
大好きな地元・広島に貢献したい!活躍の場は日本から海外へ!
大好きな地元・広島に貢献したい!
活躍の場は日本から海外へ!
このストーリーのポイント
- 地元で働けること、転勤がないことに惹かれて入社
- 設計から製造まで一体となったものづくりに携わる
- 海外展開も視野に入れた新しいチャレンジを
様々な場面で必須となる貸金庫の設計で社会に貢献。今後の海外展開も視野に入ってきた。地元で働ける喜びを実感しながら、チャレンジを続ける。
株式会社熊平製作所
中村 太一
製品開発部 貸金庫グループ
2019年入社
広島県出身。工学部機械システム工学科卒。地元で働けること、転勤がないこと、創業以来赤字のないことが決め手となって、熊平製作所に入社。入社以来貸金庫グループで、貸金庫の設計や据付指導などに携わる。
大好きな地元で活躍できる最高の会社
スポーツが好きで、学生時代にはフットサル部を立ち上げました。もともとサッカーは好きだったのですが、フットサル好きの仲間2人に声をかけられ、3人で立ち上げることを決めたのです。最終的には40人ほどの部になり、全国大会にも出場できました。
何もなかったところから一つの組織をつくり上げた経験は自分にとって非常に貴重なもので、視野を広く保つことの大切さや組織運営の難しさなどを学ぶことができました。
私は広島で生まれ育ち、広島のことが大好きだったので、就職活動では「地元で働けること」「転勤がないこと」を絶対的な軸としました。工学部には自動車関連の企業を志望する仲間が多かったものの、私は業界にはこだわらず、この2つの軸がブレないことだけを考えて就職活動を進めました。
熊平製作所のことを知ったのは、友人が「受けようと思っている」と話したことがきっかけです。それまでは社名すら聞いたことがなかったのですが、大学で行われた説明会に参加することにしました。
説明会に出席してみると、「地元で働けること」「転勤がないこと」という2つの軸にフィットする、まさにピッタリの会社でした。驚いたのは、創業以来赤字がないということです。120年を超える長い歴史を通じてずっと安定経営を続けてきたことは企業選びでの大きな安心材料となりました。加えて年間休日が多いなど、福利厚生面での充実にも惹かれました。
最終的に内定をいただき、両親に報告したところ、両親とも熊平製作所のことを知っていたのには驚きました。学生の認知度は高くない会社かもしれませんが、ビジネスの世界では非常に高く評価されている会社が熊平製作所だと知りました。
製品づくりの上流から下流まで携われるのが醍醐味
入社後の研修で印象深かったのは、当社の主力製品の一つであるセキュリティゲートを自作したことです。大卒同期のメンバー5人が1つのチームとなり、設計から実際にゲートを製造するところまで取り組みました。メンバーの内訳は機械系3人、電気系1人、情報系1人。それぞれの専門性を発揮しながらチームとして取り組むことで、当社におけるものづくりの流れを知ることができました。
完成品は役員の前で披露された後、しばらくショールームに飾られました。思い出深い研修です。
研修後に配属されたのが、現在も所属している製品開発部の貸金庫グループです。このグループでは、主に金融機関向けの製品である貸金庫を担当しています。新製品開発、既存製品の改良、受注製品の対応、古い製品と新製品の入れ替えなど、業務は多岐にわたります。
私が担当しているのは、受注業務です。お客様から特別仕様の製品を求められることがあり、要望に応える設計を行うのがメインの仕事です。
当社の特徴の一つとして、製造まで一社完結の体制であるというものがあります。私も設計だけで終わりではなく、製造部門の社員と連携を取りながら貸金庫づくりに携わっています。仕様や材料がお客様のご要望どおりに仕上がっているか、組み立てで気になるところはないかなど、製造現場に足を運んで確認。時には製造担当の社員から、設計に対するアイデアが出てくることもあります。
例えば自動車などの設計では部品の一部しか携われないでしょうが、当社ではものづくりの上流から下流まで一貫して携われます。これは大きな醍醐味です。
貸金庫は秘匿性の高い状況で利用されるため、自分が担当した製品が実際に使われている場面を目撃することはありません。それでも自分の手がけた貸金庫が個人・法人を問わず貴重なものをお預かりしていると思うと、やりがいを感じますし、社会に貢献しているという実感が得られます。
地元広島から世界の舞台へ
最近の印象的な出来事は、2024年に海外向けの案件に携わったことです。具体的には香港のお客様のご要望にお応えして特型の全自動貸金庫を提供するというプロジェクトです。製造するだけでなく、実際に香港のお客様のもとで据付の指導・教育まで行うというものでした。
海外案件を任せていただけることになったときは、果たして自分にできるだろうかと不安もありましたが、思い切ってチャレンジすることにしました。このように若手に新しい成長の機会を与えてくれる点も、当社の大きな魅力です。
苦労したのは、現地で据付を担当する技術者への指導でした。
香港から来日した技術者は4名。私は言葉の壁にぶつかりながら、何としてでも据付の技術をマスターしてもらわなければと取り組みました。
言葉だけではありません。文化の違いにも戸惑いました。例えばネジ1本締める際に「きつく」と指示しても、きつさに対する認識は微妙に異なりますし、「ちゃんと締めるように」の「ちゃんと」の解釈も様々です。専門用語も多く、苦労の連続です。無事に指導が終わったときは、達成感とともに自分の成長を実感しました。
また現地の技術者に来日してもらうだけではなく、私自身も香港へ行き、据付指導をしました。現場での作業を想定しながら設計することの大切さを知りましたし、それまで持ち合わせていなかった視点を身につけることができました。やりがいのある本当に貴重な経験だったと思います。
居心地のよさもワークライフバランスも
当社は120年以上の歴史を誇る会社ですが、決して堅苦しいわけではありません。むしろ非常に風通しがよくて、年齢や役職に関係なくコミュニケーションできる風土があります。香港のプロジェクトでも私が部品の手配で困っている際には先輩が手を差し伸べてくれましたし、わからないことを質問すれば誰でも気軽に教えてくれます。
もちろん何でも始めから教えてくれるわけではなく、まずは本人がチャレンジしてみて、その上で助けが必要なったときに初めて手助けしてくれるのです。
私の同期は全員が離職することなく活躍していますし、他の年次の社員も含め、離職率の低さは当社の居心地のよさの表れでしょう。
仕事のやりがいや会社の安定性に加え、休日が多いなど、ワークライフバランスの充実もその理由に挙げられます。9人の同期は非常に仲がよくて、時々飲みに行ったり、ゴルフを楽しんだりしています。
今後の目標は、短期的には不具合ゼロの製品をつくることで、長期的には貸金庫設計のノウハウを後輩にしっかり受け継いでいくことです。
私もそろそろ若手から中堅と呼ばれる年齢に差しかかっています。その自覚のもと、人材育成にも取り組んでいきたいです。