市場が広がるサプライチェーンマネジメント。そのプロフェッショナルとして、走り続ける。

市場が広がるサプライチェーンマネジメント。そのプロフェッショナルとして、走り続ける。

市場が広がるサプライチェーンマネジメント。
そのプロフェッショナルとして、走り続ける。

このストーリーのポイント

  • 入行4年目に自ら希望して支店から本部へ異動
  • サプライチェーンファイナンスのエキスパートとしての地位を築く
  • 子育てと両立させながら、プロフェッショナルのキャリアを歩む

常に先駆的なサービスを創造し、社会に提供してきた三菱UFJ銀行。その原動力となっているのが、高い専門性を有するプロフェッショナルたちである。自分の価値をいくらでも自分で高めていける環境は、大きな魅力だ。

PROFILE
株式会社三菱UFJ銀行

郷司 由香

決済企画部
電子債権・サプライチェーンファイナンスグループ
次長
2001年入行(新卒)

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横浜支店にて店頭業務経験後、法人のお客様、個人富裕層のお客様を担当。その後、金融商品開発部へ異動。以来、債権流動化やサプライヤーファイナンス等、アセットファイナンス領域で、営業、商品企画、与信リスク管理、システム開発、新サービス開発等を経験。現在は次長としてグループを統括。2024年4月に導入された新資格「Ex(エキスパート)」に任用される。

金融のプロフェッショナルに憧れて

私の学生時代、アジア通貨危機が起きました。経済学部で学んでいた私は、金融というものに秘められた得体のしれないパワーに強く惹かれたものでした。この経験から生まれた金融業界について深く知りたいという思いが、就職活動でのメガバンク志望に結びつきました。銀行は経済活動の動脈であり、メガバンクこそその一番の担い手と考えたのです。

当時は就職氷河期ではあったものの、ありがたいことに第一志望である当行(当時は東京三菱銀行)に内定をいただくことができました。
日本をリードする銀行であることに加え、先輩行員の皆さんに憧れたことが第一志望の理由です。選考前に複数の先輩行員にお話を伺う機会を得ましたが、みなさんから金融のプロフェッショナルとしての佇まいを強く感じ、私もぜひ一緒に働きたいと思いました。

総合職として、プロフェッショナルをめざしたいとの思いから入行しましたが、当時はメガバンクのみならず、金融業界で働く総合職の女性はマイノリティでした。
また、銀行といえばゼネラリストというイメージがある中で私はあえて専門性を磨きたいとの思いでスペシャリストを志向し、特定の領域で誰にも負けないスキルを身に付けることを目標にしてきました。これまでの歩みを振り返ると、敢えて人とは違う道を選び、専門性を磨きながらキャリアを積んだことが自分の価値を高めることにつながったと感じます。

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学びながら、新しい商品の開発に挑む

これまでで最も大きな転機となったのは、入行4年目に支店から本部に異動したことでした。入行以来、RMとして法人、個人のお客様への営業を担当していましたが、希望を出して、投資銀行系のプロダクトを所管する金融商品開発部に異動しました。
異動先の希望は必ずしも受け入れてもらえるものではないですが、幸いにも私は希望を受け入れていただくことができました。それまでRMとしての仕事に苦労の連続でありながらも真摯に取り組み、結果を出して表彰されたこともありました。実績があったからこそ、自分の希望する道が開かれたのだと思いますし、「これからの時代は女性に活躍してもらわないと」と口癖のように仰っていた当時の支店長をはじめ、周囲の皆さんも私の希望を応援し後押ししてくれたのだと思っています。
1人ひとりの希望を汲み取り、周囲もそれを支えてくれるのは、今も変わらない当行の素晴らしいカルチャーです。

金融商品開発部での仕事は大変充実していました。私が配属された証券化チームでは、市場が大きく伸びていた時期ということもあり、ビジネスを大きく育てていこうという活気ある空気の中、全員で新しいことを学びながら一体感をもって仕事をすることができました。
既存の商品をお客さまに提案するのではなく、お客さまのニーズをキャッチしてオーダーメイドで商品開発することは非常に面白く、特に大企業のお客さまに向けて新しいファイナンスサービスのスキームを開発する知見が培われたと思います。
チームのメンバーはもちろんのこと、お客さまも財務のプロフェッショナルばかりでしたから、難しいご要望にお応えするために税務や法務の最新の知識を学びながら提案を行うという経験は、私の商品開発キャリアの原点だと感じます。

2006年のUFJ銀行との統合を機に、私の担当業務はアセットファナンス部に発展的に吸収され、私も同部に異動しました。これにより証券化だけでなく、企業が保有する在庫や売掛債権等の事業収益資産を担保とし、資金調達するABL(Asset Based Lending)やサプライヤーファイナンスといった領域へと業務は広がりました。
お客さまは我々に対して「さすが日本を代表するメガバンク」という期待を込めて結果を求めてきますし、それに応えなければならないというプレッシャーは大きいものでした。そこには男女や年齢といった属性の違いはなく、誰もが1人のプロフェッショナルとしてお客さまと対峙しており、こうした環境も私のやりがいにつながりました。

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サプライチェーンファイナンスの価値

現在私が所属する電子債権・サプライチェーンファイナンスグループでの業務は、これまで取り組んできた業務をさらに発展させたものです。具体的には国内大企業向けサプライチェーンファイナンスのストラクチャリングや提案営業、デジタルを活用した新たなサプライチェーンファイナンスサービスの企画・開発などが主な業務となります。
大企業をコアとするサプライチェーン全体の資金繰りを効率化するサプライチェーンファイナンスは、バイヤーとサプライヤーの両者に深く入り込んで課題解決に貢献できる点が最大の面白みです。通常の銀行のサービスは相対の関係が基本ですが、サプライチェーンファイナンスではバイヤー1社と数千社のサプライヤーを巻き込んでいくこともあり、特に中小のサプライヤーにとっては安定的な資金調達の機会の提供につながります。その意味で社会的な意義も高い仕組みと言えるでしょう。バイヤーである大企業も、比較的長いサイトを確保して支払いができるためCCC(Cash Conversion Cycle)の改善につながります。もちろん我々にとっても大きなビジネスであり、まさに三方よしのスキームなのです。

サプライチェーンファイナンスのサービスを提供するには、お客さまのサプライチェーンの実態に関する深い理解が必要となります。一般的な融資であれば決算書を見て資金需要を探ることになりますが、サプライチェーンファイナンスにはお客さまの事業への理解と取引先や商流の実態を見通す力が求められます。今後はここにデジタルの力を加えることで、より高度なサプライチェーンファイナンスを構築できるようになるでしょう。
近年、ブロックチェーンなどの技術によりSCM(Supply Chain Management)の仕組みでの企業間連携の最適化が加速しています。このマーケットは今後成長の可能性を秘めており、この領域に興味をお持ちの方には、ぜひ当行で経験を積んでいただきたいと思っています。

話は戻りますが、アセットファナンス部で債権流動化やサプライヤーファイナンスに取り組んでいたとき、電子記録債権法が施行されました。2008年12月のことでした。事業者の資金調達の円滑化等を図ることを目的に、紙の手形に代わる決済手段として手形や売掛債権を電子化する法律で、これを契機にサプライヤーファイナンスにも力を入れていこうという機運が高まりました。2013年に全国銀行協会が主導する電子手形(でんさい)を取り扱う仕組みを立ち上げたわけですが、MUFGではそれより前の2009年に電子債権記録機関第一号として指定を受け、電子記録債権を活用したサプライヤーファイナンスの仕組みをリリースし、既に多くの大企業にサービスを提供していました。
こういった新しい法制度の動きをいち早くキャッチし、ビジネスチャンスに結びつけていく力は、当行の大きな強みとなっています。常に新しい領域にチャレンジし、先駆者として開拓していく姿勢が、私たちにはあります。

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周囲のサポートへの恩返しとして

入社5年目と13年目に娘が生まれ、2度産休、育休をもらいました。もちろん子育ては大好きですし、とても楽しくはあるのですが、仕事をする自分も好きですし、プロフェッショナルとしての自分の道を引き続き歩いていきたいという思いは強く持っていました。
一人目出産の当時は今とは隔世の感があり、子育てしながら働く女性は稀でした。出産したら退職する女性が多かった中、仕事と子育てを両立させる道を選んだことに対して、上司や周囲の仲間は様々な形でサポートしてくれました。その恩返しをしたいという思いが、仕事に対する私の原動力になったことは間違いありません。そんな私の背中を見て、後に続こうと思う後輩が増えてくれたら、嬉しく思います。

私のキャリアにおいて、本部への異動、出産に続く3番目の転機はコロナ禍で在宅勤務を経験したことでした。それまでは子供が熱を出したら早退しなければならないような状況で、管理職なんてとても無理と思っていたのですが、在宅勤務をうまく利用すれば子育てと管理職の仕事を両立できるのではないかと感じたのです。
現在私は次長としてグループを統括し、部下の指導・育成にも取り組んでいます。管理職になったことで得られる情報や見える景色、やりがいがありますし、これ迄公私共に経験してきた様々な困難もあります。このような自分自身の知見・経験をメンバーに共有することで、個々のチャレンジやキャリアを応援していけたらと思っています。

ものすごい速さで時代が変化する中、当行は「挑戦とスピード」という普遍の価値観を共有しています。私の部署も常にチャレンジすることが求められています。自分ならではの専門性を磨きつつ、失敗を恐れずに日々のチャレンジを繰り返していく、そんなマインドを持った方と共に仕事ができたらと考えています。

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