技術に関する好奇心は機械設計者だった頃と同じ。ジョブチェンジで変化したのは、お客様に対する“立ち位置”です。
技術に関する好奇心は機械設計者だった頃と同じ。
ジョブチェンジで変化したのは、お客様に対する“立ち位置”です。
株式会社IDAJ
Y.N.
営業本部 第4営業部
次長
2006年に中途採用で入社。
現在は、アカウント営業のプレイングマネージャーとして、関西エリアのグループのマネージングと、自動車・電機メーカーをはじめ、複数の企業を担当し、日々お客様に対する提案活動を行っています。
IDAJを選んだ理由:大学卒業後、機械設計者として、半導体製造装置メーカーなどで設計業務に従事。数年後、機械設計よりも、お客様から課題をヒアリングし、それに対して自社の技術を提案することの方が楽しいと感じていることに気づき、技術職から営業職へのジョブチェンジを決断。学生時代から興味があったシミュレーション領域に豊富な実績があるIDAJを転職先に選んだ。
IDAJの営業職は一般的にイメージする営業職と違うのかもしれない。
私は技術者として社会人キャリアをスタートし、30歳になるのを機に営業職へとジョブチェンジした、IDAJでは割と珍しいキャリアを持っています。その後入社してから約20年、アカウント営業としてIDAJのソリューションをお客様にご提案しています。
特に長く担当しているのが自動車業界のお客様。前任者からの引継ぎ後、いくつかのソフトウェアの販売からお付き合いが始まりましたが、お客様の課題をお聞かせいただくことにフォーカスすることで、コンサルティング提案をご採用いただき、IDAJとして大きくビジネスを成長させることを経験できました。
営業職ではありますが、実は今でも設計者としての好奇心は日常の業務の中で満たされているんです。これはIDAJの営業スタイルなのですが、営業であっても技術的なディスカッションや提案に関わり、技術者ほどの深堀りはしないものの、IDAJが保有する技術に関する広範な知識、あわせてお客様の業界や製品に対する知識、ものづくり全般のトレンドなど、勉強して身につけなければならないことは多数あります。単純に面白いですよ。
元設計者だったというと、驚かれることが多いのですが、マインドに大きな変化はないんです。もちろん、会社の業績に関して責任を負うのは営業ですし、契約、請求に関する事務処理も担当しなければなりませんが、お客様に自社の製品、サービス、技術をご提案するという点においては、お客様に接する際の立ち位置が変わっただけという認識でいます。また、私の性格にもよるのかとは思いますが、技術や営業ともに、誰かと対立することはほとんどありません。唯一、お客様のためにならないと感じたときだけは、強く出てしまいます。営業としてお客様とのコミュニケーションの最前線におり、軸足はお客様側に深く置いてあるのだと思います。
マインドセットが変わったのは上司との同行営業にて。
そこで得たのは自分の選択に対する“覚悟”。
機械設計にはある程度の知識を持っていたものの、営業としては経験が乏しいという自覚がありましたので、私の場合は、尊敬する上司や先輩の真似をすることから始めました。もちろん一朝一夕にスキルが上がるものではありませんので、小さなこと、“1”ではなく“0.1”をひたすら毎日積み上げていくことで、これまでやってきました。
入社して間もない頃、ある商品をお客様が購入しようとしてくださったことがありました。ちょうど所属する営業グループの売り上げ目標の達成可否がかかった大事な商談でしたが、それはあくまでもこちらの事情。そのままの処理では目標達成が難しい状況になっていました。あきらめかけたとき、私の上司が「実は、営業目標の達成がかかっていまして、可能であれば発注処理をお早めに進めていただけませんか?」とストレートに事情を打ち明けてお願いしてくれました。
こういうお願いというのは、本当に難しくて・・・正直、苦手な人が多いと思います。
ただ、ご無理のない範囲でご協力いただくことも可能ではないかと思っています。もちろん、事情をご理解いただいた上でご協力を得るには、それまでに培った信頼関係があってのことだということは、言うまでもありません。このときはお客様も前向きで、発注処理のために色々と調整してくださったのですが、結局、期限までにご発注をいただくことはできませんでした。ただこの一連の出来事からは、IDAJのビジネスを背負って、最前線にいる立場としての責任を実感させられました。そこからは営業目標だけでなく、様々な交渉事などにもあきらめずに食らいついていくという覚悟が持てた気がします。
今でもチームマネージメントやメンバーのモチベーション向上のための正解の方法は見つかっていない。ただ“0.1”を積み上げる日々。
営業の成果を上げるのは簡単なことではないですが、それでも、一人の営業マンとしての活動であれば、自分が頑張ればタイムラグがあるにせよ、いずれ成果が出ます。しかし、アカウント営業を続けながら、チームとしての成果を狙うのは全くの別ものでした。期待通りに活躍してくれるメンバーもいれば、そうでないメンバーもいます。自分なりにアドバイスをするも、伝わらず、目標とする成果が出せない状態をもどかしく感じることもありました。それでも、1人でどれだけ頑張っても100しか出せなかった成果が、チームで動くようになれば500にも1,000にもなる。こういった規模の成果を出せるようになるというところは、マネージメントするようになってから感じることのできた嬉しさや面白さです。
しかしマネージャーとしては、チームとしての成果を出し続けることが求められます。これは、さらに難しいチャレンジだと感じています。社会、業界、その他の外的環境の変化、会社の組織体制の変更などによって実績が落ち込むこともある。こういった予測不能な変化の影響を最小限にとどめ、かつメンバーのライフステージの変化も考慮しつつ、彼らにとって意味のある仕事を続けてもらうための正解は、結局のところわかりません。日々の相談やアドバイスなどのコミュニケーション、OJT・・・彼らとの接点を大切にして信頼関係を構築し、理解を深め、変化が訪れたときに柔軟に対応できるように、メンバーと私の間にある“基盤”を維持する意識をもって過ごすしかないのかなと思っています。
私のチームのメンバーは、20~30歳代と若いメンバーが多いので、私の意見を一方的に押し付けるような発言をしないように気を付けています。どうしても注意しなければいけないときは、周りに人がいない場で話すようにしています。また「どうしたら良いですか」と指示を仰がれたときには、「自分はどうしたいと思っているの?」と必ず聞きます。これを繰り返していると、自分なりの意見を持ってから相談してくれるようになり、メンバー自身が自走していくことに繋がっていくのだと思うからです。また年次に関係なく、メンバーが「こういうことをやってみたい」と言ってくれたときは、基本的に反対しません。「失敗しても良いからトライしてみて」と背中を押します。それは、たとえ失敗したとしても、次に挑戦するときの慎重さや知識に繋がると思いますし、“報告・連絡・相談”さえ足りていれば、お客様にご迷惑がかかったり、会社のビジネスに影響が出る前に私がストップさせることができます。さらにIDAJは、年齢に関係なく成果を出したメンバーが評価される社風なので、そういう意味でも各メンバーが成果をあげられるよう、できるだけトライしてもらいたいとも思っています。
一緒に働きたいのは、お客様に興味を持ち、顕在化していない課題の解決にこそ真の価値があると認識して自ら動ける人。
今の時代、お客様が認識されている課題は、調べればどこにでもソリューションは落ちています。ところが顕在化していない課題の場合は、そうはいきません。お客様との会話の中に散らばっているキーワードをキャッチし、そこからお客様ご自身ではまだ課題だと認識されていない不便なことや、変えたいことを炙り出して可視化する作業から始める必要があります。そのためには、お客様のお人柄や業務など、全てに対して興味を持つことが最も重要です。
また人は、心配して声をかけてくれる人にしか心の内を言えないものだと思っていますので、根本には「お客様を慮る」、「お困りごとがあれば支援させていただきたい」という想いを持っている、そういう人であれば、技術者であれ何であれ、現在のお仕事に関係なく、営業としての素質をお持ちなのだと思います。
率直に申し上げて、私は短いコミュニケーションで、瞬く間にお客様が抱えていらっしゃる潜在的な問題を見抜くセンスは持ち合わせていません。だからこそお客様からの信頼を得るために“約束は絶対に守る”、“お客様の連絡に一分一秒でも早く返答する”をコツコツと実践してきました。私がかつてそうであったように、上司や先輩から学び、お客様と真摯に向き合うことで、経験やセンスが足りないところを補うことができるのではないでしょうか。
チャレンジ精神が旺盛な営業・技術メンバーと一緒に、これからの日本のものづくりを支えるための“面白い”提案ができる営業として、IDAJに加わってくださる方をお待ちしています。
記載内容は2024年3月時点のものです。