周囲に支えられながら、ワーキングマザーとしての道を拓いていく。
周囲に支えられながら、
ワーキングマザーとしての道を拓いていく。
このストーリーのポイント
- 女性が活躍できる環境に惹かれて入社
- 独自の妊娠休暇制度を活用して、無理なく産休・育休へ
- 会社の社会的な価値向上に貢献したい
法人営業を担当後、出産・育児を経て復職。現在は企画部門で新たな価値創造に挑む。上司や同僚、そして同期入社の仲間に支えられていることに感謝しながら、後輩にとってのロールモデルでありたいと考えている。
伊藤忠エネクス株式会社
谷口 茜
電力・ユーティリティ部門 統括部 企画統括課
2013年入社。国際経営学部国際経営学科卒。石油製品の法人営業を担当後、電力・ユーティリティ部門(以下、電力部門)に異動。異動直後の2019年より産休・育休を取得。復職後、同部署の予算・決算の取りまとめやBCP策定などに取り組む。
心惹かれる“冒険”の選択
高校では理系だったのですが、グローバルな環境で成長したいと考えて、日本人と外国人の比率が半々の大学で学生生活を送りました。初めての一人暮らしだったことと合わせ、異なる価値観がぶつかり合う中で過ごすことは、私にとって大きなチャレンジでした。
思い出深いのは和太鼓サークルでの活動です。留学生たちと一緒に日本の伝統芸能に取り組むことは非常にエキサイティングな体験でした。練習は部活のように厳しく正直つらいときもありましたが、みんなで力を合わせて理想の音とパフォーマンスを追求し、一つの形に仕上げたときは大きな達成感を味わいました。
就職活動で私の“軸”は「女性が働きやすい環境」「海外で活躍できる」「自分らしさを出せる」の3点でした。業種や業界は絞らず、この“軸”に沿って企業研究を進めていった中に伊藤忠エネクスも含まれていました。
もちろん最初は社名すら知らなかったのですが、説明会や面接と進んでいくうちに、社員の方々の人柄のよさや、「くるみんマーク認定」に反映されるように女性にとって働きやすい制度・環境が整っていることに気がつき、どんどん惹かれていきました。エネルギーの専門商社として様々な商材を組み合わせながら提案できるところに、自分らしさを反映できるのではと感じたこともポイントとなりました。
実は銀行からも内定をいただいており、最後の最後まで、当社と迷いました。銀行の魅力はなんといっても安定性です。それに対して当社は私にとって“冒険”というイメージでした。結局最後の決め手となったのは、やはり人の魅力です。面接では社員の方々が就活生である私という人間のことを誠実に知ろうとしてくれ、自社についても率直に話してくれました。その姿勢に触れて、こういう人たちと一緒に仕事がしたいと思ったのです。
厳しいことも言ってくれる同期の仲間
入社して担当することになったのが、石油製品の法人営業です。具体的には企業がガソリンスタンドで営業車両に給油する際に使うガソリンカードを通じて、ガソリンや軽油等の石油製品を販売する仕事でした。
担当エリアは東京23区を中心とした首都圏。メーカーや流通、陸運会社など様々な業界の企業に新たに給油カードを導入していただけないか、既に導入済みの企業ならばより積極的にご活用いただけないか、提案することが私の仕事でした。後者のルート営業も多かったですが、中心は前者の新規開拓でした。
法人営業の仕事は、決して簡単ではありませんでした。新規開拓の基本は、飛び込み営業です。このこと自体は苦ではなく、むしろドアの向こうに1つの成約案件が待っているか思うとワクワクしながらノックできましたし、時間をかけて信頼関係を作っていくプロセスは面白いものでした。
私は自分の言葉に説得力を持たせるため、新聞記事や業界誌の記事などを引用しながら、お客様が身近に感じているガソリンスタンドの店頭価格などの市況を説明することを心掛けました。そうした対応を重ねていくうちに次第に信頼をいただくようになり、成約に結びつけることができました。簡単ではないからこそ達成感は大きく、その喜びが次の一歩につながったと思います。
営業の仕事を通じて私が成長できたことは、幅広い年齢層のお客さまと接することで、常に相手の立場や状況を配慮しながらコミュニケーションできるようになったことです。お客さまが本当に必要とされる情報が何なのかを察し、提案することに努めました。
もちろん辛いときもありました。そんなときに支えてくれたのが、同期の仲間の存在です。愚痴をこぼしたいときはしっかりと耳を傾けてくれ、私が間違っているときは「それは違うよ」とはっきり指摘してくれました。耳の痛いこともしっかりと言ってくれる、そんな同期の存在には心から感謝しています。
上司のサポート、同僚の心づかいに感謝しながら
入社6年目に結婚し、翌年出産しました。
ありがたかったのは、当社独自の「10日間の妊娠休暇制度」です。実は私は切迫早産と診断され、予定していた産休より早めに仕事を休まなくてはならなくなりました。そのことを朝、上司に相談したところ、仕事の手を休めてあちこちに問い合わせて調べてくれ、「10日間の妊娠休暇制度」や有給休暇、年次休暇等を組み合わせれば、産休にプラスして十分な休みを取得できることがわかったのです。おかげで相談した翌日からしっかり休みに入ることができました。本当に嬉しいサポートでした。
産休・育休取得後は復職するつもりでした。実はお休みに入る直前、私は新しい部署に異動し、仕事は一変。職種、人間関係、扱う商材もまったく異なる業務内容となったため、部署の中では新人同様のスタートでした。それなのに出産で1年2ヵ月も休んでしまうなんて、果たして戦力として復職できるだろうかという不安は非常に大きかったです。
しかし、心配なく復職できるように、産休・育休中に面談の機会を調整してくれたのです。そんな不安も、面談のおかげでずいぶんと軽減できました。復職後に担当する業務の内容、現在進行中のプロジェクトの情報などを教えていただき、気持ちが軽くなったものでした。
息子が1歳になり、保育園も決まって、私は予定通りに復職しました。
現在は時短出勤制度を利用し、16時になったら退社して息子を保育園までお迎えに行くという生活です。時には息子が熱を出したという連絡をもらって、急いで保育園に駆けつけなくてはならないこともあります。そんなときは職場の皆さんが「早く帰ってあげて」と気を使ってくれ、私の仕事も代わってくれます。「今本当に大切なのは仕事ではなくてお子さんだよ!」という言葉をいただくこともあり、みんなのサポートには心から感謝しています。本当に温かい職場、温かい会社だと思います。
1人ひとりが自分の道を歩んでほしい
異動先となった企画統括課で私は、電力部門の子会社を含めた部門全体の予算・決算の取りまとめやBCP対策への仕組み構築、サステナビリティ関連業務等に携わっています。
法人営業時代は外に出て、自分の足で稼ぐという仕事をしていましたが、今はデスクワークが中心。“稼ぐ”という実感のないことに少し戸惑いを感じていましたが、今はやりがいを見つけ、仕事に取り組めています。
今特に面白みを感じているのは、社会貢献活動です。当社では子供たちを対象とした食育・火育学習に力を入れており、保育施設などで火の使い方などを教える活動を展開しています。これに加えて、節電の重要性なども教える「電育」もスタートさせ、私はその企画・実施に携わっています。
この活動は、長期的に当社の価値を上げていく仕事じゃないかなと感じています。実は、この面白みに気づかせてくれたのも、同期のアドバイスからでした。
子育てしながら働くことで、後輩の皆さんに私の背中を見せてあげられたら嬉しく思いますし、ロールモデルにならなければという使命感もあります。ただ私の歩んだ道をそっくりそのまま、なぞってほしいとは思いません。単に私の後に続くのではなく、1人ひとりが自分の道を自分の足で歩んでいく、そんな生き方をしてくれたらと考えています。
私自身は今後どんな業務に就くことになったとしても、当社の成長に貢献したいと考えています。特にポジションにこだわってはいませんが、チャンスがあれば管理職にも挑戦したいと思います。私の冒険はまだまだ続きます。
ある1日のスケジュール
08:40 | 出社。メールをチェックし、今日の予定を確認。 |
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09:00 | 庶務。事前にメールで依頼をしている案件の返信リマインドをグループ会社へ送付。 |
10:00 | 課のミーティング。各メンバーの業務の進捗を共有し、最適に進めるために意見交換。 |
11:00 | 決算担当者ミーティング。グループ各社に集まってもらい、新年度の決算運用について説明する。 |
12:00 | 昼休憩。課のメンバーと近くのお店でランチ。 |
14:00 | 庶務。朝のリマインドに返信があったグループ各社の資料取りまとめ。 |
16:00 | 退社。息子を保育園までお迎えにいく。 |