJ銀行には多いと思います。皆さん物腰は大変に柔らかいのですが、芯は強く、厚い壁も突き抜けていく力をお持ちです。そうした“出る杭”が決して打たれることがないのが、三菱UFJ銀行です。

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いつまでも新鮮な気持ちでチャレンジを

私には4歳の息子がいます。出産の際は約2年間の産休・育休を取得し、現在は在宅勤務制度を併用して働いています。
産休・育休期間は仕事から離れていましたが、長いスパンでみれば、むしろ自分にとってプラスになったと感じています。というのも、子育てを通じて子どもからさまざまなことを学べたからです。息子を見ていると、そもそも人間というのは最初から何もできないのが当たり前で、それでも自分のペースで自分らしく少しずつ成長できることがわかります。親としては大人の価値観とやり方を一方的に押し付けず、知ってあげる・認めてあげる・“自分らしさ”を活かしてあげることこそ子どもの成長につながります。それは人材の育成にも通じることで、今では若手に寄り添って支えていくことを心がけています。
2年間産休・育休を取りましたが、「お子さんがいるから」という理由で仕事を任せてもらえないということはありませんでした。いい意味で本人の意思を尊重していて一方通行の過保護ではないのです。こうした環境は私にとって、とても心地よいものです。
入行して8年目になりますが、正直こんなに長く勤めることになるとは想像していませんでした。それほど舞台のスケールが大きく、深いのです。おそらくこの先も新鮮な気持ちで新しいことにチャレンジしていけるのではないかと思っています。
やりたいことがあれば必ずこの舞台で見つけられるし、もし見つけられないときは自らチャレンジすればつくりだすことができます。しかも、優秀で素晴らしい人間力の仲間と一緒に働けることで、大きな刺激も得られます。
私のように常に新しいことに挑戦したいと考えている方には、ぜひお勧めしたいと思います。

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