“なくてはならぬ人”としての覚悟が、成長を促す。
GLOBAL WORKやLOWRYS FARM、niko and … など、グループで30以上のブランド、国内外に約1,400店舗を展開するファッションカジュアル専門店チェーンの株式会社アダストリア。その成長の根幹を支えているのは、創業以来変わらない価値観です。同社では、そうした本質的な企業理解を促すインターンシップを企画しています。その狙いや同社の魅力などについてうかがいました。
Profile
西山 かれん
株式会社アダストリア
人事部
2013年入社/商学部商学科卒
自分の頑張り次第で活躍の幅を広げることのできる企業を希望し、入社。2店舗で販売職を経験した後、入社4年目に店長に昇格。増床リニューアルオープンも経験する。2017年に、自分としてはまったく想定外だった人事部に異動となり、現在に至る。
──御社が大切にしている普遍的な価値観について教えてください。
65年以上も前の創業当時から今に至るまで受け継がれてきたのが、「なくてはならぬ人となれ なくてはならぬ企業であれ」という企業理念です。これはまさに当社の根幹をなす価値観で、DNAと言えると思います。社員の多くはこの企業理念に共感して入社しており、その想いで日々の業務に取り組んでいます。
安くて品質の良い製品がネットで簡単に買える時代にあって、お客さまがわざわざお店に足を運んでくださるのは、“このお店の、この人から買う価値がある”と感じていただけているからです。当社では社員一人ひとりがお客さまにとっての“なくてはならぬ人”になることで、お客さまから選ばれる店舗、ブランドであり続けることを目指しています。
同様に当社が大切にしているのが「Play fashion!」というミッションです。私たちはファッションを通じて人の心を豊かにし、幸せにすることを使命としています。洋服というモノではなく、ワクワクする毎日をお届けすることを自らに課し、それによって世の中の“なくてはならぬ企業”でありたいと考えているのです。
こうした普遍的な価値観を大切にする一方、当社は時代の変化に対応し、成長し続けるためにチャレンジすることも大切にしています。紳士服店からメンズカジュアルショップ、ストアブランド展開へのチェンジ、更に企画から生産、物流、販売までをアダストリアグループ内で一貫して行う垂直統合型SPA体制へ移行と、これまで4回のチェンジをしてきました。
また、当社はマルチブランド戦略をとっておりグループで30以上のブランドを展開しています。社会が急速に変化していく中で、さまざまな価値観を持ったお客さま一人ひとりが、“自分らしさ”を表現できたり、毎日をより楽しく過ごせたりなど、お客さまの生活を豊かにすることに貢献していきたいと考えています。それは、マルチブランドで、さまざまなカテゴリやサービスを取り扱う私たちだからこそ、実現できる姿です。
──アパレル業界ではSPAを展開する企業が少なくありませんが、アダストリアのSPAは何が特徴でしょうか。
お店の声や、店舗で働く販売スタッフの意見が最も重要視される、というのは当社ならではだと思います。SPAとは企画・生産から製造・販売まで一貫してひとつの会社が担う体制のことを言いますが、当社の場合、販売の第一線でお客さまから直接うかがった声を商品やサービスを生み出す企画のフェーズに反映させる仕組みができているのです。つまり約1,400店舗で働く17,000人以上のスタッフの意見が、次の商品づくりに活かされています。こうした強みを社員一人ひとりが自覚し、どの職種でもそれぞれの役割を全うすることで“なくてはならぬ人”になることができると考えています。
私自身、入社して2つの店舗で販売スタッフとして勤務しましたが、新入社員時代から常に“あなたはどう思うの?”と問いかけられながら仕事をしていました。新人ですから実際に担当しているのは簡単な仕事でしたが、誰がやっても同じ仕事で終わらせるか、今の自分にしかできない仕事にするか、それは自分次第です。“お客さまのために今自分ができることは何か”を考える機会が常に与えられる状況の中で、新人であっても、責任とやりがいをもって働くことができていました。
4年目には店長に昇格し、一つの店舗の責任者として仕事をするようになりました。アダストリアでの店長は決して“シフトを作る人”などではなくて、売上からアルバイト採用、育成も含めて店舗のすべてを任される責任者です。当然自分の打ち出した日々の施策が会社の業績に直結しているという実感がありますし、部下が成長して活躍する姿を目にすることで、その人生に深く関わったという喜びを感じることもできます。“今の自分にしかできない仕事をしよう”という意識は店長になってさらに強くなり、チームの仲間に対して、さらに会社に対して自分が“なくてはならぬ人”だという手ごたえがありました。
──現在は販売の現場を離れて採用を担当していらっしゃいますが、そうした想いに変わりはありませんか。
もちろんです。実は、入社前から「店長は絶対に経験したい」と考えており、自ら希望してそのポジションに就くことができましたが、人事部への異動はまったくの想定外でした。それでも私なりに成果を出して会社に貢献できているという自負はあります。辞令がでたときは驚きましたが、自分でも気づいていなかった可能性が眠っていて、それを会社が見て、引き出してくれたと思っています。ですからどんな仕事に就くことになったとしても、自分に向いているかどうかという迷いを抱くのではなく、思ってもいなかったチャンスが来たと受け止めることが大切だと思います。
ただ、やるべきことはしっかりやる、ということがその前提です。例えば、店長をやりたいなら、店長として必要なスキルを身につけていなくてはならないし、店舗を任せられるような成果をあげなければなりません。自分に課せられた責任を果たしてこそ会社にとって“なくてはならぬ人”になれるのであり、チャンスも巡ってくると思っています。
──現在、インターンシップを企画中とのことですが、どのような内容になりそうですか。
アパレル業界でのインターンシップですから、マーチャンダイジングや販売、あるいはECといった業務の体験をするとお考えの方が多いと思います。もちろん当社のインターンシップでも、皆さんのご希望に応じて、それらのコースを選んで就業体験をしていただくことになります。ただ、その前提として、どんな職種の仕事であっても、アダストリアのミッションである「Play fashion!」を果たすための手段であるということを理解していただきたいと考えています。その理解、共感がなければ次のステップに進むことができない、そんなプログラムにしたいと考えています。
アダストリアの価値観を理解するためにとことん頭を使っていただくインターンシップですから、それなりの覚悟はぜひお持ちいただきたいと思います。その気持ちさえあれば、当社を志望されない方、アパレル業界以外での就職をお考えの方であっても、大歓迎です。ぜひ挑戦してください。
──では、インターンシップを通じて参加者が得られるものとはなんでしょうか。
アパレル業界の理解はもちろんですが、これから社会人として皆さんが活躍される上で非常に大きな力となる、考え方やスキルが身につくプログラムにしています。例えば問題解決のフレームワークも行いますので課題解決のスキルが身につくでしょうし、多様な価値観の人と関わりながらチームで最大の成果を生み出すことの難しさを体感してもらえると思います。それらは業界や職種関係なく社会人にとって必要不可欠な力ですから、たとえ当社に入社することがなくても、必ずプラスになるはずです。就職活動にも活かせるのではないでしょうか。
──最後に就活に取り組む皆さんにメッセージをお願いします。
就職活動では、その会社でどんな仕事をするかを知ることも大切ですが、会社の信念を理解し、それに共感できる会社を見つけることだと思います。事業の進め方や会社のカルチャー、社員の育て方などに、そうした信念は必ず反映されるはずですから。ぜひそうした切り口で企業研究をしていただければと思います。