子育てをしながら、地域にも尽くしたい。「コープこうべ」で手に入れた、そんな生き方。
子育てをしながら、地域にも尽くしたい。
「コープこうべ」で手に入れた、そんな生き方。
このストーリーのポイント
- 地域担当、地域担当チーフと、「人の役に立つ仕事」を実感
- 現在は地域活動推進部での仕事を通じて、地域貢献に取り組む
- お互いさまの精神のもと、周囲に支えられながら働く
商品を届けるのではなく、自分という人間を届ける──。コープこうべならではのそんな喜びが、大きなやりがいに。その経験をもとに、現在は社会課題の解決につながる地域連携推進の仕事に取り組んでいる。
生活協同組合コープこうべ
石郷岡 明里
地域活動推進部
地域連携推進
2012年入所(新卒)
愛媛県出身。学生時代は徳島県で過ごす。人の役に立つ仕事がしたいという想いをかなえられる場として、コープこうべへの入所を決める。現在は5歳の男の子の母親として、仕事にも育児にも全力で取り組む。
たまたま出会ったコープこうべに惹かれる
学生時代はバスケ部でマネージャーを務めました。選手のサポートの傍ら、四国地方の学生連合チームの事務局や全国大会開催のサポートなども担当。調整不足を叱られながら、外部の方との連絡に追われたこともありました。大会の成功という目標に向かって様々な人と関わりながら前に進んでいく感覚はとても楽しく、大会終了時には大きな達成感が得られました。
ここで磨かれたコミュニケーション力、調整力は、社会人としての確かなスキルにつながっています。
就職活動の時期を迎えて考えたのは、業界や職種の枠にこだわらず、人の役に立つ仕事がしたいということでした。バスケ部のマネージャーとして選手を支えた経験に通じることかもしれません。
コープこうべとの出会いは、合同説明会の場でした。“生活協同組合”という文字を目にし、何だろうと思って入ったことがきっかけです。それまで生活協同組合というものに関心を抱いたことは一度もなく、本当にたまたま立ち寄っただけでした。
ところがその場で地域担当の仕事の話を聞き、まさに自分の求めていた人の役に立つ仕事ができると感じたのです。組合員さん1人ひとりとコミュニケーションを取れることも、面白そうに思えました。
最後の決め手が、人柄です。面接官をはじめ、出会う方が皆さん素晴らしく、本気で地域のためにと考えて働いていることが伝わってきました。私の価値観と響き合うと感じ、ここなら自分らしさを大切にして働けると思い、入所を決めました。
入所して配属されたのが、協同購入センター六甲です。
その際は兵庫県三木市の研修所「コープこうべ協同学苑」で2~3週間、トラックの運転の研修を受けました。地域担当の仕事にはトラックの運転が不可欠です。女子の皆さんは高いハードルだと感じるかもしれません。私もそうでした。
ところが研修を受けてトラックを運転してみると、視界がとても高く、広くて、むしろ乗用車より運転しやすいと感じたほど。だから後輩の皆さんにも、ぜひ臆することなく一度、トラックの運転台に座ってみてほしいと思います。想像以上に楽しいですよ。
地域のセーフティ・ネットとしての使命
最初の仕事が地域担当でした。担当エリアの組合員さんのお宅を訪問し、ご注文の商品をお届けしたり、ご希望の商品のご注文を承ったりする仕事です。
組合員さんのお宅には週に一度訪問しますので「今日はあの組合員さんに会える」「会ったらこんな話をしよう」と思いながら、日々を過ごしました。会うたびにどんどん親しくなっていき、次に会うのがワクワクするという経験は、とても楽しいものでした。
親しくなると、中にはご家庭の相談事を持ちかけたり、「聞いてくれるだけでいいから」と悩み事を打ち明けたりされる組合員さんも増えました。私がお届けするのは商品だけれど、組合員さんが待っているのは商品ではなくて、私という人間なのです。こんな仕事は他ではできないと思いました。
中には、組合員さんの様子が普段と違うことを察して救急車を呼んであげたという経験をした仲間もいます。私たち地域担当は、まさに地域の人々の安全を見守る、セーフティ・ネットなのです。その使命感が、大きなやりがいにつながりました。
3年目に異動し、共済担当となりました。共済とは万一の病気やケガなどの際に生活を保障する、いわば保険のような仕組みの商品で、私の仕事はそのご加入の案内をすることでした。地域担当とはまったく違う知識が必要とされる仕事でもあり、最初は組合員さんから質問されてもちゃんと答えられないなど、辛いことが多かったです。
それでも乗り越えられたのは、周囲の支えのおかげでした。上司が必要な知識についてわかりやすく解説してくれたり、専門家である共済センターの方が訪問に同行してくれたり。いろんな人に支えられ、助けられて、取り組むことができました。厳しかったけれど、ここで身につけた“強さ”は、私の武器になったと感じています。
4年目には地域担当チーフとなりました。自分では担当エリアを持たず、担当グループの地域担当メンバーのサポートを行うことが役目です。メンバーが仕事で悩んでいたら話を聞いてアドバイスをすることもあれば、うまくコミュニケーションの取れない組合員さん宅へ同行することもありました。
あるメンバーが「組合員さんがいつもお留守でなかなかコミュニケーションが取れない」と悩んでいたときは、手紙を書き残してはどうかとアドバイス。以来、このメンバーは毎週訪問するたびに、手紙を残し、その後電話でフォローすることを続け、結果として売上も大きく伸びました。
部下が壁を乗り越えて成長していく姿は本当に嬉しく、これがチーフとしての醍醐味だと感じました。
お互いに「私が代わるから」と言える風土
出産のために育児休業を取得したのは6年目のことでした。実は当初、子育てと仕事を両立できる自信がなく、このまま退職しようかと考えていました。けれど時短育児制度を活用して働き続けている先輩が同じ職場にいて、その姿を見ているうちに自分でも何とかできるんじゃないかと思い始め、同じくコープこうべに勤務する夫の勧めもあって、復職して働き続けることを決めました。
就職活動の頃は、子育てといわれてもまるで現実味がなく、仕事と両立できる環境かどうかなど考えずに、企業選びをしていました。就活中の女性の皆さんにも、そういう人はいらっしゃるでしょう。振り返って思うのは、女性にとってこれはとても大切なことなので、企業選びでもじっくりと考えた方がいいということと、不安があっても思いきって両立に挑んでみれば、案外何とかなるものだということです。
復職に際しては、自宅に近い協同購入センター宝塚に異動しました。同時に、チーフとしての仕事は大変なので地域担当に戻りたいという私の希望で、地域担当として復職させていただきました。ここで私は育児時短制度のもと、定時より1時間早く退社する働き方を選択。さらに、子供が熱を出したりしてもすぐ帰れるよう、職場でサポート体制を整えて頂きました。
上司も育児休業取得経験者であることに加え、職場には私のように子育てしながら働く女性もいて、皆さん、とても理解のある方ばかり。安心して働き続けられる環境でした。
復職して半年後、「そろそろチーフに戻っては」という打診があり、不安はあったものの、それに応えて地域担当チーフの仕事に戻ることを決意しました。
不安というのは、チーフとしての責任を果たせるかどうか、ということです。チーフの使命は地域担当メンバーのサポートですから、配達に出ていたメンバーが戻ってきてからが、仕事の本番。しかし子育て中ですから、メンバーの帰りを待たずに急に退社することもあり得ます。
この点についても私は、仲間に助けられました。早く帰らなければならないときは、他チームを預かるチーフが「私が代わるから」と私の仕事を引き受けてくれ、翌朝にその報告をしてくれました。組合員さんとの対応が長引いたときも、私の代わりにお宅まで駆けつけてくれました。
“お互いさま”の気持ちが根付いているのでしょう、こうした支え合いがコープこうべでは当たり前のように行われているのです。感謝の気持ちしかありません。だからその恩返しに、次は私が後輩ママのサポートをしてあげようと決めています。
コープこうべだからできる社会貢献
現在私は地域活動推進部で、地域連携推進業務に取り組んでいます。以前から取り組みたかった仕事で、年一度の自己申告制度を利用してその希望を伝えており、それがかなったという思いです。
地域連携推進の仕事とは、コープこうべのカバーするエリアを8つに分割し、それぞれの地域で行政やNPO等の関連団体と連携しながら、支え合い・助け合いのまちづくりを進めていくことです。組合員さんを通じて暮らしやすい地域づくりに貢献してきた、コープこうべならではの意義ある取り組みだといえるでしょう。
最近の例としては、地域に開かれたコミュニティスペース「つどい場」の開設をサポート。子どもからお年寄りまでが自由に集い、交流することで、地域の活性化につなげています。
先日も新しい「つどい場」のオープンに立ち会ったのですが、地域の皆さんが笑顔で集まり、新たな交流の場の誕生を喜んでくださいました。
その笑顔を目にして、まさにコープこうべだからこそできる社会貢献だと、誇らしく感じました。
私は、人の役に立つ仕事がしたいと思って就職活動を進め、コープこうべに出会いました。今の地域連携推進の仕事をしながら感じるのは、長く地域担当やそのチーフの仕事を経験したことで、地域の人々と信頼関係を築き、コミュニケーションしてきた経験が、活かされているということです。
今後も引き続きこの地域連携推進の仕事に取り組み、さらなる貢献を続けたいと考えています。
後輩の皆さんが私を見て、子育てと仕事を両立するロールモデルとして受け止めてくれたら、こんなに嬉しいことはありません。