
仲間を支えるのが自分の役割。美装で働き続ける中、ようやく自分のやりたかった仕事に出会えた
仲間を支えるのが自分の役割。
美装で働き続ける中、ようやく自分のやりたかった仕事に出会えた
このストーリーのポイント
- 就職活動では、「自分は何をしたいのか」と模索。働きやすさを軸に会社を探す
- 入社2年目から営業職を経験するが、新規開拓の難しさを実感し物流センターに異動
- 上司や先輩らの優しさに触れながら、自分の居場所をようやく見つけ出す
建築資材を販売するだけでなく、地盤の耐震診断・改良工事から商品のアフターメンテナンス及びリフォーム工事の提案・工事手配までを自社で行う美装。手掛ける事業領域が幅広いだけに、社員らが活躍するフィールドも多岐に及んでいる。それだけに、入社時に志望した職種に適性を感じられないと思ったとしても、社内で新たな仕事にチャレンジできる。新卒採用で入社後、営業職として従事した野口も、別な部署で天職と出会うことができた。
株式会社美装
野口 智史
県央物流センター 発注係係長
2009年4月入社
経営文化学部卒
神奈川県出身。小学校からサッカー一筋。大学時代から在籍している社会人クラブには今でも名を連ねる。ただ、最近は子供と一緒に過ごす時間を優先しがちだ。団体競技を通じてチームワークの大切さを痛感してきただけに、職場でも同僚や部下とのコミュニケーションやコーチングには気を遣っている。自分が営業時代に苦労しただけに、「美装をより働きやすい会社にしていきたい」と日々全力で取り組んでいる。
「ここなら楽しく仕事ができるのでは」と思い入社を決める社
子供の頃から、ずっとサッカーを続けていました。ポジションは、ディフェンス。レギュラー選手として、さまざまな大会に出場しました。大学では学内のサッカー部ではなく、より高いレベルを求めて社会人クラブに在籍していました。
3年次に就職活動に入ったものの、正直言って「自分は何をしたいのか」、わからなかったです。それで、「何を軸に就職活動を行えば良いのか」と悩んでいたときに、思い浮かんできたのが働きやすさでした。具体的には、土日にしっかりと休みが取れるか。残業も少なく有給休暇も取りやすいかどうかでした。元々、友達と遊ぶことが好きだったので、彼らと一緒に行動するためにも休みの日を合わせたいと思ったからです。もう一つは、社会人になってからもクラブチームに参加していきたいという思いもありました。
就職サイトでさまざまな条件で検索を掛けて、見つけたのが美装でした。なので、最初は事業内容を深く理解していたわけではなかったのですが、「まずは会社説明会に参加してみよう」と思いました。もうかなり昔の話ではあるものの、先輩社員がニコニコしながら、「いかに美装がアットホームな会社なのか」と語っていた姿が今でもすごく印象に残っています。「ここに入社したら、自分も楽しく仕事ができるのでは」という気持ちになったことを覚えています。
それだけに、面接を経て他社に先駆けて内定をいただけたときは嬉しかったですね。「これも何かの縁に違いない」「取り合えずは入ってみよう」という軽いノリで飛び込んできました。実は、美装の本社は横須賀にあるのですが、自分の祖父母も同じ市に住んでいて社名を知っていました。「トラックを良く見かけるよ。入社が決まって良かったね」ととても喜んでいました。
物流センターでの研修を通じて仕事の基礎を身に付ける
自分が選んだ職種は、営業職でした。体を動かすのが好きなタイプたったからです。ただ、当社では営業職志望であっても、研修を兼ねて入社後1年間は社内の物流センターで働くことになっていました。先輩社員と一緒に現場に同行し、仕事の流れや現場のマナー、製品に関する知識を学ぶという期間でした。具体的には、毎日現場にアルミサッシなどの建築資材を運搬していました。どういう持ち方をすべきか、どこに物を置いたら大工さんが取りやすいのかなどを先輩に教えてもらったり、アルミサッシを立てつける簡単な工事もしました。半年ぐらいで慣れてきたので、それからは一人で現場に資材を届けていました。
物流センターの先輩方は皆、優しかったですね。新入社員がミスをしても頭ごなしに𠮟りつけることは一切ありませんでした。むしろ、「どうしてそうなってしまったのか」と道筋を一緒に振り返りながら、適宜アドバイスを挟んでくれていました。すごく丁寧な対応だったです。それに年齢的にも5、6歳しか離れていなかったので、話がしやすかった気がします。
営業職として働くものの精神的にも実力でも限界を知る
2年目からはいよいよ営業職としてデビューしました。今ではもうだいぶ変わったようですが、若手は新規開拓がメインでした。もちろん、何の下調べをせずに飛び込むことはしません。帝国データバンクの情報を調べて見込み客をリストアップし、支店長の了解を得てからアプローチしていました。訪問先は、主に工務店でした。
ただ、どこも昔ながらの取引先があるので、思うような成果は得られません。建築業界は、価格以上に信頼関係に重きを置くので、ほとんどが門前払い。契約にまで至る確率は数%もなかったです。改めて、絆を大切にする業界だなと痛感させられました。
それと、建築業界独特の雰囲気に慣れるのも苦労しました。職人さんにしても気性の荒い方が多かったりしますから、電話越しに怒鳴られたときには良く落ち込んでしまいます。その度に、先輩が優しく声を掛けてくれていました。もちろん、それだけですべての苦労が解消できたわけではなかったです。土曜の夜には必ず友達と一緒にお酒を飲んでいましたし、日曜には社会人クラブでサッカーに熱中することで仕事のストレスを発散していました。
何とか仕事を続けていく中、「見込みがあるかもしれない」と感じたお客様の下には、何回足を運んだかわからないほどでした。それで、ようやく数件の契約を獲得することができたんです。初めてのお客様は、「一度は付き合ってあげるよ」ということでスタートしたのですが、今でも美装とのお取引を続けてくださっていて、本当に感謝しています。
最終的に、「営業職を続けていく自信がない」と判断したのは、入社3年目の半ばでした。当時抱えていた仕事量が多く、残業に追われていたからです。実力不足も感じていました。それで、退職届を上司に提出させてもらったんです。上司も自分の辛さを理解してくれていたと思うのですが、「気持ちはわかるけれど、せっかく美装に入ったのだから、営業が難しいなら物流で頑張るという道を選んでみても良いのでは」とアドバイスされました。退職の話を聞きつけた先輩も、「何かの縁で皆が一緒に働いているんだから、他の部署であってもお互いに繋がっていこう」と声を掛けてくれました。
結局、会社を辞めず、「物流センターで頑張ってみよう」という気持ちになれたのも、上司や先輩の励ましがあったからこそです。本当に人間関係には恵まれたと思っています。
配送係を経て発注係の係長に。センター全体を俯瞰
物流センターに戻ったその日、最初は何だか気まずかったです。ただ、元々一緒に働いていた仲間であったので、気さくに受け入れてくれました。
物流センターでは、まずは配送係に配属となりました。ここには、5年ほど在籍しました。仕事内容は、入社1年目の頃とほぼ変わっていません。ただ、大変であったのはアルミサッシが重量化していたことです。それを5階の窓ガラスに組み込むとなると肉体的に辛かったですね。ただ、大工さんに負担を掛けないようにという配慮をしているのは、美装だけだったらしく、「そこまでやってくれるのか」と毎回嬉しがられていました。
もう一つ、物流センターに戻ってきて大きく変わったのは、プライベートな時間を確保できるようになったことです。残業をしたとしても、18時か19時には会社を出れます。「こんな時間に帰れるのか」と思ったら、すごく気持ちが楽になりました。
その後、同じ物流センター内の発注係に係長として異動しました。初めての役職でしたので、今まで以上に責任感を持たなければいけないと感じました。発注係では当初、営業職から依頼があった商品の発注を行っていましたが、4年前に社内に受発注センターが設立されたため、現在は同センターが行った発注内容の確認と配送用の伝票作成、現場でクレームが出た商材の手配などを担っています。加えて、部下4名のマネジメントが自分の仕事です。
業務の特性上、営業職を支える縁の下の力持ちという役割なので、営業職とやりとりする機会が頻繁にあります。問い合わせもかなり寄せられます。自分の性格上、依頼されたことにはスピーディに返さないと気が済みません。むしろ、「こんなに早く返してくれてありがとう。助かるよ」と言ってもらえると、それが自分のモチベーションになったりします。最近は、パターンが見えてきて、何かを依頼される前に必要なアクションを取れるようになってきました。
もう一点、自分が意識しているのは物流センター全体の業務を俯瞰することです。センターには、発注係と生産係、配送係があります。自分の場合には、午前中に部下にすべての仕事を割り振って自分の時間を捻出します。それで、午後には発注係という部署を飛び越えて、センター内で忙しくしているところに補填で入るようにしています。発注係は基本的に事務所にいる仕事なので、配送や組み立ての状況が把握しやすいからです。
進化を続ける美装で自分自身も成長していきたい
気づいたら、美装にトータル16年ほど在籍したことになります。「何か成長できたことがあるか」と改めて聞かれても、自信を持って答えられるものはありませんが、部下への配慮ができるようにはなりました。相手がどんな気持ちでいるのかをできるだけ汲んだ上で、それに適した言葉を掛けてあげられているのではと思っています。何しろ、自分の部下は全員女性なので、言葉遣い一つを取っても配慮が欠かせません。元々、体育会系なので男性同士の付き合いは得意でしたが、女性への指導や接し方も学べた気がします。
美装という会社自体も働きやすさや待遇という点で、年々進化しています。営業職の残業時間も大幅に減っているようです。先日も営業時代の先輩から、「今だったらお前も営業職としてやっていけるのでは」と言われてしまいました。その気はないですけれどね。むしろ、自分が一番強く思っているのは、下の世代の子たちが辞めないためにもどれだけ働きやすい環境を作って上げられるかということです。それを何よりも優先して行動していきたいと思っています。役職にはあまりこだわりはありませんが、なれるのであれば副所長を目指したいです。
就活生の皆さんの中には、「どんな仕事をしたいのか」がまだわからない人が多いと思います。そんな中で、「とにかく楽しく働きたい」という気持ちが強いなら、ぜひ美装を候補に入れてもらいたいです。もちろん、仕事なので大変なこともあるでしょう。でも、先輩が優しくフォローしてくれます。美装がもっと大きな会社になるためにも力を貸していただきたいです。