リーダーが変われば組織も変わっていく。支店長として取り組む、お客様起点の営業スタイル。

リーダーが変われば組織も変わっていく。支店長として取り組む、お客様起点の営業スタイル。

リーダーが変われば組織も変わっていく。
支店長として取り組む、お客様起点の営業スタイル。

このストーリーのポイント

  • リーマンショックを機に、自分の価値とは何かを考えるようになる
  • 拠点開設準備を通じて、リーダーの仕事の醍醐味を知る
  • お客様、そして社員に寄り添い変化を起こす

“何のために”と自問しながら過ごした新人時代。その中で見つけた「お客様のために」という視点を大切に、前線で成果を上げる。現在は支店長として、社員一人ひとりの育成に全力で取り組む。

PROFILE
大和証券株式会社

佐保 勝彦

多摩支店 支店長
2006年度入社

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入社後、鹿児島支店、大阪支店、京都支店、草津営業所長を経て、2022年10月より現職。営業職一筋にキャリアを重ね、若手の育成にも定評がある。

お客様にとってのあるべき姿を考える

私は福岡県の出身で学生時代も福岡で過ごしていました。そのため入社後、鹿児島支店に配属が決まったときは、何となく土地勘もあるということで安心感がありました。
ただ、仕事の面では苦しい毎日が続きました。金融業界を志望したのは、高校時代に金融の仕組みに興味を持ったことがきっかけでした。学生時代も金融について勉強していて、そういった知識を活かした仕事をイメージして入社しました。しかし、実際は新規開拓先を巡っても門前払い。訪問の途中、車を運転しながら「自分は、何をやっているんだろう」と思ったこともありました。
新人ですから新規開拓がうまくいかないのは当然なのですが、それでモチベーションも下がって、さらに結果が遠のくという悪循環。今振り返ると、努力不足だった当時の自分を思い出します。

そんな日々でしたが、不思議と会社を辞めようという気持ちにはなりませんでした。私はずっと野球をやっていて、決められた練習は絶対にやり続ける習慣が身についていました。千本ノック自体は辛くても、途中で辞めようという気にはならないんです。ですから新規開拓のために訪問を続け、電話をかけ続けることは大変ではあったものの、それを投げ出そうとは思いませんでした。

そんな日々が変わったのは、3年目のことでした。
苦しい中でも努力を続け、仕事のやりがいを感じ始めた頃に「リーマンショック」と呼ばれる金融危機が発生。株の大暴落によってお客様の資産は大きく目減りしてしまい、これまで築き上げたお客様との信頼関係も失われてしまったのです。厳しい言葉もいただき、とてもショックだったことを覚えています。ですが、お客様の資産をお預かりしている以上、落ち込んでいる暇もありません。
そこで私が考えたのは「今一体何が起きているのだろうか」ということです。金融についてとことん勉強し直して、今の状況を正しく理解し、その上でお客様のために何をすべきだったかを考えました。
世の中で大きな変化が起きるとき、真っ先にその影響が現れるのが金融市場です。それが醍醐味であり、だからこそお客様のために我々が力になれるはずだと考えました。お客様は我々に何を求めているのか、それに応えるために私自身はどうあるべきかということも真剣に考えました。この時に、こういった考えに至ることができたことが、私にとって大きな転機でした。

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未開の地に新たな営業拠点を築く

次の転機が、草津営業所の開設準備に携わったことです。
大和証券では営業拠点がないエリアに進出する際、3年ほどかけてその準備を行います。私は開設準備の陣頭指揮を担い、滋賀県の草津市で顧客基盤を築くための新規開拓に取り組むことになったのです。
このとき私は、入社2、3年目の若手社員を率いて一緒に歩き回りました。私自身が新人の頃に仕事がうまくいかずに悩んでいましたから、日々、彼らの抱く思いも手に取るように分かりました。当時の私が金融市場の面白さに気づいたように、彼らにもこの仕事の面白さに気づいて欲しい。そういう想いで、金融市場のダイナミックさや証券会社のミッションなどを語りかけ続けました。彼らとは新規開拓のために一日中一緒に仕事をしていたので、長い時間をかけて共に語り合い、彼らのモチベーション向上を促しました。
もちろん1人ひとり、考えていることや個性、価値観は異なります。誰かに響いた言葉が、別の誰かに刺さるとは限りません。ですから常に彼らの思いを推し量りながら、言葉をかけることを心がけました。この体験が、支店長としての私の基礎になったことは間違いありません。

営業基盤のないエリアに出向き、一から地盤を築いていくという体験は、誰にでもできることではありません。私にとっては素晴らしいチャレンジの機会でした。
加えて、自分が先頭に立って若手を率いていくことで、リーダーとしてのトレーニングもできました。リーダーの行動や言葉、立ち振る舞い、後輩への接し方でチームがどんどん変わっていく経験は、私にとって大きな財産となりました。

自分たちで切り拓いた市場に営業拠点として新たに誕生したのが草津営業所です。私はそのまま営業所長に就任。その後も変わらず共に働く仲間を巻き込み、営業基盤の拡大に尽力しました。そういった取り組みにより、営業所長表彰において最優秀賞を受賞することもできました。
営業所長としての経験が、現在の多摩支店長というステップアップにつながっているのだろうと感じます。とはいえ、支店長になるにはもう少しキャリアを積んでからと思っていましたし、草津営業所でもうちょっとやってみたいという思いもありましたので、多摩支店への異動を命じられたときは驚きました。もちろん自信はありましたし、引き続き新しいチャレンジが始まった感覚でした。

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部下に語り続けたことで変化が生まれた

九州で生まれ育ち、関西での仕事の経験が長かった私にとって多摩支店は未踏の地。すべてが新鮮でした。リタイア世代のお客様が多く住むエリアで、概して穏やかで優しい人が多いという印象を受けました。
赴任に際して私が強く思ったのは、「商品を売るために仕事をするのではなく、お客様のために仕事をする支店でありたい」ということです。もちろん当社の業績を伸ばすことは重要ですが、それは会社起点の考え方です。お客様の信頼を得るにはお客様起点で取り組むことが絶対に必要で、そこは妥協したくないと考えました。
ですから多摩営業所に赴任した初日に、部下の課長に対して「実績だけを追求した仕事は一切しません。お客様のための仕事しか認めません。」と宣言しました。課長にとっては、もしかすると想定外の言葉だったかもしれません。

お客様起点の考え方を徹底させるため、毎日の朝礼やチャットなどを通じて、常にメンバーに語りかけました。基本にあったのは、ゴールベースアプローチの考え方です。
お客様の目指すゴールとは何かを明らかにし、その達成のために私たちに何ができるかを考え、それをお客様に提案する。そのプロセスを省いて営業したところで、お客様が大切な資産を私たちに預けてくれるわけがありません。「お客様のために」という想いが伝わり、お客様の腑に落ちるからこそ、お客様から資産管理を任せていただけるわけです。
もちろん改めて考えればそれは当たり前のことですし、「お客様の資産価値最大化」という大和証券グループの経営理念に即しても当然のことです。しかし、営業現場では時として、その当たり前が「きれいごと」のように捉えられる局面があるのも事実だと思います。それでも私は諦めずに日々繰り返して説き続け、変化が生まれてきたのは半年ほど過ぎた頃です。

世間一般的には証券営業という職種に対して、会社が指定する商品の魅力を饒舌に語り、より多く販売する社員がトップセールスになるというイメージがあるのではないかと思います。ですが最近では、聞き上手で物腰の柔らかい社員が実績を上げることが多くなっています。じっくりとお客様の言葉を聞くことで次第に信頼されるようになり、預けていただける資産も増えてくるということです。
お客様の求める営業スタイルへ変化することにより、もたらされる結果は大きく変わります。その違いを肌で感じたメンバーも「自分もやってみよう」と考えるようになり、徐々に実績を伸ばす社員が増えてきました。まさにジワジワという感じで多摩支店全体の意識が変わり、行動が変わり、今までにない結果を出すことができていると感じます。これは私の手腕というよりメンバーのポテンシャルが素晴らしかったことの証明でしょう。

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他の支店でも成果を上げ、会社に貢献したい

トップが変われば組織も変わるものです。私はそれを多摩支店で自ら実感しました。この成功体験を踏まえ、今後はこうした取り組みを全社に広めていくことができればと考えています。
多摩支店の成功を一つの拠点に留めるのではなく、全社的に波及させて大和証券全体に良い変化をもたらすことができたらとても嬉しく思います。その起点になることで私自身のやりがいも大きくなるでしょう。大和証券が少しでもよくなるために自分の力を役立てられたら、こんなに嬉しいことはありません。

私自身、仕事をする上で金融市場への興味は依然として根底にあります。どんな業務に就くことになろうともこの点は変わらないと思っています。

自分の興味を持ったことには前向きに取り組むことができると思いますので、学生の皆さんにも興味を持てることをぜひ仕事にしていただきたいですし、それが金融市場であれば嬉しいですね。

営業スタイルがお客様起点へと変わってきたのと同様、人材育成も変わってきたと思います。昔は「仕事は先輩の背中から盗め」「自分の力で這い上がってこい」という側面があったのも事実でした。しかし現在は、1人ひとりの個性や価値観を尊重しながら大切に育てていくことを基本としています。お客様に寄り添って提案するように、部下に対しても寄り添いながら本人の想いを大切にする指導を続けていきたいと思います。

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