地元である宮崎の食と焼酎の魅力を全国に広めていきたい

地元である宮崎の食と焼酎の魅力を全国に広めていきたい

地元である宮崎の食と焼酎の魅力を
全国に広めていきたい

このストーリーのポイント

  • 大学時代に地元・宮崎を離れたからこそ、宮崎の充実した食と焼酎の魅力に気付いた
  • 支店全員で営業戦略を考え取引先に提案したところ、売上アップを実現
  • 営業担当として、宮崎の食文化、焼酎文化を全国に広めたい

酒造会社として100年以上の歴史を誇りながらも、より多くの人に焼酎を楽しんでもらうため、新商品の開発や飲み方の提案に意欲的な霧島酒造。宮崎の焼酎文化を広めるために、霧島酒造へ入社した営業担当者が歩んできたキャリアや、今後のビジョンについて聞いた。

PROFILE
霧島酒造株式会社

柚木崎 康太

営業本部 東京支店
経済学部経済学科

kirishima-st02-02.jpg

東京支店の営業として、千葉・静岡エリアを担当。商品にとどまらず焼酎の飲み方、楽しみ方も提案している。身体を動かすことが好きで、小学生から大学まで野球に打ち込んでおり、現在も草野球チームに所属している。

いつも食卓には芋焼酎「霧島」があった

私の地元は、霧島酒造の本社がある宮崎県都城市です。弊社の社名の由来にもなっている霧島連山を見渡せるエリアに住んでいました。そして我が家の食卓にいつもあったのが、芋焼酎の「霧島」。子どもの頃から父や祖父が晩酌を楽しんだり、親戚同士が乾杯して盛り上がったり。そんな光景を見ていて、霧島はまるで地元に愛されるシンボルのような存在だと感じていました。ようやくお酒を飲める年齢になった頃には、霧島をはじめとする焼酎がすっかり好きになっていました。

大学は特に地元での進学にはこだわらず、和歌山県内の大学へ。故郷を離れて生活するなかで、宮崎の食文化の魅力を改めて実感することになりました。宮崎は地鶏をはじめ、牛・豚の畜産も盛んで、どれを食べてもおいしいんです。そして、それらのジューシーな味わいをさらに引き立てるのが焼酎です。

宮崎の充実した食と焼酎の良さをもっとたくさんの人に伝えたい。そんな目標が叶えられる就職先を見つけようと決めたなか、真っ先に頭に浮かんだのが霧島酒造でした。霧島酒造は、酒造会社の中でも全国各地に販売網を持っているので、宮崎の食文化、焼酎文化をより多くの人に伝えられると思ったんです。

私の目標を叶えるのに合った職種は営業だと思い、志望しました。正直なところ、面接では緊張し過ぎて何を話したかあまり覚えていませんが、きっと、霧島酒造で宮崎の魅力を広めたい想いが、つたないながらも伝わったのでしょう。営業担当として内定をもらい、入社してから今年で6年経ちます。今振り返っても、就職活動時に掲げた目標にまっすぐ向かっていける会社を見つけられて、本当に良かったと思っています。

kirishima-st02-03.jpg

上司からの言葉が自分起点で考えるきっかけに

新入社員は、入社後3カ月間の新入社員研修を本社で受講します。1カ月間は、社会人としての基礎をはじめ、霧島酒造について、本社のある都城市の歴史についてじっくりと学びました。

その後の2カ月間は、焼酎が商品となり、お客様に届くまでを支えている各部門で研修。たとえば、製造現場で焼酎を仕込んでいる工程や、出来上がったお酒が容器に詰められていく過程を学んでいきました。当たり前のように飲んでいた焼酎が、こんなにも多くの工程を経てお客様のもとに届くことに驚きました。これから営業担当として責任を持って、お客様へ一本一本を大切に届けようと、気持ちが引き締まったのを覚えています。

同期同士でグループワークをしたり、交流したりする機会も多く、研修が終わる頃にはすっかり打ち解けあいました。特に営業の同期とは、今でも非常に仲が良いです。それぞれの配属地は違いますが、定期的に連絡を取り合って飲みに行っています。

研修が終わった後は、営業拠点のある東京支店へ配属に。全くなじみのないエリアでしたが、それほど不安は感じなかったですね。むしろ「知らないからこそ色々吸収していこう」という気持ちが大きかったです。

営業の主な仕事は、卸店や酒販店、飲食店などに霧島酒造が取り扱う商品を提案をすることです。特に飲食店の場合、商品だけではなく飲み方の提案もしています。焼酎の飲み方というと、ロックや水割り、お湯割りをイメージする人が多いかもしれません。ですが弊社の場合は、より多くのお客様に気軽に焼酎を楽しんでもらえるよう、炭酸割りなどさまざまなバリエーションの飲み方を提案しています。
各飲食店様のイチオシの料理に合わせて、どの商品や飲み方が合うかを一緒に探っていくお手伝いも。ただ商品を売るだけでなく、飲む方々にどう届けていくかまで考えられるのが、この仕事の面白いところです。

また、営業担当者はほかの部署と連携することも多いです。たとえば、商品をお客様へスムーズに届けるために、全国の物流拠点の在庫を管理している部署とはこまめに連絡を取り合います。また、広告活動を行う部署と、酒販店の売り場や飲食店に置くためのポスターやメニュー表を作ることもあります。

入社当初は、千葉エリアの担当に。上司が同行してくれたものの、初めて得意先の商談に行く時は本当に緊張しました。得意先と上司の話している会話の内容をメモして、商談が終わったら、上司に「これはどういう意味ですか?」と必死に聞いていたことを思い出します。

そんな新入社員時代に、上司にかけてもらった印象深い言葉があります。上司にとある得意先からの要望をそのまま伝えて「どうしたらいいですか?」と、相談した時のこと。すると、上司から逆に「柚木崎さんはどうしたいの?」と聞き返されたのです。

以前は、上司の返答をそのまま得意先に伝えていましたが、その言葉を受けてはっとしました。まずは、自分でどうすべきか考えなければいけない。その得意先の担当者は自分自身なのだから、と考えが改まったんです。それからは、まずは上司に自分なりの意見を伝えたうえで相談することを意識するようになりました。どんな仕事をするうえでも大事な姿勢を上司に教えていただき、感謝しています。

kirishima-st02-04.jpg

支店一丸となって考えた販売戦略が実を結び、売上アップ

営業担当として初めて大きな成果を上げられた瞬間は、今でも忘れません。焼酎をはじめ、お酒の売上がこれから伸びると予想される繁忙期のこと。霧島酒造の焼酎をより多くのお客様に届けるための戦略を、東京支店全員で考える機会がありました。

そこで出た案が、酒販店で「黒霧島」の紙パックを、2本セットで袋に詰めて売ること。単体ではなくセットで売ることによって、売り場を占める割合が増え、お客様の目を引きやすくなります。袋詰めにすることで、手に取ったお客様がすぐに持ち帰りやすいですし、いつもの倍の数を販売する分、売れれば酒販店の利益も上がります。

この戦略を実現するため、さっそく取引先である大型チェーンの酒販店にご提案。取引先には、お客様と酒販店が得られるメリットを丁寧に説明したところ、2本セットで売り場に置いてもらえることが決まりました。私も現場に何度も足を運び、少しでも多くのお客様に立ち寄ってもらえるよう、売り場を飾り付ける工夫をしました。

その結果、その酒販店で黒霧島の売上が伸びて、弊社にも追加発注が増加。大成功を収めることができました。成功したポイントは、やはりお客様が焼酎をよく飲むであろう時期に2本セットで販売したことにあると思います。焼酎はある程度日持ちすることもあり、家にあれば気が向いた時に少しずつ飲んでいただけるんですよね。繁忙期に合わせて、お客様の行動を読んだ売り方をしたことが実を結びました。

とはいえ、私一人ではここまでの成果を上げることはできなかったでしょう。共に焼酎の売上を伸ばすためのアイデアを出し合った、東京支店の先輩や上司がいたからこそです。営業は、個人プレーのイメージがあるかもしれませんが、霧島酒造では皆で一丸となって営業活動をすることもあって心強いです。

支店全員で動いた機会は、ほかにもあります。以前会社の方針で、焼酎初心者でも飲みやすい「黒霧島の炭酸割り」の普及活動を行う機会がありました。東京支店では、都内で黒霧島を導入していただいている飲食店を一軒一軒まわって、炭酸割りを提案することに。空き時間を使って、支店全員で2週間かけて飲食店を巡りました。

その結果「芋焼酎の炭酸割りって合うんだね」と、多くの飲食店の店主やお客様から反響をいただいたんです。このような活動によって、焼酎を身近に楽しんでもらえる人たちを増やせていると思いますし、自分一人ではなく支店全員で取り組めていることにやりがいを感じます。

kirishima-st02-05.jpg

焼酎になじみのない人にもアプローチしてファンを増やしたい

ここ最近力を入れているのは、昨年発売されたばかりの新商品「KIRISHIMA No.8(キリシマナンバーエイト)」の提案です。この焼酎がほかと違うのは、マスカットやみかんを思わせるフルーティーな香りを楽しめること。飲み方のバリエーションも多彩で、たとえばシャインマスカットを合わせてカクテルにもできるので、芋焼酎特有の味わいが苦手な人にも飲みやすくなっています。

焼酎になかなかなじみがない人にこそ、まずは「KIRISHIMA No.8」のような商品を飲んでもらいたい。そこで焼酎を好きになってくれたら、霧島酒造の違う商品も試してもらえるような流れを作っていきたいです。

やりたいことは、ほかにもあります。それは、今までと違うエリアで営業活動を行うこと。具体的には、東北エリアに行ってみたいですね。東北は日本酒の産地として有名ですが、日本酒を飲み慣れている人に焼酎をおすすめして、好きになってもらえたらと。まだまだチャンスはあると思います。

このような提案を続けて、焼酎が好きな人、焼酎を当たり前のように飲んでくれる人をもっと増やせたら、私が入社する時に掲げた目標が実現できると思っています。まだまだ時間はかかることですが、これからも焼酎と宮崎の食文化を広めるためにできることを考え、行動していきたいです。

酒造会社は伝統があるので、どちらかというと古くて堅苦しいイメージを持っている人もいるでしょう。しかし霧島酒造は決して保守的にならず、革新的な商品の開発や飲み方の提案に意欲的です。従業員の平均年齢は34歳と比較的若く、社内には明るく風通しの良い雰囲気が流れています。そんな環境で、自分の目標を実現できるように、そして霧島酒造をより多くのお客様に愛してもらえるように、日々の業務に励んでいきたいです。

kirishima-st02-06.jpg

TAGS
SHARE

Related Stories|関連ストーリー