“やらないこと”を提案した。お客様にとって価値があることなら責任をもってお伝えします。
“やらないこと”を提案した。
お客様にとって価値があることなら責任をもってお伝えします。
株式会社IDAJ
H.S.
第一モデリング・ソリューション本部
解析技術2部 課長
2013年にキャリア採用で入社。現在は、マルチフィジックス・システムシミュレーションツールGT-SUITEを使用したエンジニアリングコンサルティングに加えて、プリセールス、チームメンバーの業務の監督・補助、工数管理などを担当しています。
IDAJ以外の会社からキャリアをスタートしたH.S.が今、コンサルタントとして向き合っていることとは?
IDAJを選んだ理由:シミュレーションという技術を極めたい、広くものづくりに携わりたいと考えた。
1Dシミュレーション領域での最適なモデルと検討手順の提案。
先にあるのはMBDによる開発の効率化。
現在の私のメイン業務は、主に自動車・建機メーカー様からご依頼いただくGT-SUITEを使用したモデル構築、計算実行、結果を分析・評価・考察した上でご報告するというエンジニアリングコンサルティングです。
お客様が設計開発されている製品に対する知識は、お客様には到底かないません。この点はエンジニアとしてまだまだ勉強が必要であり、今も苦労しているところです。そこで、正直にお客様にお尋ねすると、皆様、親切に教えてくださいます。IDAJはお客様に恵まれているなと、いつも思っています。
一方で、1Dシミュレーション領域で、どういう粒度のモデルが適切なのか、どのレベルまで物理現象として落とし込んだモデルが技術課題の検討においては最適なのか、こういった知識・経験、ノウハウはお客様よりも持っていると自負しています。MBD(※1)による設計開発が進む中では、設計の上流段階では設計項目や各種情報が出そろっていないため、粒度の粗い概念的なモデルを使います。その後、具体的な数値や寸法がわかってくると、1Dモデルに反映させてシステムとしての成立性を常に確認しながら開発を最後まで進めていくのが最も理想的な使い方です。「動く仕様書」としてのモデルを用いて設計開発を体系化・効率化し、お客様ご自身でしか対応できないより発展的な業務に集中していただいたり、従来の設計手法では発見できなかった新しい知見を見つけていただくこと、これらがエンジニアとしてお客様にご提供できる一番の価値だと信じています。
IDAJは、シミュレーションを用いて、お客様の開発効率化をご支援させていただくためにGT-SUITEだけでなく、MILS、SILSからHILSまでモデルを共有するためのxMODというツールを使用したり、最適化にmodeFRONTIERを適用するなど、ご提案の幅が広がっていますので、エンジニアとしてそれらツールを積極的に活用した技術構築にも取り組んでいます。
またコンサルティングエンジニアとしての実務とあわせて、プリセールスや、チームメンバーが担当するコンサルティング・技術サポートの業務監督と進捗管理、コンサルティングプロジェクトにおいては技術リーダーとしての立場から、方針決めなどにも責任を負います。
広く、ものづくりに関わりつつ、もっとシミュレーション技術を学びたかった。
学生時代は、ものづくりの上流から下流まで幅広く学ぶ中で、CAE(※2)ツールを使ったシミュレーション技術を扱う研究室に所属していました。そこで新卒時の就職活動では、自動車業界なら市場規模が大きく、シミュレーションを含んだ最先端の技術に携われるのではないかと考え、モーターを開発している会社に入社し、シミュレーション部門に配属されました。そこでは、電磁界解析や流体解析を担当しました。
その後しばらくして、私自身の志向としてシミュレーション技術を通して、もっと広くものづくりに関わりたいという気持ちが高まり、転職を決意しました。IDAJに決めたのは、その取引先企業の多さ。ここでならシミュレーションに関する多くの技術を学ぶことができると確信しました。
大きく躓いた“講師デビュー”。このとき解析技術だけでなく、コンサルタントとして備えておくべき技術やスキルにも意識が向かった。
私は“化学”が苦手分野なのですが、バッテリー関連の仕事がまわってきたとき「これはチャンスだ!」と思いました。性格的に、任されたり、追い込まれた方がフルパワーを発揮するタイプなんです。苦手な分野はやりたくないという方もいますが、私は「これをきっかけに勉強しよう」とモチベーションを保つことができます。ところが、IDAJに入社して間もないころ、エンジニアリングコンサルティングやソフトウェアの技術サポートといった業務と平行して、GT-SUITE操作講習会の講師を担当することになりました。部内でのロープレを経て講師を務めますが、ツールへの理解が浅く、何度トライしても講師としての合格点がとれません。この時ばかりは、できない自分に相当落ち込みましたが、先輩からの「自分もそうだったから、何度でも練習につきあうよ」という励ましのおかげもあって、何とか乗り越えることができました。当時は、テキストやマニュアルをなぞるだけではない、お客様にとって価値のある情報をお伝えすることにフォーカスできていなかったのです。
意見やアイデア、技術情報が自然と共有される。社内での会話が純粋に楽しい。
私が最も刺激を受けるのは、お客様と打ち合わせをしているときに、上司の提案を聞くことです。その中で気になったワードは、すぐにインターネットで調べたり、書籍を購入して勉強しています。早く追いつかなければと思う反面、憧れる存在が身近にいてくれる環境って本当にありがたいなと感じます。
どの会社も会社紹介では「風通しが良い」と言いますが、IDAJは前職とは比べものにならないほど本当に風通しが良いのです。部署内、別の技術部署、技術と営業、社内の至るところで会話が発生することには驚きました。また、入社間もない頃に、エレベーターホールで社長の徐から話しかけたられたことがありましたが、これも経験がありませんでした。自分の部署だけでなく他部署の上司を含めて気軽に話しかけることができますので、とても居心地良く思っています。
特定のシミュレーション分野だけでなく、包括的な提案ができるエンジニアを目指して。
IDAJでの私のキャリアはコンサルティング/サポートエンジニアとしてスタートしましたが、一通り技術としての仕事を経験し、お客様がどういうことで悩んでらっしゃるのか、理解が深まってくると「次のステップでは、こんな解析にトライしませんか?」「こういった分析を加えると、もっと深く理解できるのでは?」と提案してみたくなりました。プリセールスつまり営業と一緒にお客様に技術提案をする仕事は、私から申し出て担当させてもらっています。私から「お客様にお伝えしたい提案がある」と営業に依頼することもありますし、逆に営業から「お客様の悩みを解決するためになにか良い提案がないか」と相談を受けることがあります。営業同行だけでなく私たち技術者だけでお客様とお話することもあり、営業と技術が一つのチームとして、スピード感を持った対応を心がけています。
お客様が抱えていらっしゃる課題をヒアリングし、課題解決に向けたご提案を手掛けるようになると、特定の分野にとらわれず包括的なご提案ができるようになりたいという次の目標ができました。合わせて1Dシミュレーションツールはシステム全体としての検討に適していますので、GT-SUITEを使って、どれだけご提案ができるかの技術の深堀りも取り組んでいきたいと考えています。
一緒に働きたいのは、“技術”に対して積極的に自ら動くことができる人。
インターンシップで来社される学生さんによくお話しするのですが、モデルを作って、計算結果を出すだけなら単なるオペレーターでしかありません。シミュレーションエンジニアにとって肝心なのは、結果に対して分析したり、物理的に考察することだと思っていますので、そこに興味がある人と一緒に働きたいですね。これは、コンサルティングの話にもつながりますが「こうしたらもっと良い製品ができそう」、「こんな解析をしたらより深い分析ができそう」というご提案につなげることが一番大切なことだと思っています。そういう意味で、情報や知識、ノウハウなどを含めた“技術”に対して積極的に自分から動くことができる人。チャレンジして、成功も失敗も吸収することで、苦手分野がなくなりますし、プロジェクトが終わる頃には得意分野のひとつになっていることだってあります。一番怖いことは情報がないことだと思いますので、自分に情報を入れてあげると自然と苦手意識が薄れていきます。「とりあえずやってみよう!」という気持ちで飛び込んでみることも大事ではないでしょうか。
(※1)MBD:Model Based Development。モデルベース開発。
(※2)CAE:Computer Aided Engineering。
記載内容は2024年3月時点のものです。