現状に満足せず、正社員としてチタン製造の多様な工程に関わりたい

現状に満足せず、正社員としてチタン製造の多様な工程に関わりたい

現状に満足せず、正社員としてチタン製造の多様な工程に関わりたい

このストーリーのポイント

  • 8年間従事した介護の仕事をリセットし、未経験ながらチタン製造にチャレンジ
  • 安定感を求めて期間社員から正社員へとステップアップ
  • 仕事に対する高い意識を持つ仲間から日々刺激を受ける

スポンジチタンのトップメーカーとして、国内外で広く知られる大阪チタニウムテクノロジーズ(以下、OTC)。素材の持つ限りない可能性を追求していこうとする姿勢が社員全員に共有されている。期間社員にもチャレンジ精神を存分に発揮してもらおうと、最短半年での正社員登用制度を導入している。彼もそのチャンスを生かした一人だ。

PROFILE
株式会社大阪チタニウムテクノロジーズ

T・F

チタン製造部 チタン製造第二課
2023年4月に期間社員として中途入社、2024年2月より正社員

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兵庫県出身。中学時代の友人に背中を押されて、介護の現場から製造の現場へと思い切って飛び込む。OTCではまず期間社員としてスタートするが、「正社員へとステップアップしたい」という想いを、最初の登用試験で見事叶える。その後も、日々の業務で必ず新たなインプットを得ることを実践し、着実に成長している。趣味はゲーミングだが、筋肉トレーニングにも余念がない。

今の仕事を続けることに不安を覚え、新たな道を歩み出す

20代前半の頃、地元のスーパーで2年間ほどパートとして勤務していたのですが、お年寄りの方が多数来店される店舗でした。そうしたお客様と日々関わる中、「高齢者を支える仕事をしてみたい」と思うようになり、新たに開設された介護施設の職員募集を見つけ、応募することにしました。職種は介護職で、入居者の方々の生活援助や身体介護などを行う仕事でした。

そこでは8年ほど働きました。入職後は3年間の実務経験を積み、国家資格である介護福祉士を取得するなど、自分で言うのも何ですが、仕事には真面目に取り組んでいました。そのまま働き続けていたら、介護に関する専門職であるケアマネージャー(介護支援専門員)を目指していた気がします。

転職を考えた理由は、これといって大きなものがあったわけではなく、色々な理由の積み重ねでした。例えば、労働時間が多い割には給料が少なかったことです。また、誰かの頼まれごとに「NO」と言えない性格であったので、雑事を含めてさまざまな依頼が舞い込みがちでした。元々、介護職は入居者のケアだけでなく、そのご家族や医師、看護師、救急隊員などとのやりとりも含めて色々な業務を担います。それにプラスして雑事もとなると負荷がかなり増えてしまい、精神的にも肉体的にも正直言ってかなりきつかったです。

「このまま仕事を続けるか、どうしようか」と悩み始めてからは、転職サイトを開いてみるものの、単に眺めるだけ。すぐには踏ん切りはつきませんでした。そんな心境を日頃から会っていた友人に持ち掛けたところ、「俺が今働いているOTCが良いよ。そういえば、今ちょうど期間社員の募集をしているから応募してみたらどうだ」と薦めてくれました。

実は、OTCの尼崎工場は実家のすぐ近くにありました。以前から、建物があるのは知っていたものの何の会社なのかまでは全く気にしていませんでした。「チタンを製造している」と、友人から教えてもらい、初めて知ったほどです。募集要項も見てみましたが、どんな仕事をするのか、詳細なイメージは浮かびませんでした。ただ、ホームページで調べてみると、OTCは東証プライムにも上場している大きな会社。期間社員に関しては、未経験OKで正社員登用のチャンスもあり、福利厚生も充実とうたっています。しかも、僕の場合はアクセスもかなり便利で、願ってもない条件が揃っていました。それで、「受けるだけ受けてみよう」と応募してみました。

面接当日は、「リラックスしてくださいね」と人事の方に気を遣ってもらうほど、あまりにも緊張してしまい、ガチガチの状態でしたが、親身に聞いてもらい「内定をもらえたらここで働こう」と思いました。

内定の電話を思ったよりも早くいただき驚いてしまいました。職場への出勤途中だったので、その日の昼に上司に退職を告げました。

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未経験でのスタート。周囲に支えられながら業務に従事

入社後は、チタンの製造部門への配属となりました。チタンはさまざまな工程を経て製品として出荷されていきます。僕が担当したのは、還元・真空分離という工程です。具体的にはその還元反応中に発生する、塩化マグネシウムを定期的に抜き取る作業でした。

もちろん、僕にとっては初めての経験なので、最初は指導員と呼ばれる先輩社員についていただき、マンツーマンで業務の進め方をイチから丁寧に教えていただきました。特に厳しく指導されたのは安全性の遵守です。塩化マグネシウムは700度から800度もの高温になり、空気に触れると爆発してしまうとあって、危険を伴います。その危険を避けるためにも厳格なルールが設けられています。「事故を防ぐためにも絶対ルールをしっかりと守ってほしい」と幾度も念押しされました。

実際に働いてみると、予想はしていたものの「今までとは全く別の世界だ」と改めて感じました。何しろ、作業で用いるパイプレンチや金属製のハンマーなど、生まれて初めて触る工具ばかりだったからです。

それでも、配属先の皆さんがとても優しい方々ばかりで、分からないことを聞けば、気さくに教えてくれますし、何か困ったことがあってもすぐにフォローしてもらえましたので、人には恵まれたと思います。世代も僕とほぼ同じだったので親近感がありました。おかげで、1カ月、2カ月と経つうちに徐々に仕事に慣れていきました。

3カ月くらいで一人立ちし、半年ぐらいで先輩らが行っている業務を少しずつ担当するようになりました。例えば、天井クレーンを用いた運搬作業、ボルト締め・パイプ連結など各種工具を使った作業、データ入力などです。併せて、後輩が入ってきたタイミングで指導員研修を受講し、僕が当初から従事している業務を教える役割も担うようになりました。OTCでは、そうした流れで後輩への指導を代々引き継いでいます。

前職との違いを含めて入社後に印象的だったのは、和気あいあいとした職場でありながらも、仕事に対しては全員が真面目に取り組んでいることでした。正直なところ、前職では仕事をする人としない人が明確にわかれていました。もっと言えば、仕事をしなくても給料は一緒みたいに考える人が一定数いました。でも、OTCではそんなことはありません。むしろ、自分の仕事が早く終えることができれば、次の時間帯の分も「少しはやっておいてあげよう」と気遣ったりしています。チームワークが良いと言うか、協力関係が見事に構築されていると思いました。それは、OTCで働く魅力の一つと言っても良いでしょう。

時間外での交流も社内の結束力を高めてくれている要因になっているのかも知れません。就業後には、健康増進のために工場内に設置されているトレーニングセンターに赴き、上司や先輩らと一緒に運動に励んでいます。筋トレにかなり詳しい方もいらして、「ここの筋肉はこう鍛えたら良いよ」と顔を合わせる度に教えてもらっています。

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念願の正社員登用に。日々新たな知識の習得に励む

実は、僕が入社してから人事制度が変更となり、期間社員は最短で半年後に本人の希望と所属長の推薦があれば正社員登用試験を受けられるようになりました。その話を聞いて、僕もすぐに「受けさせてください。お願いします」と上司に伝えました。元々、「できるだけ早いタイミングで正社員になろう」と思って入社していましたし、前職も正社員としてずっと働いていたこともあって、「安心感を得たいし、より多様な工程にも関わっていきたい」と上司に伝えていました。

それで、2024年1月に登用試験を受けました。それほど難しい内容ではなかったものの、無事に合格し、2月からは正社員となりました。最初の目標が正社員になることでしたから、嬉しかったですし、親も喜んでくれました。

正社員になってからは、これまで従事していた業務に引き続き従事していますが、仕事に対する意識が一段と高くなりました。「正社員になったからには、1日1つでも良いので知識や知恵を身に着けていこう。こうしたらもっと仕事が早くなるのでは、こうした方が安全につながるのではと常に考えることを心がけてもらいたい」との上司のアドバイスをきっかけに、小さなことでも何か1つインプットすることができたらラッキーだと自分に言い聞かせて、実践するようにしています。

以前こんなことがありました。入社以来教えてもらった通りのやり方で仕事を続けていたものの、「そもそも何故そうしたやり方が良いのかは理解していない」と気づき、上司にどのような理由があるのかを聞いてみました。上司は真摯に対応してくれ、おかげで、従来まで何気なく行っていた業務には、どんな意図や狙いがあるのかが腹落ちできました。

そうした知識や知恵が身に付くことは嬉しいですし、仲間と一緒にさまざまな制約を乗り越えて、より高純度なチタンを日々創り上げていけるのは、仕事のやりがいだと思っています。決められた時間内で安全性を確保しながら、それをこなしていくのは簡単なことではありません。当然ながら、チームワークやお互いの連携、協力が必要になってきます。

役職や年齢に関わらず、自分の意見を率直に言い合えたり、提案できたりするのもそのためだと思っています。毎月開催されている改善会議は、その典型です。「こうしたらもっと業務が簡単になるのではないか」「もっと楽になるには何をしたら良いか」…、あらゆる角度から議論が尽くされ、良いアイデアが取り入れられています。さすがチタンのリーディングカンパニーであると改めて実感するとともに、皆さん意欲がとても高いので良い刺激をいただいています。

仕事のやりがいを味わえているのも、働きやすさが確保されているからかもしれません。OTCでは最寄駅からの送迎バスが出ていたり、社員食堂やクラブ活動、独身寮も充実しているので何の心配も要りません。

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まずは一歩ずつ。長期的なキャリアを思い描くのはその先

仕事での今後の目標は、まず業務に関する知識を増やしていくことです。今、国家資格であるクレーン運転士の資格取得を目指しています。既に学科試験に合格しているので、次は実技教習を経て実技試験にも合格したいと思っています。

10年後のような長期的なスパンでのキャリアは、まだ明確には思い描けていません。ただ、OTCは人間関係も含めてすごく環境が良いので、今後も働き続けたいという気持ちがあるのは事実です。そのためにも、会社からの期待に応えられる人材になれるよう、どんどんステップアップしていきたいと思っています。

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