支えられながら、自分らしく歩んできた道。それは最も自然な生き方だった。
支えられながら、自分らしく歩んできた道。
それは最も自然な生き方だった。
このストーリーのポイント
- 金融のプロとしての自覚を胸に支店のリテール営業に打ち込む
- マーケット営業の時代にも、愚直に1歩ずつ前進する姿勢を貫く
- 子育てと仕事を当たり前のように両立できる文化がある
“自立した人間”になりたいと志して飛び込んだ金融の世界。リテール営業、マーケット営業と経験を重ねながら、目の前の仕事に打ち込むことで自分のキャリアが広がると信じ、歩いてきた。今は子育てと仕事を無理なく両立させる。それもまた、自分にとっては自然な生き方だ。
SMBC日興証券株式会社
小林 玲子
人事部採用課 課長 ※取材当時
2008年入社/文学部英文学専攻卒業
入社後、リテール営業に2年半従事。その後、本社マーケット部門へ異動し、適格投資家への債券の営業を11年半経験する。この間、計3回の産休・育休を取得。2022年4月より現職。8歳・5歳・2歳の3人の子を持つワーキングマザーでもある。
ここなら自分らしく働ける。その直感は正解だった
学生時代はいろんな出会いがありました。アルバイト先のイベント会社で様々な企業の催事のお手伝いをする中、全力で仕事に打ち込む人の姿には胸が熱くなったものです。自然と私も、自立して生きていける人間になりたいと思うようになりました。米国に留学を経験したときは、半年間という期間に物足りなさを覚え、もっとがむしゃらに学びたいと思いました。こうした経験が私の“自分の力で自分の道を歩いていく大人になりたい”という職業観に結びついたのだと思います。
自分の力で生きるということを考えたとき、営業職を選んだのは自然なことでした。加えて、金融の世界にはプロフェッショナルだけが戦える真剣勝負の世界というイメージを持っていました。特に証券会社の営業職は常に変化のあるマーケットを扱う仕事だからこそ、その先頭を走っているのではと考え、文学部出身であるにも関わらず証券会社の営業職という具体的な目標をもって就職活動に臨みました。
証券会社の営業職は求められるものも大きく大変かもしれないけれど、その分、自分の力で生きているという充実感が得られるに違いないと思ったのです。世の中に出ていくことが楽しみで、自分の足で歩き出すことにワクワクしていました。
SMBC日興証券に決めたのは、これはもう“縁があった”としか言いようがありません。もちろん他の証券会社も受けたのですが、当社の選考では私のありのままの姿を見てくれていると感じ、自分らしく挑むことができました。“ここならば一番自分らしく働くことができ、成長できる環境がある”という直感に従って決めたのです。
以来14年、途中で3回の産休・育休をはさみながらコツコツと自分らしく歩んできました。改めてあのときの直感は正しかったんだと振り返っています。これから就職活動に臨む皆さんも、「この先輩と一緒に働きたい」「雰囲気が自分に合っていそう」など、自分の気持ちに正直に従ってみてもいいかもしれません。案外正しい選択につながるのではないでしょうか。
金融のプロとしての自覚を持ちながら
初期配属は首都圏の支店でリテール営業に従事し、個人のお客さまのほか、地元の未上場企業も担当しました。証券営業がやりたいと思って社会人になったわけですから、希望が叶ったということもあって、とても楽しかったです。
当時の支店では飛び込み営業や電話での新規開拓を行っていました。地域の集まりにも積極的に顔を出し、人脈を広げることにも取り組みました。
人とのつながりを広げる中で新たにお客さまとお取引が始まることは、自分の力で前に進んでいるという自信につながりました。
地域の方々と交流を深める中で、他の証券会社とはお取引があるのに、なぜか当社とはお取引がない法人のお客さまに出会いました。そこで私は当社でも何かお役に立てることがあるのではないかと考え、足繁くお客さまの元へ通いました。
頭にあったのは、「どうしたら次も会っていただけるか」でした。お会いできた時は何か宿題をいただいて帰る、相談事を引き出す、どんなことでもいいので、忙しいお客様から「また小林さんに会いたい」と思っていただけるように心がけていました。そうした積み重ねの結果、徐々に悩みごとを相談していただけるようになり、結果としてお取引も始まり私は大きな前進を実感しました。
日々、お客さまの元へ足を運んでいると「若いのに頑張っているね」とか「新人さん、よくやってるね」という目で見られがちです。その“ご褒美”のようにお取引をいただけることもあるでしょう。もちろんそうしたお取引も大変嬉しいものです。でも私は、そのようなご厚意だけに甘えたくはありませんでした。
私は金融のプロとしてお客さまと向き合いたい、お客さまからもプロとして頼りにされたいと思っていました。何ごとに対しても真剣に取り組むのはもちろんのこと、その上でさらに金融のプロとしての自覚を大切にしたかったのです。自分の力で自立して生きていくというのは、そういう姿勢につながると思います。
私のこうした“覚悟”が、確実にお客さまに届いたのではないでしょうか。
1人ひとりの可能性を伸ばしてくれる環境
3年目、大きな転機が訪れます。マーケット部門への異動です。支店から本社へ、リテール営業から機関投資家相手のホールセールへと、すべてが変わりました。私にとってゼロからのチャレンジです。
不安というより、嬉しさしかありませんでした。というのもキャリアの可能性を広げるためにいろんなことにチャレンジしたいと考えていたからです。
リテール営業をしていた頃の私は、支店長から「将来どうしたい?」と問われるたび、ホールセールもやってみたい、グローバル業務にも携わってみたいというようなことを答えていました。この異動に際して実際に支店長のサポートがあったかどうかはわかりませんが、私の想いに耳を傾けてくれたのは間違いありません。きっとそれが新しいチャレンジへの道につながったと思います。社員1人ひとりの可能性をしっかりと見て、キャリアアップを促してくれる、そんな風土は当社の大きな魅力です。
新しい部署で私が担当したお客さまは、銀行や生命保険会社などの機関投資家です。いわば運用のプロフェッショナルばかり。そうしたお客さまに向けて国債や社債、デリバティブなどの商品を提案することが私の仕事でした。お客さまは金融のプロですから、私がお願いしたからといってお取引をしてくださるわけではありません。では私に求められるものは何かというと、情報や提案です。お客さまにとって価値があると思われる情報を提供することでお客さまの投資判断のお役に立つことが、私たち営業の価値につながるわけです。
もちろんプロ同士が高いレベルで情報のやりとりをする最前線で、いきなり活躍できるわけはありません。最初の頃は、交わされる用語の意味すらわかりませんでした。だから私はわからない言葉があったらすぐに調べ、それでも理解できなかったら先輩に質問するといったことを、愚直に続けていきました。辛くはなかったです。むしろ新しいステージで新しい道を歩いていくという実感があって、とても充実していました。
お客さまは機関投資家というプロですから、新聞やネットなどの情報は知っていて当たり前です。
では他にどんな情報に価値があるかというと、「人」が持っている情報です。私はとにかく人に会うことを心がけ、投資家はもちろんのこと、ディーラーやアナリストなどのもとに足を運び、情報を収集しました。足で稼いだ情報こそ、自分ならではの価値につながります。こうした姿勢は、リテール営業時代にお客さまのもとに足繁く通って人間関係を築いていった経験にも通じるものです。
働くのは、人として自然なこと
マーケット部門で過ごした11年半の間、私は結婚し、3人の子供を出産しました。合計で3度の育休・産休を取得したことになります。
入社したときは結婚や出産ということは特に意識していませんでしたし、自分の人生においてそんな場面があるとはイメージできませんでした。ライフイベントやその後のキャリアについては、特にこうしたいと決めていたわけではなく、その都度、無理なく自然な流れで道を選んできました。出産後に復職したことも、3人の子供を育てながらワーキングマザーとして働いていることも、決して無理をしているわけではなく、自然な流れで歩んできたと思います。
当社では育児休業からの復職率が100%に達し、子供がいる女性社員の比率も33%近くあります。子育てしながら働く社員が身近にいることは、誰にとっても当たり前のことになっているわけです。小さな子供を育てながら働く管理職もたくさんいます。だからこそ「子供が熱を出すのは珍しくない」「保育園には様々なイベントがあって忙しい」ということも自然とお互いに理解し、受け入れています。
女性の活躍を支援する制度が整っているのは、当然のこと。制度だけでなく、当社には風土として働くママを応援してくれる文化が根づいているのは、とても嬉しいことです。
昔、子育て中の女性の先輩に「どうして仕事を続けているんですか」と質問したことがあります。返ってきたのは「働くって、空気を吸うのと同じことよ」という言葉でした。つまり生きていく上でごく自然なことという意味です。仕事か家庭かと無理して選ぶこともないし、どちらかを犠牲にする必要もありません。どちらも自然にできていくことなんです。自分がそういうライフステージを迎えた今は、先輩の言葉の意味がよくわかります。若い世代も無理なく仕事と家庭を両立できるような、そんな環境を一緒に実現していきたいと思っています。
ワーキングマザーとして業務に邁進する中、入社15年目に再び大きな転機を迎えました。人事部採用課への異動です。
機関投資家のお客さまと仕事をする中、新卒採用のお手伝いをすることがあったのですが、そのとき接した学生の皆さんのキラキラした目はとても印象的でした。リテールの仕事やマーケットの仕事のやりがいを伝えると、皆さん真剣に耳を傾けてくれ、とても興味を示してくれます。当社の魅力を伝えるときには、誇らしい気持ちも生まれました。
こうした経験から私はいつか本格的に採用の仕事に携わりたいと思うようになり、当時の上司にそのような話をしていました。営業店の支店長がそうだったように、今回も上司が私のそうした想いをくみ取ってくれ、異動を後押ししてくれたのかもしれません。マーケットの仕事は大好きだったけれど、採用の仕事にも大きなやりがいを感じ、ワクワクしながら異動しました。
採用課の課長になって間もないので、本格的な取り組みはこれからになります。
私が挑戦したいと思っているのは、より多様な人材が活躍できる環境づくりです。私のキャリアを通じて得られた経験を活かすのはもちろんのこと、たくさんの生の声に接し、様々な属性や考え方の人がより快適に働ける会社にしていきたいと考えています。もちろん女性活躍も、そのテーマの一つです。SMBC日興証券ならば自分らしく生きていける、そんな環境づくりに挑戦していきます。
この新しいステージでの経験を踏まえ、将来はどこかの支店に戻って支店長に挑戦するのもいいかもしれません。また、若い世代の金融教育に貢献できるような仕事もしてみたいと思います。キャリアはまだまだ広がっていくと感じています。