
日本トップシェア製品を開発!空の安全を支える縁の下の力持ち。
日本トップシェア製品を開発!
空の安全を支える縁の下の力持ち。
このストーリーのポイント
- 研究生活で身につけた専門性を活かそうと入社
- トップシェアの液体検査装置の開発に従事
- 柔軟な働き方で、子育てにも無理なく取り組める
日本のほとんどの空港に導入されている液体検査装置の開発に携わる。縁の下の力持ちとして空の安全を守っていることに、大きな誇りを感じている。
株式会社熊平製作所
中島 亜由美
新規事業開発部 CTグループ
2018年入社
島根県出身。人間文化研究科化学専攻修了。学んできた専門性を活かせること、転勤がなく長期的な生活設計がしやすいことなどに惹かれて入社。国内で圧倒的トップシェアを誇る液体検査装置の開発に携わる。プライベートでは2歳の女の子のママ。
「大切なものを守る」スタンスに共感して
化学専攻と聞くと、白衣で試験管を振る姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、私が取り組んでいたのはパソコンに向かってプログラミングを行い、シミュレーションによって化学物質の物性のデータを解析することでした。例えば、ヘリウム4を冷却するような実験を実際に行うには大規模な設備が必要になります。そこで、プログラミングを用いて実験を再現し、解析を行っていたんです。
就職活動では、こうした研究を通じて培った専門性を活かせる仕事がしたいと考えました。加えて、地元・島根を含む中国地方で長く働きたいという思いもありました。
熊平製作所のことはまったく知りませんでしたが、就活サイトを眺めているときに偶然見つけたのです。福利厚生や待遇面が非常に充実していることに加え、創業以来赤字がないという安定性、転勤がないという点にも、魅力を感じました。これからの人生設計を考える上で、大きな安心材料になったのは間違いありません。
入社の決め手となったのは、熊平製作所のスタンスに共感したことです。
私は長年研究に打ち込みその成果を大切に守ることを意識してきました。
一方、熊平製作所では、個人・法人の財産や情報といった社会的に貴重なものを守る製品を製造しています。その点が私の心に強く響き、「ぜひここで働きたい」と思いました。
トップシェア製品の開発が私の仕事
入社以来私が担当しているのは、液体検査装置の開発です。
液体検査装置とは、ペットボトルなどの容器内の液体の物性を測定し、爆発物や可燃物を検出する装置です。空港やイベント会場、スポーツ大会、国際会議などで、テロや防犯対策として利用されています。皆さんも空港の保安検査場で、ペットボトルのチェックを受けたことがあるのではないでしょうか。
熊平製作所は、この液体検査装置の分野で国内トップシェアを誇っています。日本中の空港に当社の液体検査装置が導入され、空の安全を守る上で大きな役割を果たしています。
物質は、光の吸収率がそれぞれ異なるという特性を持っています。液体を通過した光のデータを解析することで、例えばガソリンのような可燃性の高い危険物質であれば、それ特有の吸収パターンを識別できます。
私は大学院で、化学物質の特性を解析するシミュレーションモデルのプログラミングに取り組んでいました。この経験が液体検査装置の開発に役立つと考えていたのです。この思いが伝わり、新人の頃からこの分野を担当しています。自分の強みを活かせる配属をしていただいたことに感謝しています。
私の業務は、大きく3つに分かれます。1つ目は液体検査装置の現行モデルの保守、2つ目はお客様からの要望に応じた特型モデルの開発、3つ目は標準品の新型モデルの開発です。
入社後、私はまず現行モデルの保守を担当しました。例えば、空港などで使用されている液体検査装置に不具合が発生した場合、お客様から検査のログを送っていただき解析を行います。そして、不具合の原因を特定し、保守部門と情報共有しながら不具合の解消を図っていきます。
こうした経験を積んだ後、5年目からは特型モデルの開発を担当するようになりました。
私の開発した製品が人々の安全を守っていく
液体検査装置は、空港やイベント会場など、使用目的によって求められる機能が異なります。特型の開発では、まずお客様のご要望を伺い、どのような機能を求めるのかすり合わせるところからスタートします。
私は、その機能を実現するためのデータ解析モデルをプログラミングし、設計文書を作成して実装するといった流れを担当しました。その後は社内の製造プロセスへと反映させていきます。
具体的な利用状況は機密情報のため詳しくお話しできませんが、これまでに多くの開発案件に携わってきました。
お客様のニーズに応えることは重要ですが、必要以上に工数がかかることは避けなければなりません。そのバランスを取ることこそが、プログラミングに携わる者としての面白さです。
開発した特型の液体検査装置がお客様のところに納入されたと聞くと嬉しく感じますし、社会の安全・安心に貢献している手応えを感じます。
特型モデルの開発を経て、現在は新型モデルの開発を担当しています。標準品として、ゼロベースで設計するため、実装や設計文書の作成もさらにスケールアップしたと感じています。
当社の液体検査装置は、日本のほとんどの空港に導入されています。しかし、リリースから10年近く経過した製品も多く、空港のセキュリティシステムの更新に伴い、液体検査装置も新たなものに取り替えたいというご要望が増えてきました。現在はそれに向けた新型モデルの開発が進んでいます。
開発の中で特に大変だったのは、テスト仕様書の作成です。システムの全体を把握し、動作を網羅して確認できるようテスト仕様を定義していく大変さを実感しました。ただ、大変だからこそ「なんとか乗り切ってみせる」という気持ちが強くなり、むしろ挑戦することに燃えています。この姿勢は大学院時代から変わらない、私の持ち味かもしれません。
今後日本の各空港では、私が手がけた新型の液体検査装置が導入されていくでしょう。社会的に大きな意義のある仕事に携わっている実感があり、強い使命感を抱いています。この分野で圧倒的な実績を誇る当社の技術者だからこそ得られるやりがいです。
化学専攻出身のソフトウェア技術者として、当社だからこそ価値を発揮できているとも感じています。というのも、当社は機械系や電気系や情報系の専攻出身の技術者が多いため、それ以外の専攻出身者は少数派です。だからこそ希少性を活かし、これからもアイデアやスキルで製品開発に大きな影響を与えていきたいと思っています。
技術を結集してモノづくりをする当社だからこそ、他分野専攻の人材も高い付加価値を発揮できる環境なのかもしれません。
仕事と子育ての両立も自然体で
入社4年目に女の子を出産しました。
私は仕事を長く続けるつもりだったので、入社前に「出産後も働き続けられる環境かどうか」も重視していました。当社はサポート体制が整っていることはもちろん、実際に子育てをしながら働いている女性社員も多いと聞き、安心したのを覚えています。
その言葉通り、産休に入る際は職場の皆さんが快く送り出してくれ、業務の引き継ぎもスムーズでした。
復職時も同様で、慣れない子育てに戸惑う私を、皆さん温かく迎えてくださいました。急な休みに気を使ったり、心苦しく思ったりすることはまったくありません。男性社員も当たり前のように育児休業を取得しており、これは当社ならではのカルチャーだと思います。
働き方も柔軟で、私は時短勤務制度を利用し、10時に出社して17時に退社しています。娘の保育園の送迎にも余裕を持てていますし、急な発熱時にはフレックスタイム制度も活用。また在宅勤務制度も用意されており、ライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が可能なおかげで、無理なく仕事と子育てを両立できています。
これまでは、先輩が開発した液体検査装置をベースにした業務が中心でした。しかし、新型モデルの開発は私にとって新たなチャレンジです。スキルを磨きながら、お客様のニーズに応える液体検査装置を開発し、社会の安全と安心を守ることに、さらに貢献していきます。