お客さまと信頼関係を築き、課題解決を通じて長く伴走する提案型営業
お客さまと信頼関係を築き、課題解決を通じて長く伴走する提案型営業
このストーリーのポイント
- 社会人経験を積むことを重視し、キヤノンシステムアンドサポートに入社
- ソリューション営業の醍醐味、お客さまとの信頼関係の大切さ
- 大切なことを包み隠さず伝える、後輩への思い
キヤノンはカメラやプリンター・複合機などのメーカーとして知られるが、キヤノンシステムアンドサポートは、キヤノン製品やITソリューションの販売・保守サービスを全国で展開している。当社のソリューション営業は、お客さまの課題をヒアリングし、最適な商品を選定・提案することで、お客さまと長期的な関係を築くのが強みだ。「お客さまの進化を支援する」ソリューション営業職の魅力に迫る。
キヤノンシステムアンドサポート株式会社
K・S
ソリューション営業
2009年新卒入社
愛知県知多郡出身。教育学部卒。大学卒業後は教員志望だったが、一度社会人経験を積むことを決意して入社。商品知識をたくわえるとともに、顧客の課題解決につなげる提案型の営業スタイルで継続して優秀な実績をあげている。休日はゴルフを楽しむ、2児の父だ。
教員の道に心惹かれながらも社会人としての第一歩を踏み出す
高校時代から、将来は教員になりたいという希望がありました。母校へ教育実習にも赴き、教員免許も取得しましたが、このまま学校という閉鎖的な環境に飛び込むことにためらいが生じてきました。勉強を教えるだけでなく、将来の進路や人生についてもアドバイザーであるためには、社会に出て幅広い経験を積んでからのほうが良いのではないかという思いです。
そのため教員採用試験を受ける傍ら、並行して一般企業の就職活動も進めていました。特定の業種や職種にこだわっていたわけではなく、キヤノングループということから当社に関心を持つようになりましたが、対応してくれた面接官の人柄のよさや、社屋に入った時の明るい雰囲気が非常に魅力的でした。いくつか企業の選考が進んでいましたが、最終的には「人」が決め手となり、内定をもらった時点で入社を決意していました。
しかし、当時の目標はあくまでも教員でしたので、1~2年で辞めるつもりだったというのが本音です。ただ、大学時代の尊敬する先輩に「周りから必要とされ、辞めてほしくないと思われるようになってから去ろう。それがかっこいい」と教わったため、自他ともに認められるような成果を残してから退職するという条件を自らに課していました。単純な理由ですが、負けず嫌いな性格の私は、絶対にこの言葉を守ろうと誓い、社会人としてのスタートを切りました。
私の仕事は、お客さまの課題をヒアリングし、さまざまな商品・サービスを導入いただくことでお客さまの業務課題を解決することです。当社が取り扱う商品・サービスは多岐に渡りますので、複合機をはじめ、セキュリティ対策やITインフラなどシステム全般に関わる知識が求められます。当時、愛知県内の企業の担当として配属された私は、誰よりも良い営業成績を残したいと張り切っていました。
既存のお客さまはもちろんですが、新規のお客さまへの営業活動も私たちソリューション営業の仕事です。新規のお客さまから、すぐにその場でご契約をいただけることは少ないので、当時は会ってくださるお客さまのもとに足繫く通っていました。今では当たり前のように使っているスマートフォンのナビ機能もなく、地図帳を片手にオフィス街を行ったり来たりしていたのを思い出します。
最初は営業で使う専門用語が分からず苦戦しましたが、先輩に質問したり、カタログを読み込んだり、人一倍努力を重ね、まずまずの営業成績をあげられるようになりました。ただ、全社の営業トップになって惜しまれながら退職することを目標としていたので、正直なところ悔しさもありました。
お客さまとの信頼関係こそが営業の生命線。積み重ねてきた努力が実を結ぶ
入社3年目からは、教員になりたいという思いはなくなり、この会社で自分自身を成長させたいという気持ちが強くなっていました。営業の仕事は奥深く、何と言っても中小企業のお客さまとの距離が近いことが当社の特徴です。一から深い関係を築くことができるので、自分自身が懇切丁寧な対応をすることで、お客さまも信頼してくださいますし、私たちがお客さまから教えていただくこともたくさんあります。そういったことから、当社の営業の仕事にやりがいや面白さを感じるようになりました。また、上司や先輩との人間関係がよかったことも、この会社で長く働きたいと思った大きな要因です。社内には、フラットな雰囲気で誰とでも話しやすい、相談しやすい雰囲気があります。上司や先輩から「肩に力を入れ過ぎずにもっとリラックスして伸び伸びと営業したほうが良い」というアドバイスをもらったのが印象的で、就活生のときに感じた「人」の魅力は、今でも変わりありません。
配属当初からさまざまな企業を訪問しましたが、ある建設業の経営者の方には、特に営業としての基礎を教わりました。既存のお客さまだったので、複合機やIT機器など、すでに様々な商品を導入いただいていましたが、できるだけ頻繁に顔を出すようにしていました。新入社員の私にも、新人営業としてではなく1人の営業担当として接していただき、「顧客との約束を守ること」「コツコツと仕事を継続すること」の大切さを教えてくださりました。
長く同じお客さまのもとに通い続けていると、機器の入れ替えのタイミングが来るなど、お客さまの環境にも変化が現れるものです。お客さまとの会話から抱えている課題やニーズをくみ取り、最適な提案へと繋げていきます。このパターンが営業の王道とも言えるスタイルです。ゆえに、多くのお客さまのことをよく知ったうえで、適切な商品知識が加わることで、お客さまにとって最適なソリューションを提供することができます。先ほどの建設業の経営者の方からも、機器の入れ替えの際「これまで熱心に通ってうちの話を聞いてくれていたからね、全部御社に任せるよ」と言っていただきました。新入社員のときから重ねてきた努力が一気に報われた思いでした。もしすぐに辞めていたら、味わえなかった醍醐味でしょう。心の底から嬉しかったのを今でもよく覚えています。
一方でお客さまの中には、信頼を獲得するのが難しかった厳しいお客さまもいらっしゃいました。他社の営業担当も恐れるような方で、最初は中々取り合ってもらうことができませんでした。正直何度も諦めようと思いましたが、誤解のないように入念な説明をしたり、ご契約いただけた際も納期の遅れなどが起こらないように、いつも以上に慎重な準備を重ねたり、1つ1つ丁寧な対応を心がけました。そういった私の対応が認められ、新たなオフィスが拡張するときには、追加で注文をしてくださるようになりました。ごまかしたり、とりつくろったりせずに、真っ向からお客さまと対峙することで、信頼が積み重なっていくことを教わったように思います。
正しい商品知識とお客さまにあわせた提案を行ってほしい。後輩からの個別相談に応える思い
現在は役職も上がり、後輩の指導にも力を入れています。今の私があるのは、かつて先輩から手厚く指導してもらったおかげなので、同じように懇切丁寧に教えることを心がけています。特に商談の進め方については、自分自身の財産を伝えるつもりでアドバイスをしています。
「営業は質とともに量が大事だ」と言われることに異論はありませんが、量をこなすだけでなく、継続して成果を出すためには常に改善が必要です。何も考えずに量だけを追い求めて、同じ失敗を繰り返すことほど無駄なことはありません。商談がうまくいかなかったら、何が原因なのか、それはどうすれば改善・解決できるのかを考え、実践し続けるのです。他人や環境のせいにするのではなく、自分にベクトルを向けて考えることがとても大事だと思います。
私たちが取り扱っている商品は多岐にわたり同じ商品だとしてもお客さまごとに用途が違います。お客さまの数だけニーズが異なり、商談のたびに説明すべき内容が変わるといっても過言ではありません。
訪問後は商談の内容を必ず振り返って、少しでも自分が説明できなかった内容があれば、同僚や技術部門などにも必ず聞くようにしてきました。その積み重ねのおかげで、営業所で誰にも負けないぐらいの知識を身につけることができました。そういった背景から、後輩が個別の案件で「○○さんだったらどうしますか」と、アドバイスを求めてきます。そのときは必ず自分なりの作戦を授けていますし、それがうまくいったときの報告を受ける気分は格別です。
当社のソリューション営業職は、お客さまと長期的にお付き合いできることも魅力です。これだけ社会や技術がめまぐるしく変化する中で、それぞれのお客さまがITの課題を自社だけで対応するのは困難です。会社のミッションでもある「お客さまの進化を支援する」ために、商品やサービスとともに、自分たちもアップデートしていかなければなりません。
1人のプレーヤーから、今はメンバーをマネジメントする立場にもなりましたが、単に商品を売るのではなく、お客さまと共に自らも成長していく喜びをこれからも伝えていきたいです。