憧れの舞台でつかんだ「外商」という働き方。お客様に寄り添い、自分が磨かれていく喜びがある。

憧れの舞台でつかんだ「外商」という働き方。お客様に寄り添い、自分が磨かれていく喜びがある。

憧れの舞台でつかんだ「外商」という働き方。
お客様に寄り添い、自分が磨かれていく喜びがある。

このストーリーのポイント

  • 幼少期から親しんできた百貨店グループに、30代半ば、キャリア採用で入社
  • 会社の看板を背負いながら、外商としてお客様に接する
  • EC時代だからこそ、外商の重要性はさらに増していく

同業他社から30代半ばにしてキャリア採用で入社。不安はなく、夢をかなえた喜びで一杯の再スタートだった。担当は外商。特別なお客様のために特別なサービスを提供する、そんな仕事に大きなやりがいを感じている。

PROFILE
株式会社阪急阪神百貨店

Daisuke

ロイヤルカスタマー推進グループ
お得意様外商部 外商1部
2015年入社(キャリア採用)
産業社会学部卒

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京都府出身。新卒で他の百貨店グループに入社するものの、阪急への憧れを捨てきれずに30代半ばでキャリア採用で入社し、夢をかなえる。前職で未経験ながら外商員として再スタート、現在に至る。

阪急への憧れは消えなかった

私は京都生まれの京都育ちで、現在も京都に暮らしています。塾に通うのに阪急電車に乗ったり、近くに阪急百貨店があったりと、幼い頃から阪急は身近な存在でした。特に百貨店はキラキラとした華々しいイメージがあり、子ども心に憧れを抱いていました。
また宝塚歌劇団の世界観も大好きで、今もよく足を運んでいます。阪急グループ全体が私にとってずっと親しみのもてる存在だったのです。

就職活動の時期を迎えて、そうした憧れが入社志望へと変わっていくのは自然なことでした。仲間たちが様々な業界にエントリーシートを提出する中、私は百貨店業界に絞って就職活動を行いました。
当然、阪急が第一志望ではあったのですが、残念ながら新卒では不採用に。そこで別の老舗の百貨店グループに入社することにしました。前職の会社には、百貨店人材としての基本を身に付けさせていただくことができ、今でも感謝しています。

前職の会社に勤務しながらも、阪急百貨店の存在は常に気にしていました。そのため、キャリア採用の募集があると知ったときには、ためらうことなく応募しました。経験のない外商部門での募集ではありましたが、まったく不安はなかったです。むしろ昔から憧れていたあの阪急グループで仕事ができるかもしれないという期待で一杯でした。
幸いにも採用に至ったのは、やはり阪急グループに対する熱い想いが通じたのだと思います。どうしてもここで働きたいという熱意を評価していただいたのでしょう。もちろん前職の会社で身につけた能力やスキルがあってのことだと思いますが。
百貨店業界は会社によってカルチャーがまったく異なります。前職の会社はクールな社風であったのに対し、阪急の場合は長い歴史に裏付けられた温かさ、穏やかさが特徴です。ただ、こうした違いに戸惑うことはなく、スムーズに溶け込めたように思います。特に外商部門は年齢層が高く、私が一番の若手。「若い人材が来てくれた」と歓迎され、あたたかく受け入れていただきました。

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会社のブランドを背負いながら

百貨店の外商とは、いわゆる富裕層のお客様を担当し、ご希望に合わせてご来店のアテンドや商品提案、決済、お届けといった商いの一連の流れを、売場のスタッフやバイヤーとも協力しながら進めていく仕事です。店外でのイベントへのご案内や、旅行先での思い出作りまで含め、あらゆるご相談を承ります。しかもお客様個人だけでなく、ご家族も含めてご対応させていただいております。
売場では、基本的には“待ち”の仕事になります。お客様をお待ちし、ご来店されてから始まる受け身の商いスタイルです。それに対して外商の仕事は1人のお客様に深く寄り添い、ニーズを引き出していく“攻め”の商いスタイルです。
それまで私には外商の仕事の経験はなかったですが、自ら仕掛けて積極的に人と関わっていくことが強みでしたので、未経験でも不安はありませんでした。

入社後の半年間はOJT(オンザジョブトレーニング)として、職場の先輩に同行しながら外商の実際の仕事について基礎から学んでいきました。多様な年代の先輩と一緒に、京都エリア、大阪エリア、兵庫エリアと、様々な地域のお客様を訪問。仕事の現場を体験させていただきました。外商は店舗を飛び出して仕事をするときは、基本的にワンオペです。先輩の指導で商品の手配や領収証の書き方など、細かな実務についても詳しく学ぶことができました。
OJTを通じて改めて感じたことは、外商という仕事の奥の深さです。
お客様は十人十色でご職業やライフスタイル、価値観も様々です。それに対して外商のメンバーもやはり十人十色。外商員の先輩方は個性豊かで、誰もが自分ならではの持ち味を大切にしています。さらには外商の仕事を支えてくれるスタッフの方も十人十色。スピード感が持ち味のスタッフの方もいれば、時間はかかっても丁寧に仕事をしたいというスタッフの方もいます。
お客様×外商員×スタッフ、すべてが十人十色の中から時間をかけて、それぞれの方との最適な関係性を築き上げていくことが最も重要なことで、非常に奥が深い仕事だと思います。

お客様に接して痛感することは、阪急阪神というブランド力の偉大さです。
「祖父の代から阪急だから」「母親が阪急を使っていたから」という方は非常に多く、世代を超えた根強いファンの存在を感じます。お客様の様々な思い出に阪急阪神が紐付いており、それが圧倒的な支持に結びついているのでしょう。
外商は、そうした看板を1人で背負って外に飛び出していくことになります。非常に責任が重い仕事ではあるけれど、それが大きな誇りにつながっています。

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一流の人々に磨かれながら

今までで一番印象に残っているお客様は、あるプロ野球選手です。私よりだいぶ年下の方ではありましたが、プロ野球界を代表するような選手でした。このように著名なお客様に対しては、来店のアテンドに工夫が必要です。事前にご自宅に訪問してご希望を伺い、ご期待に添える商品を百貨店内の一室に用意。お客様をそのお部屋にご案内して買い物をお楽しみいただきます。一般の売場だと大きな混乱を招いてしまうので、こうした方法を採用しています。
このような野球選手を含め外商のお客様は、単なる高額商品や有名ブランドという商品価値だけでは喜んでいただけません。想像を超える楽しみや喜びを感じることができることを私たちに期待してくださっているわけです。それにお応えするためにも事前のヒアリングは入念に行うことが大切ですし、それにはお客様と十分な信頼関係を築いておくことが必須です。
ご来店されたお客様が私たちの提案に感動され、喜んでくださったときは本当に嬉しく思います。

実のところ、私はプロ野球についてほとんど知識がないこともあり、この野球選手のお客様とも過度に緊張することなく接することができました。それがよかったのかすぐに打ち解け、じっくりとお話しさせていただくことができました。
一方、ある有名俳優のお客様の場合は、数年のお付き合いになる今も緊張してしまいます。ビッグネームということもありますが、東京在住の方のために、なかなかこちらから足を運べないという点も難しいところです。こうした壁を乗り越え、いかにしてお客様と距離を縮めていくかが、これからの私の課題です。

我々が体験できないような人生を送ってこられたお客様の方々と直接コミュニケーションできることは、外商の仕事の大きな魅力でしょう。仕事を通じて学ぶところは非常に多いです。仕事をしながら自分も人間として磨かれていく、そんな成長する喜びを感じています。

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外商のポテンシャルは無限に広がる

EC全盛の今、買い物はクリック一つで済んでしまいます。そんな時代だからこそ、外商に期待される価値は上がってきたと感じます。
外商とお客様は、ちょうど親戚のような距離感です。ご家族の中にある程度入り込み、生活様式や価値観を把握した上で、かゆいところに手が届く提案をするのが、我々外商です。だからお客様は何でも気軽に相談していただけ、それによって互いの信頼関係も深まっていきます。そんな関係を築けるのは、我々外商しかいないのです。
もちろんお客様のご期待に応えるには、単なる“御用聞き”ではなく、お客様の暮らしに寄り添った存在でなければなりません。ただ高額な商品を売るのではなく、お客様の暮らしを楽しいものにしていく、そんなおもてなしの心が大切です。

時代の荒波の中で、百貨店という業態は大きな変革期を迎えています。お客様と深い接点を持ち続ける外商の存在は、ますます重要なものになっていくでしょう。
一方で外商の担当者は高齢化が進んでおり、次世代の外商を育成するためにも、会社は若い人材の採用には力を入れています。
外商と聞くと高額品の購入者を対象に訪問営業するというイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょうが、これまでご紹介してきたように、外商の仕事は大きく変わってきました。モノだけでなくコトにも重点を置いたサービスを展開し、おもてなしを提供する仕事が外商の仕事なのです。
ぜひその醍醐味を知っていただき、多くの方にご応募いただければと思います。

私は阪急百貨店が大好きで、一度は同業他社に入社したものの、キャリア採用によって入社し、想いをかなえることができました。諦めなければ夢は実現できるのです。
もし好きな仕事、やりたい仕事があるなら、決して諦めることなく何度でも挑戦してください。道は必ず開けます。

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