働きやすい環境とやりがいのある仕事、そして社会貢献。それが「いい会社」の姿。

働きやすい環境とやりがいのある仕事、そして社会貢献。それが「いい会社」の姿。

働きやすい環境とやりがいのある仕事、そして社会貢献。それが「いい会社」の姿。

このストーリーのポイント

  • 風通しのよい社風のもと、社員とコミュニケーションを重ねて適性を見極める
  • 適材適所の配置を追求。「ポジションが人を育てる」積極人事で組織強化。
  • 「人間中心経営」を推進するために研修、人事の改革に取り組む

情報通信のインフラ構築を担うミライト・ワンは、5Gの全国展開を背景にスマートシティ、エネルギーマネジメントなど事業領域の拡大にも挑んでいる。2022年7月にグループを再編し「人間中心経営」を含めた5つの事業変革を発表。人材育成プラットフォーム「みらいカレッジ」を設立し、新たな育成プログラムをスタートさせ、社会の新たなニーズに対応できるマルチスキルな人財育成を目指す。

PROFILE
株式会社ミライト・ワン

湯田 康史

常務執行役員 総務人事本部 人事部長

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大学卒業と同時に新卒入社。SE業務を皮切りに、経理、企画、社内システム維持などの業務を担当。2019年から現在の人事部長を務め、採用や異動、福利厚生など、人事業務全般の責任を負う。気分転換のコツは旅行。国宝の建造物や仏像を制覇すると決めて全国の名所をまわっている。大の日本酒好きでもある。

コンピューターに関わる仕事に就くため入社

世の中へコンピューターが普及し始めた時期であり、大学で専攻していた数学とはあまり関係はなかったが、コンピューター関連の仕事につきたいと思い、就職活動をしていました。当社に入社したのは就職課で勧められたのがきっかけでしたが、会社名もよく知らなかったのが本当のところです。通信建設関係が売上の9割以上と聞き、コンピューター関連の仕事ができるのか半信半疑でした。そこで面談で「仕事の現場を見せてもらえませんか」とお願いしたところ、社内見学を快諾してもらえたのです。他のコンピューター関連企業と比べて社内の雰囲気が明るかったのが印象に残り「ここでお世話になろう」と決心しました。

最初は当社が新規事業として取り組み始めて間もないホテルシステムのソフトウェアの開発に、システムエンジニアとして配属されました。コンピューターの仕事にずっと携わるものと思っていたのですが、8年ほどで経理業務に異動することになりました。最初の異動で、管理や経理中心のキャリアへと大きく変わったことになります。

経理時代の後半には、決算や月次報告書の作成を担当していました。当初は、ただ数値をまとめ客観的な事実を説明するだけで、上司から改善を求められても何をどう作ればよいのか分からなかったものです。しかし徐々に「ではどうすれば改善するのか」「何を変えればよくなるか」などを盛り込めるようになり、褒められるようにもなりました。このときの経験から、分析したうえで具体的な対策をすばやく行う大切さを学び、経営の目線を身につけられたことが後に大きく役立ったと思います。

よい成果はよいチームワークから始まる

ミライト・ワンはよく「風通しのよい社風」だと言われます。会議でも、立場に関わらず意見が尊重されるのは若いころから感じていました。また仕事が終わったあとも、よく先輩とのみに誘ってもらい、いろんな話を聞かせてもらいました。

当社ではインフラを支えるスケールな大きな仕事に関わるので、チームワークが欠かせません。自分だけでできることはわずかで、社内のあらゆる部署の協力や、外部の協力会社の存在があってこそ事業が成り立つのです。だからこそ、より多くの仲間を作ろうとする風土や、一人ひとりと深く関わろうとコミュニケーションを大切にする考え方が育まれてきたのかなと思います。

そんな環境で育った私も、自然と他の社員とのつき合いを大切にしてきました。「プライベートは完全に割り切りたい」という考え方も否定はしませんが、やはりオフでも付き合えるような仲間のほうがチームとしての仕事はうまくいくというのが私の持論です。お酒を飲んだり、一緒に食事したりすることで本人の性格、性質が見えてくるというのもあります。

以前、グループ会社の社長を務めたとき、子会社のたたき上げの社員で私より少し年齢が上の方が部下になりました。職人気質で仕事はきっちりやるものの、口数が少ない人ため近寄りがたい雰囲気がありました。ただ、あるとき私が出張のおみやげで買った日本酒をメンバーに振る舞ったときに、その人がとても喜んでくれたのです。冗舌にお酒のマメ知識を語ってくれて、その後は何度もお酒を酌み交わす間柄になりました。

「職場ではその人の表面しか見えないから、飲みに行くしかない」などと言うつもりはありません。ただ、仕事を離れたところで、繰り返し話したからこそ彼の魅力に気づけたのは事実です。得意先と強い信頼関係を作り、仕事にも強い誇りを持っているのが同じだと分かったのはうれしい発見でした。人間関係が、よいチームワークを生み、そしてよい成果につながると確信しています。

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適材適所で人は輝く

同時に、適材適所の人材配置をすれば、予想以上の能力を発揮できる社員がたくさんいることも学びました。グループ会社の社長として赴任したとき、実は2年連続の赤字を計上しており、これが3年連続となると社員の給料に手をつけてもおかしくありません。給料を下げられた社員がモチベーションを失ってしまったら、立て直しはいよいよ困難になるので、私には最初の1年が勝負でした。しかし、このグループ会社は通信用の資材を販売する会社で私には全く経験のない領域です。率直に言えば「自分でできるのか」という不安を感じていました。

なかなかよい結果が出ていなかったので、なにか抜本的な対策が必要だろうと考えました。そのひとつが思い切った配置転換です。社員の経験年数が長くなるほど、営業職から総務に移るなど担当業務そのものは変えづらいものです。そうした既成概念を取り払って、本人の希望や適性を考えたうえで続々と思い切って人事異動を実行しました。

結果的に、異動先で多くの社員のパフォーマンスが驚くほど向上しました。本人の希望を聞いたうえで、普通では行わないような大胆な変更というのが効いたのだと思っています。もちろん、当の本人も、会社にとってもハッピーな話です。中堅、ベテランの社員の中には「今さら他の仕事なんて……」と、新しいチャレンジに後ずさりするケースもあるでしょう。しかし実際には「環境を変え、さらに活躍してみたい」と考える社員も少なくなかったのです。この話は、適材適所が社員と会社双方にとっていかに大切かを物語っていると言えるでしょう。こうした作戦や、みんなのがんばりのおかげで、最終的な業績もV字回復を達成して黒字化できたのです。

時は流れて、今はグループ全体の人事部長を任せていただくようになりました。その立場で考えると「新たなマネージャーやリーダーを抜てきするとき」にも、通じるものがあります。昔の私は「一定のレベルに達した社員を責任あるポジションに据えるべきだ」と思っていましたが、当時の社長から「いや、少し違う。ポジションが人間を育てるのだ」と逆の考え方を教えてくれました。
その影響で、従来なら「もう少し経験を積ませてから」「課長になってまだ1年だからレベルの高い業務への抜擢は早い」などと判断されていたケースでも、どんどんチャレンジさせるようになりました。実際に抜擢された人が、飛躍的に成長するのも目の当たりにしてきました。

最近では、女性の部長や室長なども続々と増えています。社内の子育て支援策も充実し、女性社員がパフォーマンスを発揮しやすくなったのも影響しているかもしれません。ポジションに就いた彼女たちの自覚ある発言を聞くと、頼もしい人材がどんどん育成されていると嬉しくなります。同時に、だからこそ会社としてはポテンシャルのある社員には機会を与えて、成長を促していかなければならないという責任も感じます。

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社会のニーズ変化に対応し「いい会社」でありたい

これからは、新たな事業拡大のフェーズです。従来の通信インフラを支える役割が重要であることは変わりませんが、ICTソリューション事業や環境・社会イノベーション事業といった領域でも貢献を始めています。

そこで最重要なのは人財開発です。今年から新たにグループ社員や協力会社の社員も対象とした「みらいカレッジ」という人材育成プラットフォームを設立し新たな育成プログラムをスタートさせ、学ぶための環境を充実させています。

たとえば「通信設備の知識は誰にも負けない」だけではなく、もっと幅広い分野の知識を習得するマルチスキル化を推奨しています。新たな技術力を身につけ、視野を広げるためのチャレンジをした先には、どのようなポジションがあるのか「キャリアパス」も随時更新され最適化されていくでしょう。

DXも大切なキーワードです。業務効率化にとどまらず、ビッグデータをどう分析して活用するか、営業活動の分析や改善、施工やメンテナンスの品質管理などにも応用できるかもしれません。社内教育の充実とともに、こうした新しい事業や技術、考え方に対応できる人財が新たに加わってくれることを期待しています。

オンラインでの採用に早くから取り組んできた成果で、新卒採用の人数はここ数年大幅に増えてきました。入社を志望してもらえるのはとてもありがたいことであると同時に、今後さらに「いい会社」になりたいと願っています。

私が考える「いい会社」とはいろんな意味があります。まず社員にとって「働きやすい環境や待遇、そして仕事から得られるやりがいや満足感」があること。投資家から見れば、業績はもちろんですが社会貢献性はどうかなどの視点も大切です。またたくさんの協力会社の存在なくして、ミライト・ワンの事業はありえないので、そうした企業にとってもいい取引先、パートナーでありたいと思います。

「人間中心経営」というビジョンを実現するために、人事制度、福利厚生を充実させて社員満足度の向上にもこだわっていきます。以前は「まず仕事が中心にあって次に自分たちの生活をどうするか」という考え方が主流だったかもしれませんが、今は社員が「まず自分たちの暮らしを中心に考える」という発想で、働き方にも柔軟に対応していくつもりです。

社員が、プライベートと仕事の両面で幸せだと感じられる会社を作ると同時に、社会貢献を果たしていきます。

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