すべての経験が自分の財産に。チャレンジこそ、成長につながる。

すべての経験が自分の財産に。チャレンジこそ、成長につながる。

すべての経験が自分の財産に。
チャレンジこそ、成長につながる。

このストーリーのポイント

  • 一番大切なのは誠実さということを、お客様に教わる
  • 営業職の経験を活かし、インストラクターとして新入社員の育成に取り組む
  • いずれは支店長を目指したい

大和証券の営業職である資産コンサルタントとして12年の経験を積んだ後、インストラクターとして新入社員の「入社時研修」を担当することに。まったく思っていなかった道だったからこそ、想定外の成長が得られるチャンスと受け止めた。自分の中の無限のポテンシャルを感じている。

PROFILE
大和証券株式会社

松田 祐起

新入社員教育インストラクター
2011年入社

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兵庫県出身。自営業の実家に育ち、お金の大切さを学んだことから、金融業界を志望。1人ひとりを大切にしてくれる社風に惹かれて大和証券に入社する。豊中支店で6年、渋谷支店で6年、営業職に従事する。2024年4月より、新入社員の育成を担うインストラクターに。

仲間を大切にする社風に惹かれる

実家は建設関係の自営業でした。母の実家も製造業を営んでいて、私の兄がその後を継ぎ、姉は酒屋さんへ嫁ぎました。そんな具合に私の家族は全員が何らかの形で商売に関わっていました。私自身が学生の頃に家業について話を聞く機会はなく、何不自由ない学生生活を送らせてもらいました。子どもに余計な心配はさせたくないという両親の想いでしょう、私の前では事業の良し悪しや、苦労をした素振りは見せませんでしたが、私なりに父の仕事については何となく察していました。
“何かを成すべく時、お金というのはとても大切なものなのだ”ということを、両親の姿に学びました。

父は私に「お前は自由にしていいから」と言っていました。実家を継げとは一度も言われたことがありません。むしろ自営業の大変さを知っているからこそ、安定した会社員になってほしいと思っていたのでしょう。
こうした背景から私は大切な「お金」に携わる仕事がしたいと思うようになり、それなら銀行か証券会社だと考えました。

証券会社にしたのは、「名刺1枚で会いたい人に会える」と聞いたからです。たくさんの出会いがあるなら、きっと自分の成長につながるはずだと思いました。もっともこうした自分中心の考え方が間違っていたということは、後になって十分思い知らされるのですが。
大手証券会社の中で大和証券に決めたのは、人を大切にしてくれる会社だと感じたからです。面接の際、他社は文字通り“ふるいにかける”という姿勢で就活生に接していると感じましたが、大和証券は1人ひとりの話に耳を傾けて、一緒に働く仲間を探そうとしてくれているという印象でした。ここならば自分の可能性をしっかりと引き出してもらえるのではないかと考え、入社を決めました。

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お客様が見ているのは商品ではなく“人”

最初に配属されたのが、大阪の豊中支店です。“ザ・リテールマーケット”と呼びたくなるようなエリアの支店で、周囲には富裕層の方が多数暮らしていました。この支店で私は資産コンサルタントとしてのスタートを切ったわけですが、最初の1、2年は本当に苦労しました。「名刺1枚で誰でも会える」と思ったのに、新規開拓を続けてもなかなか上手くいきません。口座を開設していただくどころか、面会すらままならない日々が続きました。
ようやく最初のお客様に口座を開設していただいたのは、配属されて4ヵ月ほど過ぎた頃。同期の中でもかなり遅いほうで、心の中は焦りで一杯でした。そして焦れば焦るほど空回りして、なかなか結果を出せない日が続きました。

そんな私が変わったのは、あるお客様との出会いがきっかけでした。
坂道の途中にある大きな家にお住まいの70代のお客様で、私はその道を通るたびにご案内のチラシをポストに投函したり、呼び鈴を押したりしていたのです。もちろん何度繰り返しても、お目にかかることはできませんでした。ところがある日、そのお客様がドアを開けて、私を招き入れてくれたのです。「こんな急な坂道を自転車で登ってくる姿をいつも見ていました」とのことでした。お客様はドアを開けてはくれなかったけれど、私の姿はいつも目に留めてくれていたのです。そして私という人間がどれだけ誠実に仕事に取り組んでいるかを、見定めようとされていたのでした。
私が「名刺1枚で誰でも会える」と思ったのは、お客様にとって利益になる話を持ちかけるのだから当然のこと、という考えがあったからでした。しかしお客様は決してそんなことはなく、何よりも「私」という人間を見て、会う価値があるかどうかを判断していたのです。
このお客様との出会いは、そんな大切なことを私に教えてくれました。

知識や経験も大切だけれど、資産コンサルタントとして最も大切なのは誠実さと、がむしゃらさ。それを教わった経験は、インストラクターを担う今の自分にも活きています。
私が教え、指導しているのは、これから資産コンサルタントとして社会人の一歩を踏み出そうとしている新入社員たち。その先には、当然のことながらたくさんのお客様がいらっしゃいます。私には新入社員たちを育てることで、その先のお客様に少しでもお役に立てればという想いがあります。
また、新入社員には私のように遠回りすることなく、早く誠実さとがむしゃらさの大切さに気づいてほしいという想いを込めて接しています。その上で経験を積んでいくことで、確実な成長が得られるでしょう。

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コロナ禍の逆風で、部下を思いやることを学ぶ

豊中支店で6年を過ごした後、渋谷支店へと異動になりました。初めての異動で、初めての都内の支店。直前には初めての子どもも生まれ、家族で初めて東京で暮らすことになりました。まさに初めてづくし。私にとって大きなチャレンジでした。
私の一番の強みは、無限のモチベーションです。どんな状況でもポジティブさは失わず、常に明るく、前のめりです。ですからこのときも、不安は抱えつつも、やってやるぞという気持ちでした。

もちろん支店が変わり、担当エリアが変わっても、仕事は同じです。お客様と誠実に向き合うという姿勢にも変わりはありません。私が豊中支店で6年間積み上げてきた自信は大きく、成果も着実に積み上げることができました。
ただ、コロナ禍には大きな影響を受けました。というのも在宅勤務が中心となったことで経験の浅い若手社員が不安を募らせていることがわかったからです。1人でも多くのお客様と面会することでスキルを磨いていかなくてはならないときに、自宅から出ることもままならない、そんな状況に若手社員は苦しみ、迷っていました。そうした気持ちが伝わってきたので、私は意識的に若手社員に声をかけ、モチベーションを失うことがないように、背中を押し続けました。
この経験が広い視野を育むことにつながり、人を育てる喜びを知ることにつながっていきました。

その後、新入社員教育のインストラクターを命じられました。
これは私にとって想定外すぎるほど想定外の異動でした。渋谷支店で実績を上げ、そろそろマネージャー職が視野に入ってくるタイミングだっただけに、本当に驚いたものです。
なぜ営業職一筋だった自分がインストラクターを命じられたのか、理由ははっきりわかりません。渋谷支店で若手社員に目を配り、その成長を支えようとした姿が評価されたのかもしれないし、高校時代にバスケットボール部の副キャプテンを務めたことで培われたリーダーシップや人をまとめる力が期待されたのかもしれません。どんな理由であれ、私にとっては今まで以上に大きなチャレンジです。思い切ってこの新しい仕事に挑戦することを決めました。

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教えることで自分も新たな成長を得た

新入社員は例年、「入社時研修」を受講するため、当社の研修施設に一堂に会します。新入社員はクラスに振り分けられ、クラスごとに担当のインストラクターが付き、学生から社会人へという節目に必要となる意識やマナー、作法などを学びます。同時に金融の専門家として必須の知識や大和証券の人間にふさわしい品格や知性なども身につけてもらわなくてはなりません。私は担任として、それらを責任もって教えています。
感動したのは、入社式です。入社式に出席するなんて人生において二度とないと思っていたので、まさかの出来事でした。初々しい新入社員の背中を眺めながら私も自分の新入社員時代を思い出し、あの頃の胸にあった希望や不安などを振り返りました。まさに初心に還る、貴重な経験ができました。
そして、これから自分が教えることになる一言一句が新入社員にとっては人生を左右しかねないほど重要なものであるという責任を自覚し、気を引き締めました。

一方で、インストラクターをしながら、実は私自身が新入社員たちに教わっているという感覚もあります。1人ひとりの不安や悩みをくみとり、そのフォローをすることで、自分が忘れていた志を思い出し、改めて自分にとっての仕事や会社とは何だろうと考えることもあります。インストラクターになってまだ数ヵ月ですが、この仕事を続けていくことで、より大きな気づきを得て、成長できるのではないかと思っています。
私の“教え子”たちは研修所からそれぞれの配属先へと羽ばたいていきます。まさに社会へ飛び出していく我が子を見守るような気持ちで、しっかりと育てて送り出さなくてはという強い責任を感じながら日々過ごしています。

私が大和証券に入社したときに胸にあったのは、いつかは支店長にという思いでした。そんなキャリアビジョンの中では想定外だったインストラクターを務めることになり、人を教える喜びを知ったと同時に、自分を見つめ直す機会も得ました。
この経験を得がたい財産として、また営業の最前線に戻りたいと考えています。営業を統括するマネージャーを経て、いつかは当初の目標だった支店長にも改めて目指したいと思います。
自分には自分の思っている以上のポテンシャルが眠っている。様々なチャンスを通じて、それに気づかせてもらったことに、私は感謝しています。

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