自律協働社会の実現へ、コクヨが描く未来。
自律協働社会の実現へ、コクヨが描く未来。
このストーリーのポイント
- 変化する社会の中で顧客の課題解決に貢献する
- 個性の発揮と他者との協働が両立する社会の実現へ
- カテゴリにこだわらず、広い領域での課題解決に取り組む
老舗文具メーカーから、自律協働社会の実現に取り組むビジョナリー企業へ。コクヨは自ら変革を続ける。これからコクヨが歩んでいく道、そして目指すべき未来について語った。
-profile-
コクヨ株式会社
山口 唯
ヒューマン&カルチャー本部
2020年入社/法学部法律学科卒
「世の中の働く人を幸せにしたい」との思いでコクヨに入社。
山本 浩貴
ヒューマン&カルチャー本部
2010年入社/経済学部国際経済学科卒
「社会の“働く”を変革したい」と志し、コクヨに入社。
自律した個人が互いを認めて協働する社会へ
──コクヨでは、かつてなかったほどの変革が進んでいますね。
山口 コクヨというと「キャンパスノート」をの老舗文具メーカーという印象を持つ方が多いと思います。学生時代は私もその1人でした。しかし実際は、文具のビジネス(ステーショナリー事業)の売上は全体の約22%。過去約117年の歴史の中で、空間構築のビジネスや通信販売事業等、時代の変化にあわせて事業を拡大してきました。でも、今や世の中は凄まじいスピードで変化を続けており、コクヨ自身もより一層変わっていかなくてはなりません。創業以来1世紀以上にわたって、お客様のお役に立つことを通じて社会に貢献する姿勢を貫いてきましたが、その普遍的な姿勢を大切に受け継ぎつつ、変革に挑んでいます。
山本 そうした考えのもとでコクヨは2021年に「長期ビジョンCCC2030」を策定し、創業以来117年近く受け継いできた企業理念も新たに刷新しました。それが新しい企業理念「be Unique.」です。社会が変化する中、お客様自身も気づいていない課題があります。我々コクヨはその課題を解決する集団でなければならないと考えており、そのための価値提供を行っていきます。
山口 ワークスタイルもライフスタイルも大きく変化する世の中において、よりワクワクする未来を実現し、個々人のQuality Of Lifeが向上するサポートをしていくのが、コクヨの目指す企業像なんです。
──山口さんが今おっしゃった“よりワクワクする未来”とは、どういう社会なのでしょう。
山口 1人ひとりの個人が持つ個性や能力を発揮しつつ、クリエイティビティと多様性あふれる未来。多様な価値観を尊重し合い、自己実現と他者貢献が両立し、誰もが活き活きとつながりあえるそんな社会です。それをコクヨでは「自律協働社会」と表現しています。
山本 人やモノ、環境がフラットにつながれば社会をよりよくするための協働がたくさん生まれてくることでしょう。コクヨはそのためのツールはもちろんのこと、新しい働き方、新しい学び方、新しい暮らし方の提言を通じて、色々な選択肢を社会に発信していきたいと考えています。
山口 ただ「自律」と「協働」って、矛盾している感じがしますよね。私も最初耳にしたときは、対立する概念じゃないのかなって驚きました。でも、理解を深めていくと本質は「自律 but 協働」なんだと。つまり自律した個人が互いを認めて協働することで新しい価値が生まれてくるのが「自律協働社会」なんです。そう考えたら、自然に心に落ちました。
山本 東京品川の自社ビルをリニューアルしてオープンした『THE CAMPUS』は、「自律協働社会」についての一つの提言です。「自律協働社会」で大切なのは自分らしさとは何かを“探求”することですが、そうした探求型の働き方を実践し、働く時間と学び暮らす時間を融和していく。「自分らしさ」と向き合うことで「自律協働社会」のあり方を考えてほしいというメッセージが、『THE CAMPUS』には込められています。
実践に裏付けられた提言こそコクヨの強み
──「自律協働社会」実現のために新たに掲げたパーパス(存在意義)が「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」です。
山口 パーパスを初めて耳にしたときは、すごくシンプルでわかりやすい言葉だと感じました!
山本 とても前向きでステキなパーパスですよね。
山口 未来は不確実で不透明です。だからこそコクヨは、ワクワクする未来を実現するためにワークとライフの領域で自律協働のきっかけを提供したい。そんな気持ちの込められた言葉だと思いました。
山本 特徴的なのは「ヨコクする」という言葉ですね。“予告”というのは単なる願望や妄想ではありません。実験や実践に裏付けられた、確かな提言であるべきです。そうした実践から得られた知見をもとに描かれた未来像だからこそ、人はワクワクしながら共感し、協働できると思います。コクヨらしい考え方、姿勢ではないかと自負しています。
山口 その実践のために、従来の家具、文具というくくりから脱却し、ワークスタイル領域とライフスタイル領域というより広い2つの事業領域を設定しました。カテゴリにこだわらず、モノだけでなくコトの提案も含めコクヨのすべてのナレッジを活用してどんなことができるかといった自由な発想がもてるようになったと思います。
山本 先ほども少し触れましたが、『THE CAMPUS』はパーパスの実践という点でも非常に重要な存在です。ここで我々自身が生活者として未来のニーズに対して理解を深め、実験・実践し、得られたものを社会に発信していきたいと考えています。具体的な新規事業はこれからですが、例えば”働く”と”空間”の関係について考えるオウンドメディア「WORKSIGHT」や、在宅ワーカーに役立つ情報を発信するWebメディア「在宅百科」を立ち上げたりと、未来を“ヨコクする”ための情報発信にも積極的に取り組んでいます。
──コクヨ社員の働き方も自律協働的なものになってきたのでしょうか。
山口 自律協働社会の実現を目指すために、コクヨ社員も自律協働的でありたいと思っています。もともと自律的な働き方が根づいていることもあり、自然に取り組めていると感じています。
山本 具体的な例としては、東京・下北沢にこの8月に開設した「n.5(エヌ・テン・ゴ)」があります。これはサテライト型の社員向けの多目的スペースです。社員の自律的で自分らしい働き方・学び方・暮らし方に寄り添うスペースで、特徴的なのは社員の自己実現のために副業用などとしても利用できる点です。例えば個展を開く、ワークショップを開催するというような使い方ですね。実は私も近々このスペースを使って副業としてのイベントを開催する予定です。
山口 パーバスを定めたことによって、コクヨはこれから何を目指していくのか、どんな道を歩んでいくのかが明確になったと思います。学生の皆さんが企業選びを進めていく上で、コクヨのこうした姿に共感できるかどうか、ぜひ考えていただければと思います。
山本 コクヨは100年以上の歴史をもつ老舗メーカーでありながら、ベンチャー企業のように高い志を掲げて新しい道を切り拓こうとしています。両者のいいとこ取りが、コクヨならではの魅力でしょう。
顧客も気づいていない課題解決を。実践型にこだわったインターンシップ
──これから予定されているインターンシップについて教えてください。
山口 事務系インターンシップについてご紹介します。ここではコクヨを顧客と想定して、空間提案営業を体験していただきます。顧客であるコクヨが何を目指しているのか、課題は何か、課題解決のためにどんな空間やソリューションが必要かといったことを通じ、ワークスタイルのデザインから空間の構築を通じた顧客課題の解決に取り組んでいただきます。
山本 パーパスのイメージから“ワクワクする楽しいインターン”と思われがちですが、実はパーパスの実現には、社会課題の解決に向けて本気で向かい合わなくてはなりません。それは決して簡単なことではなく、単なる思いつきで取り組めることでもないでしょう。社会課題の解決をワークスタイルの領域でどのように行うのかを体験していただくインターンシップです。
山口 社会課題を通じたや顧客の抱える課題について考える時間が多いことが特徴で、かなり頭脳に汗をかかなくてはならない内容となっています。
山本 おそらく学生の皆さんが想像する以上にハードなインターンシップかもしれませんね。でも歯ごたえは十分だと思うので、ぜひ挑戦していただければと思います。
山口 私たち自身、日々の業務の中で自律協働社会をどのように実現していくかという課題に向き合っています。学生の皆さんにはインターンシップを通じて「そのチャレンジを一緒に楽しみたい」と共感していただけたら嬉しいですね。