お互いにアイデアを出し合い、美味しい作品作りに挑む。料理人としてやりたいことができるのが、ジローの魅力。
お互いにアイデアを出し合い、美味しい作品作りに挑む。
料理人としてやりたいことができるのが、ジローの魅力。
このストーリーのポイント
- 同じお店で働く二人。調理長と部下の関係を越えた信頼関係が構築されている
- 働きやすい職場だけに、若手社員も積極的に意見を発信できる
- 現状に決して満足しない。料理人としての進化に貪欲でありたいと願う
どうすればお客様が笑顔になれる食事を提供できるか。一緒に働くスタッフも気持ち良く働きながらも成長してもらうためには、どう接すれば良いのか。ジローが運営するさまざまな業態で働く調理のメンバーは、日々模索している。それぞれの仕事に対する想いや職場の魅力をお互いに語り合ってもらった。
ジローレストランシステム株式会社
今田 柊吾
ダイニング事業部 調理主任
2018年新卒入社
調理師専門学校高等課程卒。学生の頃から絵画やもの作りが得意。その才能を料理に活かしたいと調理師を目指す。西洋料理に限定せず、幅広く学んでいきたいと語る。
松井 雄三
ダイニング事業部 調理長
2016年中途入社
文学部卒。学生時代には、自分が料理人になるとは想像もしていなかった。だが、今ではもう20年近いキャリアとなる。長年の経験を活かしてジローでも後進の育成にも励む。
多様な業態で学ぶことで料理人として成長していけると確信
――ジローに入社を決めた理由は何でしたか。
今田 調理師専門学校に通っていた頃に、ジローが運営するお店でインターンシップに参加したのが入社の決め手でした。スタッフの人間関係がとても良いだけでなく、教え方も本当に丁寧だったんです。また、「時代のニーズに応えたい」という自分のやりたい料理を提供していました。その姿を見て、「自分もこういう料理人になりたい」と思いましたね。
一応、幾つかの会社の説明会にも行ってみました。でも、人事の方の対応という点でもジローが凄く良かったです。何回か説明会に参加しているうちに、顔と名前を覚えてくれていました。だから、安心感がありましたね。
松井 僕は調理人になってから、もう20年ぐらいになるけれど今までは個人店が多かった。前職も家族経営的なお店。転職を考えたきっかけは、自身の結婚と子供ができたこと。「これからは家族を支えていかないといけない」と考え、大きな会社で腰を落ち着けて働きたいと思いジローに入社したんだ。
今田 確か、松井さんは高校生の時にジローが運営するお店でアルバイトもしていたんですよね。
松井 本当に偶然。その頃は、将来料理人になろうとは思っていなかったけれどね。これも何かの縁なのかと感じた。僕がジローで働こうと思った決め手は、色々なことを学べそうな気がしたこと。僕はずっとイタリアンのお店で働いてきたけれど、ジローにはさまざまな業態が揃っているのでバリエーションが凄い。学び甲斐がある会社だと思えた。そういえば偶然つながりで、面白いエピソードを思い出したよ。
今田 何ですか。
松井 僕が高校生の時にアルバイトをしていたお店にいらした社員の方は、今でも別の店舗で働いていらっしゃる。実は僕がジローに入社した後、調理長として配属されたお店でその社員さんの息子さんが新入社員として入って来たんだ。凄い確率の出来事だなあと感心してしまった。
ジローには親子や兄弟が一緒に働いているということが意外と多い。働きやすいからなんだろうね。自分の子供にも薦められるという会社は、なかなかないと思うよ。
今田 松井さんのお子さんが、ジローに入社して僕と働くかもしれませんね。その時はしっかりと面倒見ますよ(笑)。
お互いが良きパートナー、確かな信頼関係を築く
――お二人は現在、「ナポリの下町食堂川崎店」で一緒に働かれているのですね。
今田 オープン以来ですから、松井さんとはもう3年ほどになります。最初の頃から、重要なポジションを任せてもらっていた気がします。松井さんがお休みの日には、自分が代わってお店を守る役割を担わせていただいています。
松井 別のお店でも3カ月ぐらい一緒だったよね。結構付き合いが長いので、僕は凄く頼りにしているよ。
今田 右腕になれていますか。
松井 いや、全身に近い(笑)。社内の料理コンテストでも凄く助けてもらったなあ。ベースを考えたのは僕だったけれど、今田君に色々相談したよね。恐らく、僕一人だけの力だったら最優秀作品には選ばれなかったと思う。本当に感謝しているよ。
今田 褒め過ぎじゃないですか。後が怖いです(笑)。
お客さんが美味しそうに食べてくれる姿を見るのがやりがい
――どんなところに仕事のやりがいを感じていますか。
松井 料理コンテストで最優秀賞作品に選ばれたことも一つだけれど、料理人としてのやりがいは毎日の営業だと思っているよ。お客さんに美味しい料理を食べてもらうということが、僕にとって何よりものやりがいかな。日々その積み重ねだと思っている。
今田 以前働いていた、ピッツェリアの「マッテオ銀座店」ではランチで毎日来店してくれるお客さんがいました。それでも、いつも「美味しい美味しい」と言ってもらえるんです。それなら「今度はもっと美味しくしてあげよう」「次はテイストを変えてみよう」と思ってしまいます。そういうコミュニケーションを図るのが、料理人としてのやりがいだと思っています。このお店も割とキッチンから店内が見えるので、「お客さんがどんな顔をして食べているんだろうか」と気になります。実際、美味しそうに食べてくれていたりすると調理をしていて良かったと思いますね。
松井 これは良い意味でのギャップだったんだけれど、ジローは意外と手作りの商品が多いよね。しっかりとした料理人がいなければ成り立たないお店だという気がする。だからこそ、僕も自分が培って来た経験やスキルを発揮できるので嬉しいよ。正直言うと、入社前は既製品を中心に使っているのではと思っていたんだ。大手企業だとあったりするからね。
調理長に仕事ぶりから多くの気付きを得る
――逆に、料理人として苦労されたことはありましたか。
今田 今でこそ慣れてきましたが、入社して半年ぐらいで調理長がお休みの日にお店を回すポジションになっていたので大変でした。「どう切り盛りしていけば良いか」「どんな料理を出すか」「アルバイトスタッフにどう教えていくか」…。その辺りは悩みました。それを乗り越えることができたのも松井さんのおかげでした。3カ月間一緒にお仕事をさせてもらった時の話です。
松井 何かアドバイスをしたかな。
今田 いや、僕に対するアドバイスはなかったです。ただ、松井さんが日頃からスタッフの目線に合わせて教えていたのを何度も見聞きしていました。「こうやって指導すれば良いのか」と痛感しました。本当に、松井さんの仕事ぶりを見て学ばせてもらったという感じです。
松井 おいおい、今度は褒めの逆襲になっているぞ(笑)。
今田 心から思っていることですよ。松井さんは経験者としての入社でしたが、プレッシャーはありましたか。
松井 最初はあったかなあ。でも、自分が積み重ねてきた料理に対して自信があったし、この会社に長くいれば慣れてくるので、そこは問題なくできたと思っているよ。
スタッフ全員が伸び伸びと仕事ができる職場を目指す
――お互いの印象、関係について教えてください。
今田 松井さんは、良い意味で上司っぽくないです。後輩一人ひとりの立場や性格を踏まえて適切にアドバイスしてくれたり、「こういう方法もあるのでは」と新たな気付きを与えてくれます。普段から人を良く見ているなあと感心しています。
松井 今田君は、僕にとっては息子みたいな存在です。かなり長い時間一緒にいるし、調理する空間も狭いので距離感が密になります。今田君の良いところは、何事にも学ぼうという姿勢に溢れていることです。一つひとつをしっかりと自分のものにしていけるので、見ていて嬉しくなってきます。成長も感じます。成長しすぎて、最近は少し生意気になって来たかな(笑)。
今田 そうですか。
松井 それは冗談。もともと、料理人はそれぞれのスタイルがあるから、意見がかみ合わないこともあったりする。今田君なりに学んで来ていることも沢山あるから、自分の意見や考えを持っていて良いと思うよ。
今田 自分は入社後、さまざまな店舗を経験しました。それぞれの調理長の仕込み方やアレンジの仕方などは全く異なっています。だから、自分から見て良いところだけを勉強するようにしています。当然ながら、松井さんとはやり方が違う時があったりします。その場合は、はっきりと言います。「こういう風に思っているのですが、どうですか」と。
松井さんの素晴らしい点は、意見を受け入れてくれることです。「やりたいようにやって良いよ」と背中を何度も押してもらいました。その度に、「少しは信頼されているのかな」と嬉しくなりました。
松井 もちろん、筋違いなことに対しては「それは違う」と言うようにしているよ。逆に、今田君の提案に僕が学ぶこともあったりするんだ。昔の調理長は、「俺の言うことを聞いていれば良い」という人がほとんど。それだと、下の子が委縮してしまったり、成長の芽が摘まれてしまう。僕はそれはしたくない。部下が伸び伸びと仕事ができる職場にしたいと思っている。そのおかげで、こんな生意気な息子になってしまったんだけれどね。
今田 松井さんには感謝しています。料理はもちろんですが、イチバンは人との接し方です。働く上ではコミュニケーションは欠かせませんからね。勉強になります。例えば、3カ月に1回旬のメニューに変えていますが、何品かは採用してもらえるようになりました。
松井 いやあ、今田君の提案力や着想力、表現力は素晴らしいよ。僕が得意とするイタリアの郷土料理は味が良くても、見た目に鮮やかさがないんだけれど、今田君は盛り付けや色使いが上手い。なので一緒にメニューを考えるのが楽しくなってくるよ。二人で一つの商品を作り上げているイメージかな。
料理人としてさらに成長し、飲食業界をもっと盛り上げたい
――今後のビジョンや学生へのメッセージをお聞かせください。
今田 今年の春から調理主任に昇格しますが、やはり調理長になるのが大前提です。それだけでなくて、後輩から「一緒に働きたい」と思ってもらえる人になりたいと思います。そのためにも、他のジャンルも含めて料理をもっと勉強していきたいです。それぞれの良いところを組み合わせて自分なりに昇華させていく必要があります。
松井 多様な業態経験を積むのは、プラスだと思うよ。僕は調理指導員の資格試験に合格したので、今後は複数店舗を面倒見なければいけなくなるかもしれない。そのためにも、お店を運営していくスキルをもっと高めていかないといけないと思っているよ。
今田君は今の時点でもすごく頑張ってくれている。その気持ちを忘れずにいてほしいなあ。僕は一度料理の道を諦めたことがあるんだ。でも、今田君はモチベーションを保ち続けているんだからね。やりたいことがあるならどんどんやった方が良いよ。それができるのがジローの魅力だからね。色々なことを学べると思うよ。
今田 自分から見たジローで働く良さは、丁寧に教えてもらえることです。イチから指導してもらえます。教えてもらったことを吸収していけば、確実に成長していけます。
松井 僕は飲食店をもっと盛り上げていきたいんだよね。こんなに素晴らしい職業はないと思っている。自分が作った料理をお客さんがその場で美味しそうな顔をしながら食べてくれる。生産と消費がこれほど近い距離にある仕事は他にないだろうね。お互いに頑張っていこうよ。
今田 自分も同感です。同じ想いを持った人たちと一緒に飲食業界を元気にしていきたいです。