失敗しない、就活メールの基本マナー

失敗しない、就活メールの基本マナー

書類審査や面接など就職活動中は、企業担当者と直接メールのやりとりをする機会が少なくありません。ところが、送られてきたメールを見ると、社会人に通用するきちんとしたマナーを理解している就活生は意外に少ない印象があります。メールのやりとりの段階でつまずかないためにも、就活に役立つビジネスメールの作法について、基本から確認していきましょう。

「誤字・脱字」は目に留まりやすい

就活生にとって、メールは企業との連絡に欠かせないツールのひとつになっています。就活シーズンが始まると、企業の採用担当者のもとには膨大な量のメールが届きます。数多くのメールに目を通していくなかでも、基本マナーが守られていないメールは目に留まりやすいと言います。

一般的なビジネスメールに関する調査によると、1年間に仕事でメールをやりとりするうえで、半数を超える人が「相手のメールの基本的なミスに気づいている」といいます。そうした失敗のなかで、最も多いのが「誤字・脱字」です。そのため、就活メールでのタイプミスや変換ミスによる誤字や脱字は、企業担当者に見抜かれていると考えたほうがよさそうです。

そうしたうっかりミスを防ぐためには、普段からメールを送信する前に、必ず自分の書いた文章を読み返す習慣をつけておきましょう。とくに、面接の日付、時間、曜日の入力ミスをした場合には、誤りに気づいても再設定してもらえない可能性もありますので、入念に再確認しましょう。

就活生が気を付けるべき基本マナー

メールのやりとりでは、お互いに顔も見えなければ、電話のように声を聞くこともできません。メールでの表現が、第一印象を左右してしまうケースもあるでしょう。ビジネスメールに慣れていない就活生の場合、知らず知らずのうちに失礼な表現を使用していることもあるようです。失礼にならないメールの表現について、おさらいしましょう。

社名は企業の顔、失礼のないように

宛名は、正式名称で記載するのが鉄則です。相手企業の社名、部署名、役職名、担当者名の順に記します。ビジネスメールでは、相手に配慮する姿勢が基本ですから、株式会社を「(株)」と省略する、担当者名が分かっているのに省略するといった行為は、失礼にあたります。株式会社の場合、株式会社◯◯(いわゆる前株)なのか◯◯株式会社(いわゆる後株)なのかについても、しっかりと確認しましょう。

書き出しは定型文ですっきりと

メールの書き出しは、簡潔に記すのがポイントです。本文に入る前に、挨拶の一文、名乗りの一文、お礼の一文(特にない場合には省略)を述べます。具体的には、次のような流れになります。

  • 挨拶の一文:「はじめまして。」「お世話になっております。」など 
  • 名乗りの一文:「△△大学△△学部△△学科の◯◯◯◯と申します。」
  • お礼の一文:「先日は面接のお時間をいただき、ありがとうございました。」

メールの書き出しでは、手紙文のような時候の挨拶は必要ないとされていますので、あれこれと悩まず、定型文ですっきりとまとめるとよいでしょう。

用件は読みやすく簡潔に

好印象を与えるビジネスメールについて、「文章が簡潔で理解しやすいこと」(一般社団法人日本ビジネスメール協会の「ビジネスメール実態調査2018」における調査結果では65%以上が回答)が挙げられています。メール本文ではとにかくぱっと見て、何が書かれているのかが理解できる読みやすさが重要です。文章を読みやすくするには、次のような配慮を心がけましょう。

  • 一文を長くしすぎない(1行30文字程度)
  • 読みやすい位置で改行する
  • 空白行をはさむ(段落にあたる箇所)

用件が複数ある場合には、本文のはじめに、「質問が◯件あります。」と先にひとこと添えておくと、読み手側も見落としが少なくなるでしょう。

結びまで抜かりなく

メールの最後は結びの定型文で締めくくり、署名を入れます。就活中、署名は繰り返し使用することになるので、あらかじめ用意して登録しておきましょう。絵文字や顔文字が入った署名をうっかり送ってしまうような恥ずかしい失敗をしないためにも、就活用の署名はプライベート用の署名としっかり区別しておきましょう。

社会人も見落としがちなルール

日常的にビジネスメールのやりとりに慣れている社会人でも、70%の人が自分のメールがきちんと書けているかどうかに不安を抱いているといいます。そんな社会人でも守れていないことのあるメールのルールについてみていきましょう。

件名は変更する?しない?

企業担当者からのメールに返信する際、基本的に件名は変更しないほうがよいとされています。例えば、件名の後ろに名前を入れて返信するようにといった指示がある場合には、その指示にしたがいましょう。

返信のタイミング

調査によると、メールの返信を1日より長く待てる人は全体の4分の1しかいないという結果が出ています。メールの返信は早いに越したことはなく、できれば24時間以内に行うのがマナーの範囲内といえるでしょう。返信に時間を要する内容の場合には、メールの受領と次の返答までにかかるおよその日数を返信しておくと、相手も安心して待つことができます。

敬語の誤用

使い慣れない敬語を使用する際は、二重敬語になったり、尊敬語と謙譲語の区別があやふやになったりしないように気をつけましょう。部長や課長といった役職名はそれ自体が敬称であることから、「様」をつけると二重敬語になるため誤りです。また、「ご苦労様です」は、目上の人が目下の人に対して使用する言葉かけですので、うっかり使用しないように気を付けましょう。

日常からの心がけが大切

形式にそって記入するだけで完結する履歴書とは異なり、メールでのやりとりではマナーができているかどうかが印象を左右します。そのため、誤字脱字や敬語の誤用など失礼がないかどうか気を配りましょう。企業担当者に思わず会ってみたいと思わせる簡潔明瞭なメールを送れるようになるには、正しい敬語を使う、相手を思いやるといった日常の心がけが大切と言えそうです。

参考: