同じ志を持った社員同士で力を合わせ大きな仕事を成し遂げていく

同じ志を持った社員同士で力を合わせ大きな仕事を成し遂げていく

同じ志を持った社員同士で力を合わせ
大きな仕事を成し遂げていく

このストーリーのポイント

  • いつも居酒屋にあった「黒霧島」に親しみを抱き霧島酒造に入社
  • 焼酎の製造現場管理やさつまいもの調達に携わり、社内のチームワークの良さを実感
  • 一人ではできないことを、社員同士で協力し合いながら成し遂げていくことを大切に

九州産のさつまいもを100%使用し、「黒霧島」をはじめ本格芋焼酎の製造を行う霧島酒造株式会社。芋焼酎の原料となるさつまいもの調達に奔走する社員に、チームワークを活かして仕事ができることの魅力を聞いた。

PROFILE
霧島酒造株式会社

鶴田 勝

製造本部 原料部
工学研究科 機械システム工学専攻

kirishima-st01-02.jpg

佐賀県出身。宮崎県内の大学に進学し、いつも飲み会の席にあった「黒霧島」が慣れ親しんだお酒になったことをきっかけに、霧島酒造に関心を持つ。入社後は、焼酎の製造現場管理を経て、現在は焼酎の原料となるさつまいもの調達に携わる。

多くの人を幸せにできるような仕事がしたい

私は佐賀県出身で、大学では一人暮らしがしたかったので県外の進学先を探していました。なかでも南国の陽気を感じさせる宮崎の風土に惹かれて、宮崎県内の大学の工学部に進学。大学時代で一番印象に残っていることは、県の南東部沿岸に位置する青島で開催される「青島太平洋フルマラソン」に参加したことです。

もともと長距離走は苦手で、高校でも最下位を争うほどの私。そんななか、同じ研究室の友人がマラソン大会に出場することを聞きます。その姿に影響され、私も苦手を克服するために挑戦してみようと参加を決心し、週3回、研究室の有志の仲間たちで練習に励みました。

いざ迎えた本番当日。フルマラソンが初めての私にとって、走っている時は景色を楽しむ余裕などなく、どんどん増していく足の痛みと戦っていました。そんな状態でもなんとか完走した瞬間は、今までにないほどの達成感を味わえたのを覚えています。その感覚が忘れられず、タイムを縮めることを目標に、翌年も再チャレンジしました。

この取り組みで学んだのは、目的を達成するために何をすべきかを考え抜くことです。仕事でも、この姿勢が活きています。もうひとつ感じたのは、集団で物事をやり遂げる素晴らしさ。マラソンも、研究室の仲間たちと走り抜けたからこそ思い出深いものになりました。

大学卒業後は、大学院に進学して機械システム工学を専攻しましたが、就職先については、特に技術職に絞っていたわけではありません。周りとワイワイするのが好きな性格もあり、周囲と協力して何かを作り上げる環境で、人を幸せにできるような事業に関わりたいと思っていました。

子どものおもちゃを扱う専門店やテレビ局も検討したなか、一番入社したいと思ったのが霧島酒造です。宮崎は焼酎の製造が盛んで、居酒屋にビールと並んで必ず置いてあったのが、弊社の代表銘柄である本格芋焼酎「黒霧島」でした。最初口にした時は「大人の味だなあ」と思っていたものの、だんだん飲み慣れていき、私にとって黒霧島はすっかり身近なものに。楽しいお酒の場で人と人とのつながりを深める黒霧島を作っている会社であれば、より多くの人を幸せにできるだろうと感じました。

面接も、自分のありのままを受け入れてくれるような雰囲気で、全然緊張しませんでした。飾ることなく、思ったことを素直に話しましたが、ご縁あって内定をもらえました。会社があの時の自然体の自分を受け入れてくれたからこそ、今ものびのびと働けているのだと思います。

kirishima-st01-03.jpg

製造現場はチームスポーツと似ている

入社してからは、焼酎の製造業務を行う製造部に配属になり、製造工程の管理や、製造現場の社員に作業を指示する仕事を行っていました。

焼酎ができるまでには、さまざまな工程があります。まずは麹(米に麹菌を繁殖させたもの)の原料となる米を蒸し、麹菌を生育させます。その後、麹菌、水、酵母菌を加え、一次仕込みを実施。一次仕込みでできた一次もろみ(原料が発酵した状態)に、蒸したさつまいもと水を加える二次仕込みを行い、二次もろみを造り、蒸留します。このような一連の流れを、毎日担当する工程を変えながら管理していました。

あらかじめ、先輩に製造機械の使い方を教えてもらってはいたものの、最初はミスなく工程管理ができるのか、製造現場の社員に適切な指示ができるのか、不安でした。そんな不安を少しでも取り払うため、ちょっとした疑問であっても先輩に質問、相談を繰り返し、わからないことをそのままにしないという意識を持っていました。また、各工程に必要な機械の操作をただ覚えるだけでなく、どうしてこの操作が必要なのかも踏まえたうえで、頭に入れることを心がけました。

毎日経験を重ねて知識を身に付けていくうちに、一連の流れをだんだんと理解できるように。そして自信を持って指示が出せるようになった時は、確かな成長を感じられました。

当時、焼酎の製造現場で働くことは、「チームスポーツをしているみたい」だと感じていました。社員は一つの工程に一人しか配置されないものの、どの現場の社員も、焼酎を計画通り安定的に仕込むことを目指して協力し合います。どこかの工程で機械のトラブルがあったら、作業の途中でもすぐ駆けつけてフォローしたり、再発しないよう対策を考えたり。一人ではなく、現場のメンバー全員でゴールに向かいながら働くことがチームスポーツをしているみたいで楽しかったですし、大学時代に仲間たちとフルマラソンを完走した感覚とも似ていて、充実した日々を送っていました。

kirishima-st01-04.jpg

芋焼酎の原料となるさつまいもの調達を担えることが誇り

入社3年目に、製造部から原料部に異動になりました。原料部では、主に芋焼酎の原料であるさつまいもを調達する業務を行います。具体的には、霧島酒造と生産農家との間にいる仲買業者(なかがいぎょうしゃ:さつまいもを生産農家から集荷し、納品する業者)とやり取りしながら、焼酎の製造計画に対して必要なさつまいもの量を予測し、確保していきます。

さつまいもの収穫時期は、毎年8月から12月頃まで。安定的に焼酎を製造するためには、この期間におよそ1日1,000トンのさつまいもが必要です。しかし、さつまいもの収穫量は天候に大きく左右されます。湿気に弱く、雨の日に収穫すると品質が落ちてしまうため、収穫は晴れの日を待たなければなりません。また、実際に畑を掘ってみないと、どれくらいの大きさ、重さのさつまいもが出てくるかもわからないもの。なかなかこちらの計画通りにさつまいもを調達できないのが、この仕事の難しいところです。

事前に立てた計画を調整していくために大事なのが、仲買業者との密なコミュニケーションです。たとえば、予定よりもさつまいもが足りない場合。50社以上の仲買業者一人ひとりと「あともう少し追加で納品できませんか?」と連絡を取りながら、なんとか1,000トンを確保できるよう奔走します。

仲買業者の皆さんがこちらのお願いに快く協力してくださるのは、霧島酒造が長年培ってきた信頼関係があるからこそ。その関係性をさらに深められるよう、収穫シーズン以外にも、仲買業者とつながりのある生産農家の畑を訪問して、さつまいもの生育状況を確かめています。定期的に開かれる交流会で、生産農家、仲買業者と意見を交わし合う時間も大切にしています。

大変なこともありますが、今こうして芋焼酎の原料に関わる大事な役割を任せられていることを、誇りに思います。また、「さつまいもを安定的に調達する」という目的を持った会社や社員と団結しながら仕事に取り組めていることも、大きなモチベーションです。

原料部には、さつまいもの病気によって収穫量が安定せずに悩む生産農家をサポートするチームがありますし、霧島酒造全体でも、自社で育てたさつまいもの苗を生産農家に供給する活動をしています。これからも、同じ目的に向かう会社とメンバーに支えられていることを忘れずに、日々の仕事に励んでいきたいです。

kirishima-st01-05.jpg

「好き」が、抜群のチームワークを作る

近年は高齢化や後継者不足などが原因で、さつまいもの生産農家が減ってきています。さつまいも農家の担い手がいなくなってしまったら、焼酎は造れません。先ほど話したように、会社全体でも生産農家を支援する活動はしていますが、ほかにできることはないか、常に考えています。

生産農家の立場に目を向けた取り組みをさらに広げれば、新規の担い手が増えるかもしれませんし、現役の生産農家のお子さん、お孫さんが後を継いでくれるかもしれない。焼酎を造るだけにとどまらず、生産農家の皆さんに「霧島酒造のために、今後もさつまいもを作りたい」と思ってもらえるような働きかけを、積極的に行っていきたいです。

働いていていつも思うのが、霧島酒造は会社を好きな社員が本当に多いということです。弊社の直営施設で販売している「霧島Tシャツ」を着て仕事をしている人や、スマホのカバーを霧島のロゴにしている人も。新商品が出た時は、社員同士で自然と「あれ飲んだ?どうだった?」という会話が弾みます。

会社のことを好きな社員が多いからこそ、もっと美味しい商品を造りたいという意識が芽生え、より全社一丸となって成果を出せる環境が出来ています。これがまた、会社への愛着へとつながり、結果として抜群のチームワークが生まれているのだと思います。この良いサイクルが会社の成長に繋がっているのだと感じます。

霧島酒造には、個人ではできないことを、みんなで協力し合い成し遂げていくことを大事にする人が集まっています。そんな環境で、弊社と関わる全ての人が幸せになれる仕事がしたいと思っている人は、ぜひ一緒に働きましょう。

kirishima-st01-06.jpg

TAGS
SHARE

Related Stories|関連ストーリー