
大和証券ならではの“資産コンサルタント”の育成。お客様の資産価値最大化への貢献を目指す。
大和証券ならではの“資産コンサルタント”の育成。
お客様の資産価値最大化への貢献を目指す。
このストーリーのポイント
- お客様が“主語”の時代に求められる、新しい営業スタイル
- 他社に先駆けてNPS®を導入し、改善サイクルを構築する
- お客様とのより良い関係構築のために
NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズの登録商標
“営業”から“資産コンサルタント”へ。大和証券が推進中の大和版NPSが目指すのは、時代の変化に即応した新しい営業担当者像の確立である。その推進役が、狙いや手応えなどについて語る。
大和証券株式会社
白川 智絵
NPS推進部長
2000年入社
一般職で入社し、茅ヶ崎支店に配属。上司の勧めで総合職に転向し、ウェルスマネジメント部(当時)、高岡支店、浜松支店を経て2024年10月より現職。
お客様に伴走するスタイルへ
私が茅ヶ崎支店でキャリアをスタートさせた頃と現在では、営業職のあり方も大きく変わりました。最も大きな変化は、“主語”がお客様になったことです。
かつては投資信託などの商品が先にあり、「その商品を買っていただけるお客様を探す」という考え方でしたが、現在はその逆。まずはお客様の目指すゴールを伺い、ご家族構成や資産状況を深く理解した上で、「ゴール達成に向けてお客様と一緒に歩んでいく」姿勢に変わっています。
2017年の金融庁による「顧客本位の業務運営に関する原則」公表を受け当社では、お客様を第一に考えた商品・サービスを提供していくため、「お客様第一の業務運営に関する方針」を策定しました。これは「お客様からの信頼こそが、大和証券グループの基盤である」という当社の企業理念に基づくものです。
そして、この「お客様第一の業務運営」を大和証券ならではの企業価値とすべく、2018年より大和版NPSを導入し、より高次元な「お客様本位」の実現に向け様々な取り組みを、現在に至るまで一貫して行っています。
このような大きな変革を迎えていた当時のことを振り返ると、高岡支店でお付き合いのあったご高齢のお客様のことを思い出します。この方は経営されている会社について、このまま息子さんに継承させることが正解なのかどうかと案じていらっしゃいました。担当者に同行しお客様との面談を通じて、資産運営のご相談を承る中で事業継承についてのお悩みも耳にし、事業拡大のためにはM&Aが最適なのではないかと考えました。
以前の営業スタイルでしたら単なる商品提案で終わっていたかもしれませんが、一歩踏み込んでご相談をお伺いできたことでお客様にとって、より良い選択のお手伝いをすることができました。その結果として、事業の売却資金を当社にお預けいただくことにもつながりました。まさに、お客様にとっても、我々にとってもWin・Winと言える良いご提案となったと思います。
他社に先駆けたNPSの導入と独自システムの構築
新しい営業のスタイルを推進する上で最も大きな転換点となったのが、大和版NPSの導入です。
2017年より準備を進め、2018年より本格始動することとなりましたが、これは国内の証券業界では最も早い時期のチャレンジでした。
NPS(Net Promoter Score)は「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、お客様の満足度(ロイヤリティ)を図る指標です。大和証券では、NPSアンケートで得られた結果やお客様の声を、担当する営業店へフィードバックすることはもちろんのこと、商品・サービスの開発を行う部署でも共有し、さらには全社的な改善活動に発展させています。
大和版NPSが導入された2018年当時、私はウェルスマネジメント部員として営業店のサポート業務に従事していたのですが、非常に画期的な取り組みだと感じていました。もちろんお客様の声をヒアリングすることは以前から行っていましたが、それを全社的な改善活動のサイクルに組み込んでいくという考え方は全く新しいものでした。会社が本気で変わろうとしていると強く実感したことを覚えています。
大和版NPSを展開する上で導入されたツールもあります。
例えば「資産管理レポート」。証券会社が発行する報告書類は、運用になじみのないお客様にとって理解しやすいとは言い難い側面があります。そういったお客様の声を受け、まずはじめに、お客様の資産状況をわかりやすく可視化するためのレポート機能を開発しました。
そして、「フューチャー・デザイナー ~未来のカルテ~」も導入しました。このサービスを活用することで、現状分析から投資意思決定のサポート、運用状況のモニタリングまで、資産運用のあらゆるシーンで最適なソリューションをご提案する「資産運用プランニング」と、お客様からお伺いした「相続に関するお考え」や「保有財産の状況」などをもとに相続税シミュレーションを行ない、円滑な財産承継に向けた課題とその対策をご提案する「財産承継プランニング」の2つのプランニングが、短時間で作成可能となりました。
大和証券では、これまでも担当者一人ひとりのたゆまぬ努力により質の高いコンサルティングの提供を実現してきましたが、これらのツールを加わえることで、営業品質をより一層高めることができているように感じます。
お買付けいただいて終わりではない。むしろそこがスタート
現在、私はNPS推進部長として、大和版NPSを起点に総資産コンサルティングを全社的に浸透させ、大和証券の営業品質を向上させていく業務に取り組んでいます。
大和証券グループでは中期経営計画~“Passion for the Best”2026~を掲げる中、「お客様の資産価値最大化」をグループ経営基本方針としています。私の取り組んでいることもまさしくこの基本方針に紐付くものであり、大きな使命感を持って注力しています。
私たちのビジネスはお客様に商品をお買付けいただいて終わりではなく、むしろそこからがスタートです。お客様に伴走し、ご家族構成やライフスタイルの変化に際してはしっかりと対話を重ね、さらなるコンサルティングへと展開していきます。
大和版NPSの取り組みは、改善を加えるべき点も多々ありますが、手応えは十分。いい報告も耳にしています。
大和証券以外の金融機関にお預けいただいている資産についてもご相談をいただき、当社口座に資産を移していただいたというケースはその代表的なものでしょう。お客様が大和証券に対して信頼し、満足してくださっていることの表れです。こうした取り組みが非常にうまく進んでいる支店も数多くあり、成功事例を他支店へ展開するための仕組みづくりを進めています。
最近では、上席者によるコーチングを重要視しており、お客様を訪問する前にどのようなヒアリングをすべきか、上席者が一緒に考えて指導しています。また面談後にも、お客様からお聞きした内容をもとに、今後どのようなコンサルティングがお客様にとって必要なのかを共に考察しています。ヒアリングにはお客様との信頼関係が前提となりますから、すぐにお客様のお悩みをすべてお聞きすることはできないかもしれません。お客様によりご満足いただけるコンサルティングができるよう、社員一人ひとりのスキルアップを図っていきたいと考えています。
目指すのは「お客様の資産価値最大化」
私たちが目指しているのは、先ほどもお話しした「お客様の資産価値最大化」です。
もちろんその意味するところは、お客様によって異なります。「大きく利益を上げたい」というお客様もいらっしゃれば「じっくりと増やしていきたい」というお客様もいらっしゃる。相続対策や事業継承など、次の世代へつないでいくことを重視されるお客様も少なくありません。
日本経済が失われた30年を経てインフレ局面へと転じる中、貯蓄から資産形成への流れは加速しています。家計における現預金は1100兆円にも達している一方で、これまでにない資産形成への関心の高まりも感じています。その価値の最大化に貢献することが、これから私たちが目指すWin・Winの世界です。
そして他社に先駆けてNPSを導入したものとして、業界全体にインパクトを与え、さらなる発展に寄与していきたいと考えています。
私のキャリアで一番長かったのはウェルスマネジメント部です。ここでの業務はまさに総資産コンサルティングで、富裕層のお客様が抱える課題に対して相続や事業承継、不動産投資、M&Aなどのソリューションを提案してきました。その際に得たナレッジを現場の資産コンサルタントに向けて発信することで、成長を後押ししたいと考えています。
また、支店長として多くの営業担当者に接してきた経験をベースに、社員一人ひとりの満足度向上にも取り組みたいと思います。
大和証券グループは「信頼の構築」「人材の重視」「社会への貢献」「健全な利益の確保」を企業理念に掲げています。特に社員同士のつながりを大切にしており、そのつながりがグループとしての強みを醸成しているのだと感じています。
仕事をする上で思うようにいかないことは当然ありますが、その際には必ず誰かが手を差し伸べ、励ましてくれるでしょう。そうした環境の中で自分を磨き、成長を続けたいという方に、ぜひ入社していただきたいと考えています。